2004年6月アーカイブ

都心のパズルな風景

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今日は仕事がひと段落したので、涼しげな風景はないか?と、ちょっとまわりを歩いてみましたが、風邪も治りきっていないし、あまりの蒸し暑さに、もうすぐに逃げ腰。昨日にひきつづき、またまた複雑系風景になってしまいました。こんなの見ると暑さが増しそうですね。すみません。最近はどこを見まわしてもビルとビルが入り組んでますよね。でもここは相当なものです。こうして写真にすると、どこがどうなってるのか、もうほとんど把握不能です。面白いと言えば面白く、ある意味感心します。フォトショップでちょっとかき混ぜると、即、抽象画かポップアートになりそうです。が、いくらなんでも複雑過ぎ。水平線一本の涼し〜い写真が撮りたいです。そうだ、久しぶりに湘南にでも行ってみようかな?

【場所】文京区春日1丁目あたりです。僕が立っている場所は文京区後楽1丁目になります。
【雑感】今日で6月もおわりです。どうやら今月は「毎日更新」目標がクリアできました。お付き合いくださった方々には感謝してます。しかし、母が入院中、父も要支援、僕自身は風邪こじれ、急ぎの仕事あり、という状態での更新は結構つらいものがありました。来月からはもっとラフにしようかな?とも考えてます。例えば、Kai-Gai 散策なんてのもアリかな?など...。

こんな風に、アコーディオンのジャバラのようになった家をご覧になったことはありますか? 土地の区画が狭い場所などで時々見かけます。どうしてこうなったのかというと、土地の境界線がカーブしているところで、できるだけその境界線いっぱいに建物を建てるために、苦肉の策としてこういうジグザグデザインが生まれたようです。しかし、こいつはジャバラの刻みがかなり細かいです。鏡をいくつも並べて風景を映し出し、異次元の世界のように見せかけるアートのようにも見えます。じっと見ていると、時々遠近感がおかしくなります。いったい、なかはどうなっているんでしょうね。まさか、人が壁づたいに歩いてたりはしないですよね(^^; でも、この建物、色といい、古び方といい、なんか良いよな〜。

【場所】文京区弥生2丁目あたりです。

湯島のセレブ御用達

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タイトル見ただけでもお恥ずかしい。が、ま、とにかく、冗談半分ですからお許しください(^^; さて、本郷・湯島界隈にはスーパーが少ないってことは先日ちょっとお話しましたが、後楽園ラクーアに成城石井がオープンするまでは皆無と言ってよい状態でした。そこで孤軍奮闘してくれてたのが、このKAGAYAさんです。地元の皆さん「湯島の紀伊国屋」とか「湯島のユニオン」とか、好きに呼んでます。かな? ま、とにかく、下町にしてはちょっとお洒落で、品揃えもやや高級路線です。お客さんも、湯島のおばちゃんに混じって「ん?」と思わせる、ちと違うタイプの方も時々いらっしゃいます。規模は小さいんですが、小気味よいスーパーさんです。まさに山椒は小粒でピリリってやつです。サービスが大手より2歩先いってる感じがあります。ウェッブショッピングなんてとうの昔。今や商品の配達には電気自動車です。こぢんまりとローカルに徹し、ピリッと楽しげに頑張る企業って良いな〜と思う。僕はこれからもKAGAYAのファンをつづけます。

KAGAYAのウェッブサイトはここです。

【追加】 KAGAYAさんが最近すぐ近くにオープンしたデリ&カフェ"SEASON"の外観です。

木造3階建というと、とかく本郷森川町の本郷館が思いだされる。だが、根津の人たちにとってはここ「はん亭」だろう。ここは元々は下駄の爪皮屋だったという。しかし、ご長男が音楽家になり爪皮屋は廃業。それを後に運送会社が買い取り、独身者や季節労働者の寮として使っていたらしい。この頃は、内外ともに相当に荒れていたようだ。そこを偶然に通りかかった現在のご店主が惚れ込み、長い交渉の末入手し、最初はご家族全員で住んでいらしたという。当時、ご店主は上野本牧亭の裏で「くし一」という串揚げ屋を営んでおられた。そこで「くし一」から半歩でも前に進みたいとの思いから、屋号を「はん亭」になさったという。この建物は大正初期に建てられたものだが、いまでも見るからにしっかりしているし、優美だ。だが、その裏にはご店主の並々ならぬ努力が隠されている。あばら家同然だった建物を、原石であると見抜き、自ら磨き上げ、宝石として世に出した。それが見事に客を魅了した。繁盛している。だから磨き行程をつづけることができる。良いサイクルが成立しているようだ。

