乱歩な福山アパート

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現在の白山1丁目は、旧町名でいう丸山福山町を含んでいます。丸山福山町と言えば、樋口一葉終焉の地として有名ですが、彼女が住んだとみられる場所にはビルが建ち、もう面影の欠片すらありません。が、そこには碑が建てられていて、今日通りかかると、明々後日が命日にあたるため、大輪の菊が添えてありました。
一葉の碑は、交通量の多い白山通りに面しているのですが、そこから少し奥に入ると、途端に静かになり、ゆったりとした空気が漂っています。そして、根津や谷中に負けないくらいに古い時代の建物が残っています。丸山福山町は細く南北に伸びているのですが、今日の写真は、そのいちばん南側に残る築70年を越すという古いアパートです。震災後に建てられたということになりますが、今の建物に比べると、圧倒的に凹凸や傾斜面が多く、実に複雑な造りをしています。複雑なだけではなく、天窓や円柱などを配して洒落た造りをしています。煙突でも付ければ、パリの裏町のアパートそのままです。建築された当時はさぞかしモダンで、周囲から羨望の眼差しで見られていたであろうことが容易に想像できます。
ところで、このアパートの外で自転車の手入れをしている男性を見かけたので、もしや?と思って尋ねてみると、ここの住人だという答えが返ってきました。その方の話では、このアパートは2棟で構成されているのですが、1棟にはもう人が住んでおらず、倉庫として使われているということでした。さすがにもう取り壊し目前といったところなのでしょう。
しかし、このアパート、大正・昭和の匂いぷんぷんで、江戸川乱歩の作品にでも出てきそうな、ちょっと怪しい雰囲気がありませんか? すっかり気に入ってしまいました。

【場所】文京区白山1丁目あたりです。

コメント(4)

ス、スゴイですね、この建物は。 天窓が特に印象的でたしかに欧州の街にある怪しげなアパートのようです。 背景のどんよりとした空の色といい、ほんとに怪人二十面相が潜んでいそうなたたずまいですね。 椎名町から要町方面には、かっては 池袋モンパルナスといわれる芸術家達の住む一帯があって、ニ件長屋形式のアトリエがあったことが思い出されました。 いまは現存するアトリエはほとんどなく、密集した住宅地域となってしまっています。

>いのうえsan

早速コメントいただき、ありがとうございます。
こんなに暗い画像ですと、「何だこれ」とすぐに閉じられてしまうかな?と心配しながらアップしたのですが、「背景のどんよりとした空の色」と、ズバリと狙いまで見抜いてくださいました。恐れ入りましたm(__)m

>池袋モンパルナス
あ、耳にしたことがあります。最近、また、この界隈と雰囲気の復興(?)に乗り出した若い方がいらっしゃるようですよね。確か、朝日新聞に紹介記事がありました。
最近は、母の病院に行くため、西武池袋線をちょくちょく利用するのですが、椎名町〜東長崎、江古田〜桜台、練馬高野台〜富士見台あたりがすごく気になります。一度途中下車してみようと思っているのですが、帰りが日没後になってしまい、なかなか実現しません。

先日、気になっていたこのアパートを見に行ってきました。もしやもう無いかも・・と、心配していましたが、まだまだ住人のかたも多い感じで、現役で頑張っておりました。全体像がつかみにくい建物ですが、ほんとにそれだけ複雑な面白い作りで、感嘆のため息モノですね。「乱歩」というのも頷けます。
このあたりは、文京区内で家探しをしたとき、子供の学校がらみで、誠之小の付近を歩いて以来でしたが、改めて「崖町」という印象を濃くしました。でも、ちいさな段々がここかしこにあるのは、微笑ましいかんじですね。
別の項目に書くべきことですが、お父様のお世話のはなし、私も同様なことが多くて、その徒労感たるや、身にしみます。母はまだ60代ですけど、大病の強み(?)か、ふりまわされてしまいます。少しの時間でも絵を描くことと、このブログを拝見することで、ずいぶん救われてますよ〜。

>neonさん
あ、ここ、いらっしゃったのですね。このアパートよろしいでしょう〜。瓦屋根の棟はそろそろ解体とも聞きますが、トタン建築(^^;に変身している棟のほうは、しばらく大丈夫のようですね。ここは見ると、皆さん(僕を含め)住みたくなってしまうようですね。
しかし、崖で分けられた西片と丸山福山の町並みの違いは、あまりにクッキリで凄いですね。
親の世話の件、徒労感を理解できる、とおっしゃっていただいただけで、なんだかかなり楽になります。僕も、ここに頂くコメントにずいぶん助けられています。ありがとうございます。



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