谷中の古色蒼然パン店

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今日は、青空に雲がぽかりぽかりと浮かび、湿度も低く、歩くと多少汗ばむ程度の陽気で、良いお散歩日和でした。本郷から湯島まで歩き、湯島から地下鉄に乗り、次の根津で降りて、谷中方面に向かいました。

根津の駅を出て1分も歩くと、根津と谷中の境(区境でもある)があります。今日はその境を越えて、上野桜木まで歩く積もりでいました。
ところが、谷中に入った途端です。いつもは閉まっていて、気にも留めず通り過ぎてしまう古い古いお店が開いています。屋号は中野パン店。通りがかりになかを見ると、古色蒼然。もう足が釘付けになってしまいました。ちょうど、ご店主(高齢の女性)が、床を水で洗っていらっしゃるところで、運が良かったようです。いったいいつ頃の建物だろうか?と思い、尋ねてみると、「もう100年は経っている」という答えが返ってきました。う〜ん、古い。さすがに予想外です。その左隣りも谷中では有名なお煎餅屋さんで、かなり古い建物なんですが、そちらは建て替えてあるそうです。右隣りもこれまた古い金物屋さんなんですが、こちらも建て替え組。真ん中の中野パン店さんだけが、古いまま残っているのだそうです。

しかし、やはりと言いますか、最近はカメラファンのマナーが悪く、お店を開けていると、無断で店内まで入り込んで黙って写真を撮って行くヤカラが居るんだそうです。困りものです。ま、しかし、僕は、しばらくお話しているうちに、テストに合格したようで、お店のなかを撮らせていただくことができました。

そして、店内を撮っているうちに、カウンターの後方に、電話機とも貨幣仕分機ともつかない変テコな機械を発見しました。いったい何だろうと思っていたら、これはダイヤル式釣銭機でした。なんでも機関銃職人が造ってくれたものなんだそうです。これが良くできてまして、上から硬貨を入れると、自動的に金種別に仕分けしてくれます。そして、お釣りを出すときには、右側に突き出たロッドを押し込んだり引き出したりして金種を決め、前面のダイヤルをまわすと、左側の穴から下に置いたトレイにチャリチャリッと硬貨が落ちるようになっています。しかも、ダイヤルの1番をまわすと硬貨が1枚、5番をまわせば硬貨が5枚というふうに落ちてくる仕掛けです。さらに驚くことに、完動状態です。いや〜これには参ってしまいました。アナログの迫力満点です。どうしてこんな機械があるのかというと、「食品を扱う店だから、お釣りを渡すときに不潔なお金に触らなくていいように」ということで、これまた非常に納得です。いや、素晴らしい。今日は良い経験をしました。町にはまだまだ宝がざくざく眠っているようですね。

【場所】台東区谷中1丁目あたりです。
【余談】あ、そうそう、あれこれお話を伺っている間に、ご店主が大切になさっているペコちゃんも見せていただくことができました。このペコちゃんも、もう相当にご高齢だそうです。
【追記】中野パン店さんですが、残念ながら、10年ほど前にお営業をお止めになったそうです。

コメント(4)

機関銃職人が作った「ダイヤル式釣銭機」 !
いやぁ、痺れちゃいますねぇ〜。完動品の現役骨董品 ! 写真で拝見するだけでも迫力ありますねぇ〜。実際に現物を直に見たらド迫力の存在感があるに違いない。これは是非とも後世に伝えるべき「機関銃職人の遺産」です。凄いものを見せていただいた。下町の隠れた逸品を掘り起こしてください。貴重なアーカイヴになってきましたね。

>ふれ〜むだすとsan
いつもコメントをありがとうございます。励みになりますm(__)m

>迫力ありますねぇ〜
いやはや、これは凄かったです。ご店主は、「区の博物館のような所に寄贈しようと思っている」とおっしゃってました。その価値ありですよね。

>貴重なアーカイヴになってきましたね
ところがです。写真が小さいのでよく判らないと思いますが、実は、店内が暗く、ブツが結構大きいので、被写界深度のなかに入っていないのです。手前のロッドがボケてます。大失敗。また三脚抱えて行ってきます(^^; ほんとに手ブレ補正が欲しいです。

すごいものを見つけてしまったんですね。時間が止まっています。お店の写真の右上に見えるのは、すごく若い頃の草刈正雄さんですね。現在の写真

http://www.creemintl.co.jp/indivisual_kusakari.htm

と比べるとわかります。その左は見覚えがあるけど誰なんだろうか。「ダイヤル式釣銭機」、すごすぎて圧倒されます。なんだかこのサイト、そのうち本にできそうですね。

>Shigeo Honda さん
コメントをありがとうございます。

>すごく若い頃の草刈正雄さんですね
そうです、そうです。まだ資生堂のモデルなどをやってた頃って感じですね。余談ですが、当時、僕は、草刈りさんに合わせてスーパーマンの衣装を作ったことがあるんですよ(^^; それは資生堂の広報誌「花椿」掲載用でした。

>その左は見覚えがあるけど誰なんだろうか
これ、デビューして間もない頃の野口五郎さんです。ま、話のついでですが、当時の野口さんのスーツは、青山三丁目にあったミッシェル前原っていうブティックで作ったものでした。

>「ダイヤル式釣銭機」、すごすぎて圧倒されます
ですよね〜。いろんなこと考える人が居るもんだと思いました。しかもそれを本気で造るってとこがまた凄いですね。

>そのうち本にできそうですね
なったら面白いですね。しかし、それにしては取材が足りないですね。なかなか、これが、時間的にも勇気的(^^;にも出来ません。



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