はん亭の場所:文京区根津2-12-15 / 03-3828-1440

【老婆心】爪皮=つまかわ。 雨の日に下駄の先にかけるカバー。爪掛け(つまかけ)とも言う。
(後記) はん亭はあまりに有名だし、どこのサイトを見ても、この角度からの写真が紹介されているので、「無名風景」にこだわりたいと思っているこのサイトでは、採り上げまいと思っていました。でも、この日は、光も優しかったし、赤いニュービートルも停まっていて、ちょっと雰囲気が違って見えました。ま、有名でも表情が違えばいいか?ということで、アップしました。

誰も居ない昼下がりの路地

根津の路地に入り込んだ。両腕を左右にひろげると、手の先が建物に振れるほどの狭い径がつづく。路地は、通常、その路地の住人しか通らない。だから、初めての路地を通るときは、誰かにとがめられはしないかと、何時もちょっと緊張する。だから、できるだけ足音を消し、そっと歩くようにしている。しかし、ここはまったく人通りがない。根津の路地にしては、失礼な言い方かもしれないが、あまりにすっきりと片づけられている。人が住んでいるのに、人の気配が感じられない。照りつける太陽を避けるように、皆が家の奥で、息を潜めているような印象なのだ。追いかけっこをしている子供たちが、嬌声をあげながら、角を曲がってこちらに突進してくるような光景は、もう白日夢でしかないようだ。暑い。ペットボトル入りのお茶でも買いに行こう。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。

今日もやはり暑かったですね。そこで、今日も昨日にひきつづき、ひんやりシリーズです。目に涼しい写真はないか探しました。こんなのはいかがでしょう。金属とガラスが青っぽくヒヤ〜ンとした感じで、でも冷え過ぎないように、アップルがいくらか暖かみを残しといてくれてます。銀座のアップル直営店です。去年の11月30日にオープンしましたが、以来、たった一度だけ、ササーッと見てまわっただけです。僕が最初に触れたパーソナルコンピュータはマックでした。以来、マックを使いつづけています。でも、強引とも思えるマックOSの切り捨てとOSXへの移行には「ちょっと待ってよスティーブ!」って感じです。で、結局、僕はいま、このサイトをウィンドウズXP環境で制作しています。実に便利です。ウィンドウズは大嫌いでした。でも、マックが大好きではなくなったのです。それと同期するように、ウィンドウズも大嫌いではなくなっていきました。でも僕のウィンドウズマシンのデスクトップは、見た目がかなりマックです。マックに、いやアップルに未練はあるのです。やはり、パーソナルコンピュータMacやiPodといった、ライフスタイルに影響を及ぼすほどの概念をデザイン設計してきた会社です。やはり素晴らしく魅力があります。いま切に願うのは「アップル製ウィンドウズマシン」の発売です。そうすりゃ「マックで涼しいウィン環境」の実現です。これはvaioの息の根を止めるくらいに売れるでしょう。

【場所】中央区銀座3丁目あたりです。
【余談】まったく関係ない話しですが、先週末に突然5万円近く下がったキヤノンEOS 10D の値段が、今度は突然5万円近く値上がりして元の値段に戻りました。これどういうことなんでしょう? 「最終在庫処分は終わり。いよいよ新型を発表するよ」ということなんでしょうか?

不忍池の畔から

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サブタイトルは「気の早い暑中見舞」です。昨日、今日と暑いですね〜。僕は元々暑さには強く出来てるんですが、最近の都心の夏の暑さってのはダメです。もう異様とか異質といった表現がぴったりです。圧力釜のなかにでも居る感じ。暑さがしつこくまとわりついてきて、気分が悪くなってきます。地面や樹木が少ない所に、エアコン(クルマを含む)が熱風を吐き出せば暑くなりますよね〜。分かりきった話です。ま、グチはこのくらいにして...。今日は上野「不忍池の畔から」です。タイトルだけでもけっこう情緒ありますよね(結構自己満足)。それだけで縁台や浴衣、団扇、冷たいお茶などが想い浮かびます。え?浮かびません?(^^; ま、とにかく、、、写真を見ながら、そんな連想遊びでもしてください。そして少しでも涼しさを感じていただけたら幸いです。

【場所】台東区池之端1丁目あたりです。
【老婆心】不忍池=しのばずのいけ。畔=ほとり。

セルフポートレイト

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これまでこのサイトでは Konica Revio-510Z というデジカメで撮った写真を使用していました。このカメラ、小さいのですが、持った感触がソリッドで、見た目からは想像もできないほど素晴らしい画像を生成してくれます。けっこう酷使しましたが、何のトラブルもありませんでした。よく働いてくれました。が、問題が全く無かったわけではありません。どの小型デジカメにも多かれ少なかれあるシャッターのタイムラグや、マニュアルでの使用は忘れたほうが無難、といった問題は抱えています。しかし、それらは慣れで何とか消化できます。ただ、ひとつどうにも困っていたのが、広角にしたときに発生する樽型のゆがみです(この価格帯の小型デジカメでは仕方のないことかもです)。建物や柱などが上にいくにつれて、多少ではあれ、グニャリと内側に曲がるっていうのは、僕にはどうにも我慢できません。
これを解消するには、しっかりと設計されたレンズを使用するしかありません。そういったレンズを使用するためには、デジタル一眼レフを選択する以外ありません。そこで白羽の矢を立てたのが キヤノンEOS10D というカメラでした。競争相手はニコンD70。ニコンD70は後発で、値段はキヤノン10Dよりも安いのに、性能的にはキヤノン10Dを上回る勢いです。掲示板などでの評判もすこぶる良く、僕も一度はニコンD70にしようと決めて、カメラ屋に買いに行きました。が、手にしたときの感触だけでもう?でした。もっとダメだったのが、ファインダーでした。像が小さく遠いのです。ファインダーのなかで被写界深度の確認などおよそ望めない感じです。一眼レフにとってファインダーは命とも言えるのに、これはないよな〜って感じでガッカリ。次に、折角来たからと思い、隣りにあったキヤノン10Dのファインダーを覗いてみました。すると、これなら使えるという範囲でした。もう発売から1年以上が経過していますので、電源スイッチをONにしてからシャッターが切れるようになるまでに2秒程度かかるとか、オートフォーカスがいまいちとか、バッテリーの持ちが悪いとか、ストロボの立ち上がる角度が悪いとか、弱点も目につくようになってきてはいます。しかし、ボディの剛性やミラーのダンプの効き具合、ファインダー、画質(このサンプル画に参りました)など、基本的な部分で未だ他の機種に勝るところが多々あります。そして、先週の土曜日にボーナス商戦対策なんでしょうか? キヤノン10Dの店頭価格がドーンと5万円も下がったのです。これに釣られてしまいました(僕にはボーナスは無いのですが…)。今日届いたばかりなので、まだ調子を見ている段階ですが、このサイトで使用する写真は、徐々にキヤノン10Dで撮ったものになってゆくはずです。とりあえず、新しい相棒で最初に撮影した記念カットをアップします。今後ともよろしくお願いいたします。

谷中のいせ辰。元治元年(1864年)創業の老舗。三崎坂[さんさきざか]の途中に、千代紙で作られた羽子板状の看板(?)と、大福帳を形取った看板が見える。店内に入ると、さながら江戸千代紙の万華鏡の世界。圧倒される。昔ながらの版木を使って刷りあげた本物だけが持つパワーなのか。置いてある品のどれもこれもが欲しくなる。ポチ袋などは、特に、いせ辰のものを用意しておいて、いざという時にさっと取り出してさっと手渡せば、粋でいなせでひじょうによろしいようだ。僕にはとてもできない技だけど...(^^;
ひとつ有名なエピソードがある。いせ辰が昔製作し輸出したナプキンの図柄が、ゴッホの作品 "タンギー爺さん" の背景に描き込まれているというのだ。確認してみよう。間違いない。確かに、左下方にそれらしき図柄が見える。だからどうだということもないが、当時すでに千代紙技術をナプキンに転用して輸出していたこと驚きを感じる。しかも浮世絵ファンで鳴らしたゴッホ、気に入らないものは背景になんかに入れない。気に入ったからこそ背景に描いたに違いない。この事実、判明したのはわりと最近のことのようだ。辰五郎おそるべし。

【追記】ゴッホ(1853-90)。背景に描かれたナプキンのオリジナルは世界に1枚しかないという。いせ辰にすら残っていない。近年パリで発見され、それを山口県立萩美術館・浦上記念館が購入・所有している。
【余談】おみやげに 、葉書セットと、暑い日だったので江戸団扇を買いました。今回は江戸千代紙の魅力をちっとも伝えられませんでしたので、ここも、いずれ特集ですね。

いせ辰の場所:台東区谷中2-18-9 / TEL 03-3823-1453

樋口一葉が通った路地

樋口一葉という名前はよく知っている。が、彼女については何も知らない。彼女が残した小説の題名と、若くして亡くなった、ということくらいしか...。そこでGoogle検索すると、樋口一葉とマリリン・モンローを同列に並べて作成されたホームページにヒットした。うん、なんだか、こう組み合わせる感性って正しいよなという気がして、そのサイトで一葉についてさらりとお勉強。やっぱ愛好家のサイトってのは柔軟だし面白いです。あ、だいぶ話しがずれてきました。風邪をひいているせいです。お許しを。というわけで、今日は、樋口一葉の住まいがあった路地の写真です。左側中ほどに、一葉も使っていたという井戸のポンプ(青)があるんですが、見えるかな? ここは道幅が狭く、両側の家の背も高いので、昼間でもそう明るくはありません。でも、逆に、その仄暗さが、光の明るさを増幅して見せてくれます。ここは、陰影がとても美しく見える場所のひとつです。そのうちに、一葉の影だけでも見ることができるかもしれません。

【場所】文京区本郷4丁目あたりです。
【追記】 ここも一葉が通った路地です。上の写真の路地とは石の階段でつながっています。

目黒のプチガウディ

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目黒のサンマじゃありません。プチガウディです。実は、風邪をひいてしまったのですが、どうしても目黒方面に行く用があり、仕方なく行ってきました。どうせ行くならデジカメも携帯です。すると出会っちゃいました。なんだか妙な建物です。熱と暑さでついに幻覚か?って感じです。改築に次ぐ改築。増築に次ぐ増築。見れば見るほど尋常じゃありません。
思わず、1階の美容室のスタッフの方に訊いちゃいました。そしたら、これって大家さんの趣味なんだそうです。いまだに、どんどん上に伸びていってるそうです。だいぶスケールは違うが - 大袈裟なのがこのサイト - かなりガウディの建築とカブってきました。
しかし、ここの住人(そうなんです。お店もありますが、普通に住んでる人もいらっしゃるそうです)は、ここが好きで入居してる人達に違いありません。全体的に見ると妙なんですが、細部に目をやると、とても暖かく和む風景[例1][例2]がたくさん見えるんです。1階の美容室や2階の古本宝飾洋品店は、ほんとにお洒落でした。
今日、風邪をひいていなかったら、きっと、ここでヘアカットしてたと思います。これはそのうち特集ですね。

■関連エントリー:目黒のプチガウディ...その後

【場所】目黒区目黒本町4-3あたりです。

米国の友人を東京案内しているときに彼が言った。「日本はどこにでも自動販売機があって、100円程度でコーヒーが飲めて最高だ。しかも美味しい」と。彼は、日頃、全米を飛び回っているミュージシャンだ。「美味しい」はともかくとして、彼の言うことに間違いはない。ま、確かに便利だ。が、風景写真を撮っている者にとっては、これが大変に不便なことが多い。何処にレンズを向けても、フレームに自動販売機が入り込んでくるのだ。これを避けようと四苦八苦したあげく結局絵にならない、なんてことは日常茶飯事だ。しかし、これだけ数が多いと「逆に自動販売機をテーマにしてしまうのもアリだな〜」と考えたことがある。まずは谷中のこいつからスタートしようか? しかしこの状況、ロバート・フランクの写真集「アメリカンズ」に収録されている、ドライブインのジュークボックスやテレビの写真と似た匂いがする。...のは僕だけ?

【場所】台東区谷中1丁目4あたりです。
【余談1】この写真には、偶然にも、下町の代表的な壁材(板壁・波形トタン・モルタル)が3つとも写り込んでいます。
【余談2】写真集「アメリカンズ」の序文は「路上」の作者ジャック・ケルアックが書いています。これ、ちょっと気になりますよね。

菊坂の長屋風景

菊坂に、昔は川だったという細い通りがある。住民が下道[したみち]と呼ぶこの通り沿いには、いまでも風情のある長屋風景を目にすることができる。この日は、前日までの雨があがり、からりと晴れ渡った気持の良い朝を迎えた。住人が洗濯物を干す姿に遭遇した。ここには、今では本当に珍しくなった、物干し竿をわたすための支柱が残っている。通りかかると、その向かいで、年配の女性が金魚鉢をのぞき込んでいた。めだかがかえったのだという。陽射しのある暖かい日には、たくさん孵化するのだそうだ。鉢をのぞき込むと、透明な、1ミリにも満たないような稚魚が、何匹も元気よく泳いでいた。なんだか、ここに来ると、気持ちが優しくなる。

【場所】文京区本郷4丁目あたりです。

この写真は、なにも特に「炭団坂」とことわりを入れることもないですね。ちょっと看板に偽りありっぽいです。この日は、菊坂の下道を抜けて自宅に向かっていました。いつもは「こんな所にまた真新しい標識立てちゃって、まあ、これが錆びて雰囲気出るまでには相当な時間がかかるじゃん。炭団坂よっ、ここは...」などと、やや腹立たしく思いながらこの標識を見ていました。ところが、傾きを強めた太陽のいたずらです。どうしてどうして、雰囲気あるじゃないですか〜。即座に、ユージーン・スミスの有名な「幼い兄が妹の手を引いている」写真を思い起こしちゃいました。(こんな所で思い出すな!ってユージーン先生に怒られちゃいそうですが...。) ところがです。その、私も非常に影響を受けたその写真展のカタログとも言うべき写真集のタイトルが思い出せないのです。うぬ。というので、古い本をチェック。それは「ファミリー・オブ・マン」でした。

【場所】文京区本郷4丁目あたりです。
【追記】右側にすこし見える階段をのぼりきった右側に、かつては坪内逍遙の住居「常磐会館」があったそうです。逍遙は、そこで「小説神髄」を書き上げたということです。現在は日立のビルになっています。
【老婆心】 炭団=タドン。

カサの花が咲く路地

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梅雨時の短い晴れ間は貴重です。路地は洗濯物で埋まり、あちこちで一斉にカサの花が咲きます。湿気ったカサを開き、把手を窓枠や物干し竿などにひっかけるのです。そこに光が差すと、ちょうど写真で間接光をつくるディフューザーのような効果が生まれ、その周りがぱっと華やかで柔らかい光につつまれます。ほんとにハッとすることがあります。いずれその光景もアップします。ところでこの家2軒、ともに迫力ありました。カサが (ここは直接地面に置かれていますが) 並んでいなかったら、生活の匂いを感じさせる材料が少なくて、廃屋を撮った写真のようになってたでしょうね。

【場所】文京区本郷4丁目あたりです。

今朝8時30分頃の本郷です。昨日までのぐずついた天気とはうって変わり、ドピーカンです。湿度が低く、カラッとしています。僕は長い間、明け方ベッドに入り、昼頃起きあがる生活をつづけていたので、この時間に散歩してるなんてのは、超非日常なのです。しかし「早起きは三文の徳」って古い格言があるじゃないですか、昔の人は良いこと言ったもんですね〜、なんて思いながら、ここを見て「あ、山下達郎のライド・オン・タイムだ」なんて古めの発想(^^;をしたりして、この写真を撮りました。でも、「南の島なのに、ここの風景って、ちょっと日本っぽくない? 日本車多いしさ...」とか思って見ると、そうも思えてきちゃいません? 左のクルマが、錆びたピックアップトラックだったりすると、もう完璧ですね。夏だ。今日は気分がいい。

【場所】文京区本郷1丁目30あたりです。
【追記】実は、このポストは昨日の朝、アップしようと思い、あれこれ作業していました。そこに電話が入り「母が転倒して大腿骨骨折」です。すぐに病院に飛んで行き、一日中大騒ぎでした。そんなわけで、一日ズレましたが、今日も天気が良いので、アップしちゃいます。折角良いお天気なのに、しばらく病院通いがつづきます。ショボーンです。

後楽園遊園地の跡地に、ちょうど1年前、スパ[温泉]を売りにしたアミューズメントパーク"LaQua"がオープンした。園内にはアトラクションもあり、絶叫ジェットコースターと観覧車ビッグオーがその主役だ。これが出来て以来、意外な場所からビッグオーやジェットコースターのレールが見えるようになった。面白いことに、観覧車が背景に入ると、風景がのどかに感じられたり、楽しげになったり、妙に寂しかったり、懐かしさ強まったりすることがある。風景への感情移入度が高くなるとでも言ったらよいのだろうか。これは観覧車が、大人が童心に帰れる場所である遊園地を強く連想させるからかもしれない。この場所だが、ビッグオーやジェットコースターのレールが無かったら、まずシャッターは押していないと思う。いずれにせよ、僕とビッグオーは、これから先長い付き合いになりそうだ。

【場所】文京区本郷1丁目30あたりです。
【余談】ラクーアについてはいずれレポートすることもあるか?と思いますので、ちょっとだけ。娯楽施設であるラクーアに、なんとスーパー成城石井が入っています。後楽園周辺にはスーパーが無かったので、この付近の住民は「成城石井が入るらしい」と聞いたときは大喜びでした。結果、皆さん結構利用してます。ちと値段が高めなのと、ポイントカードが無いってのがちょい不満ですが、ま、在ると無いでは大違い、成城石井さまさまです。ラクーアは、ショップ関係も結構充実してますし、意外と遊べます。入園は無料だし...。近所の住民を(勝手に)代表してお勧めです。

路地の軒先園芸

下町には園芸好きが多い。路地が草花で埋めつくされて、通り抜けがたいへんな所すらある。路地では、あれこれと工夫して、軒先の限られたスペースに沢山の植木鉢を並べるのも腕のうちだ。自分で園芸をやってみると分かるが、鉢の数が多くなると、手入れは思ったより大変だ。つい水やりを忘れたり、花殻や病気に気づかなかったりする。でも、路地の草花たちは、きちんと手入れされ元気に育っている。長屋の地味な板壁が、花や葉の、絶好の引き立て役になる。雨上がりに、すっと薄日が差したりすると、草花の緑が透明感を増し、花は彩度を上げ、葉についたしずくが輝きを放ちはじめる。香気すら漂ってくるようだ。この光景はほんとうに美しい。ここの住人になりたい、と本気で思う瞬間だ。

【場所】文京区本郷4丁目あたりです。

菊坂の風景になった青果店

野菜果実・比留間青果店。潔い看板だ。この看板を見ると、菊坂に居るという気がしてくる。昭和10年頃に、店主のご両親がここ菊坂で青果店をはじめ、その後2度ほど場所を変え、最終的に菊坂上道沿いの今の場所に落ち着いたのだそうだ。15年ほど前までは、この辺りには旅館が多くあり、かなりの数あった商店は賑わい繁盛したものだという。しかし、周辺のお屋敷や旅館の消滅とともに、商店も1軒1軒と姿を消していき、同時に風情も失われていった。ご店主の口から漏れた、「うちも、ニ、三年後は分かりませんよ」と...。このお店は借家であるため、大家さんの承諾なしには補修や改築ができない。しかも、大家さんはもっと土地を利用をしたい希望を持っているという。昔の姿のまま残っている下町の家屋の多くは借家で、改修しようにもできない事情があるという現実。情緒だ風情だとばかり言ってはいられないことに気づかされた。

【場所】文京区本郷5丁目あたりです。
【余談】右隣りは、樋口一葉が通ったことで有名な質店・伊勢屋だ。ご店主が「子供の頃、伊勢屋さんの軒下でおはじきをして遊んだことを憶えている」と話してくれた。「そうそう、お手玉もやりましたよ、母親が縫ってくれたお手玉でね」とも...。

Papa'sの元気のレシピ

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今日はちょっと休憩です。ここは青山の Panya Papa's です。
 笑顔 2カップ
 喜び 小匙1/2
 きれいで新鮮な空気1カップ
 遊び 大匙1杯
 よくかき混ぜて、太陽の密で甘みをつけ、花の鮮度を加えます。
と、天井近くの壁に書いてあります。


最近は、青山方面にはめったに行かないけれど、近くに行ったときは、カフェのほうでサンドウィッチを食べ、ここでパンを買って帰ります。でも、最近、上のレシピに加えて、「思いやり 小匙1杯」が欲しくなってきました。歳かな? それもあるでしょうね。

以前から気になっていたので、不忍池近くにある重要文化財・旧岩崎邸に行ってみた。ざっざっと砂利を踏み鳴らしながら、ゆるやかな登りになったアプローチを歩いて行くと、目の前にそそり立つように薄黄色の洋館がその威容を現した。「でかい!」というのが最初の印象だ。イーグルスのホテル・カリフォルニアのジャケットを思い出す。まさにそんな感じなのだ。この建物、ざっと外観を見るだけでも相当に時間がかかる。そして建物の内部はまるで骨董の塊のような世界だ。しかも和館もあるし庭園もある。ついでに撞球場まである。本気になって細部まで見はじめたら、何ヶ月いや何年もかかりそうだ。
この写真は洋館2階のトイレの手洗いだ。大理石の台の中央にドールトン社製のボウルが据えられている。ところがこのボウルには水抜きの穴が無い。手を洗った後にどうするのか?というと、手前部分を LIFT UP するのだという。このボウルは左右中央で台に支えられているため、手前を持ち上げるとシーソーのように向こう側が下がる。これを利用してボウル内の水を向こう側にザーッと流す仕組みになっている。手洗いにドールトンの陶器というのも驚きだが、この仕組みには"ゆる〜く"驚嘆した。しかしこの小さな空間、色合いが柔らかく、暖かい。見ているだけで和む。それが何より良い。

【場所】台東区池之端1-3-45です。
【余談】このボウルと便器がドールトン社製と聞いたときは、両方とも英国ロイヤルドールトン社の前身が製作したものと思っていた。が、後で写真を確認すると、ボウルには "DOULTON & Co. LIMITED PAISLEY & PARIS" と記されている。便器には "DOULTON & Co. LIMITED LAMBERTH LONDON" と記されているので、こちらは今日で言うロイヤルドールトン社製で間違いないと思う。しかしボウルのほうは、どういう経緯で"PAISLEY & PARIS" と記されたのか(パリに工場が在ったのか?など)が分からない。したがって、ボウルと英国ロイヤルドールトン社との関係はやや不透明です。この表記(PAISLEY & PARIS)を見て、何か思い当たる方はいらっしゃいませんか?

裏通りのハプニングアート

何時の間にかドアがグリーンに塗られる。途端に風景が一変して見える。それまで汚れでしかなかった苔がアクセントになる。ちょっと浮いていたお隣のブルーの壁がしっくりと風景に溶け込んでくる。ペンキのグリーンで植物のグリーンさえ華やいで見えるというのも皮肉だ。ドアのひさしの上で猫が寝ていたりすると完璧なんだが、そうは問屋がおろさない。お天気が良くないのにこの光、まあ文句は言えない。シャッターを切らずにはいられない。でも、こういう写真って、とかく独りよがりになるんだよね〜。はまると危険。

【場所】文京区本郷6丁目あたりです。

森川町の美女と野獣

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今日(正確には昨日)は、午後の4時頃になって散歩に出た。外は思ったよりも肌寒く、雨が降る可能性もあったので、日和って近所をまわることにした。が、慣れ親しんだコースでも、必ず新たな発見があるものだ。これは森川町にある、あまりに有名な木造3階建てのアパート「本郷館」だ。いつ見ても確かにすんごい迫力で迫ってくる。近づこうものなら稲妻一閃、弾き飛ばされてしまいそうな感じだ。ところが、今日はこのアパートがいつもよりずっと大人しく見えた。薄曇りで、光が建物全体にまんべんなくうっすらと当たり、とかくトゲトゲした印象を与えがちな陰影が消えていたからだろう。たまたま停まっていた赤いバイクも全体の印象を和らげるのに一役買っている。いつもは鎧で固めているのが、今日は浴衣でも着流しているような印象だ。停まっているバイクがベスパだったらもっと点数高いんですけどね〜。

【場所】文京区本郷6丁目20あたりです。

この路地は、谷中銀座の商店街からちょっとばかり入ったところにあり、普段は、覆い茂った樹や植物のせいで昼間でも暗い。ここを陰気くさいという人もいるだろうと思う。実は僕もそう思っていた。もうすこし枝を落とせば良いのに...と。だけど、晴れて日差しの強い日には、その樹と植物のおかげで、この路地が小経に変身する。空気がひんやりとして汗ばんだ肌に心地良い。木漏れ日がきらきらと美しい陰影をつくり、目を楽しませてくれる。ここが都心だということを忘れる。ジェリー・ガルシアの歌うレゲエソングを聴きたいと思った。やっぱりiPodを買おうかな。

【場所】台東区谷中3丁目あたりです。
【余談】 ジェリー・ガルシアは、日本ではいまひとつ知られていませんが、アメリカでは、60年代中頃から活動をつづけたスーパーライブバンド「グレイトフル・デッド」のリーダーとしてたいへん有名なミュージシャンです。このバンドはショウの録音を条件付きで許可していたため、ファンの手に録音テープが沢山残っています。そして、ファン同士が録音したテープを交換する「テープトレード」という習慣ができあがっていきます。残念ながら、ジェリー・ガルシアは1995年に突然亡くなり、求心力を失ったグレイトフル・デッドも活動を停止しました。超老婆心ながら、iPodについては ココです。

昔のお屋敷は、周囲を煉瓦塀で囲ったものが多かったのか、旧屋敷町にはその名残があちこちに見られる。意識的に残したと思われるものも多い。ここも、手前側が元々誰か有力者のお屋敷だったに違いない。その頃は、この煉瓦の壁1枚が、落差の大きい2つの世界を隔てていた。が、今では単に記念碑的な存在に過ぎない。僕は、この古い煉瓦塀ってやつが、物としてはとても好きだ。この写真、洗濯物はさほどフォトジェニックではないけれど、この煉瓦塀のおかげてピックアップされた、という感じかな。(追記:でも、ブルーのシャツのダンスはなかなかポイント高いです)

【場所】文京区根津2丁目あたりです。

(追) 昨日の本郷編を左側に、この根津編を右側に配置して、2枚をセットにして見ると雰囲気が出る、と自分では思ってるのですが...。こういう感じです。

もう6月で、梅雨とかって言葉が飛びかい始めてもおかしくない時期なのに、このところカラリと晴れた気持ちの良い天気が続いている。町を歩いていると、いたる所で洗濯物が風に舞っている。僕は、都心マンションのベランダに洗濯物が干してある図は嫌いだが、下町の洗濯物風景は好きだ。下町の木造家屋に干された洗濯物には違和感がない。それどころか、光のきれいな日には、路地から見上げた空に咲く花のように感じられることさえある。

【場所】文京区本郷2丁目あたりです。
【追記】本郷編とセットの根津編を、明日アップする予定です。

加藤薬局で映画撮影中・続報】昨日(5日)、本郷大横丁通りの加藤薬局に「村瀬写真館」という看板を取り付けて、本格的な撮影が行われていました。この写真を撮ったのはちょうどお昼時で、撮影スタッフが加藤薬局[村瀬写真館]の前に椅子を列べてお弁当を食べているところです。俳優さん達は、すぐ近くの旅館の一室を借りて、そこで昼食です。そばを通りかかったら、浅野忠信さんの顔が見えたので...。

昔、そう遠くはない昔、根津と谷中の境にはくねくねと川が流れていた。この地には染物や洗張を生業にする商店が集まっていため、川は藍染川と呼ばれた。今でも、根津の路地を歩いていると、その名残か、「洗張」の看板を目にすることがある。その筆頭格が、創業明治28年という丁子屋さんだ。木枠の引き戸の硝子に白で直接書かれた「染物 洗張 丁子屋」の文字が、控えめに誇らしげで、そして清潔で、気持ちが良い。背景になった洗い晒したような板は洗張に使うものだろうか? 何時かお尋ねしようと思っている。根津がやっぱり粋なわけ、その一端が垣間見えた気がしません?

【場所】文京区根津2丁目24あたり(藍染通りのすぐ近く)です。
【余談】藍染通りとか丁子[ちょうじ]と聞くと、その意味が気になりますよね。藍(インディゴ)は良いとして、丁子のほうですが、これはクローブのことだそうで、黄色や薄茶色の染料として使われた(or る)ようです。いちおう広辞苑で「丁子染」をチェックすると、「丁字[<-辞書記述のまま]の蕾を煎じた染液で薄茶色に染めること。また、その色」とありました。ま、だからといって、丁子屋さんが丁子染専門なんてことは無いに決まってますが...。

この長屋に遭遇したときは仰天した。「うおおっ」とかうめくだけで言葉にならない。建物全体が日焼けと埃と錆びに覆われ、古色蒼然、スターウォーズ感覚。これはもう根津という銀河系のブラックホールに違いない。そのせいか、人をひきつける力も相当なものだ。ところで、この曙ハウスだが、廃屋ではない。人の出入りを目撃したことがあるし、妙に新しい2階のアルミサッシが、中で人が生活していることを物語っている。現役なんですね...これ。曙ハウスは偉い。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。
【追記】ネットでちょいと調べてみると、このハウスは、大正末期から昭和初期にかけて、何棟か建てられたうちの1棟のようです。ま、頷けます。

狭い路地を進むと、それまで続いた長屋が途切れて、「質」の看板を掲げた重厚な日本家屋が現れる。サイタ質店だ。この看板、一見派手でまわりの雰囲気と不釣り合いに思えるが、実は、路地と家屋の両方にとても良くマッチした、すっごく良いデザインだと思う。昔の日本のデザインって、時にびっくりするくらいに派手な色使いをみせることがありますからね。この程度は特に派手ってこともないのかもしれません。やはり何やるにしても感覚ですね。この質屋さんはセンスが良いです。とりあえず、一緒にのれんをくぐってみましょう。ね、良いでしょ? 何度でも来たくなっちゃいそうでしょ。

【場所】文京区根津2丁目31あたりです。
【余談】これを見た途端に頭に浮かんだのがアンディ・ウォホールの名前でした。もしもアンディ・ウォホールが生きていて、この看板を見たら、すぐさまサインを入れて自分の作品にしちゃいそうだな〜と思って...。

根津・ねづ・ネヅ

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根津にはいまでも古い長屋と路地が残っていて。それが根津の風景の代名詞になっている。が、今日の一枚は、その固定概念の裏をかきます。この日はきれいな青空だったせいもあるが、この一画が妙に南の島っぽく感じられた。ビッグアイランドの鄙びた町とでも言われたら、頷いてしまうような風景ではないか? 色の抜けたトランクスとTシャツを着たローカルが、サーフボードを抱えて、ぺたぺたと裸足で歩いていそうな気がしてならなかった。これも根津、という根津。

【場所】文京区根津1丁目19あたりです。

湯島の粋な日本家屋

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湯島天神の女坂沿いに建つ日本家屋がある。さりげない造りだが、材料は吟味されていて、細工も手が込んでいる。そもそも意匠が良い。おそらくは高名な建築家か棟梁の手によるものだろう。民家にあって、伝統とモダンがこんなに高い次元で見事に融和している例はきわめて少ない。素晴らしい。まさに渋い。玄関先だけでもこうだ。きっと、お部屋のなかは工芸品のような仕上がりに違いない。住みたいとまでは言わないから、ぜひいちど、なかを拝見したいものだ。

【場所】文京区湯島3丁目32あたりです。



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