香月泰男の三隅町

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実は、僕の生まれ故郷は山口県の長門市に近い三隅町というところです。ですが、三歳の頃にその地を離れ、それ以来、住んだことがありませんので、故郷と言われても、いまひとつピンときません。
先祖からの家や土地は残っていて、戦争未亡人だった叔母が、たった一人でそれらを守りつづけていました。彼女にとっては、その三隅町の家が世界中でいちばん大切な場所であったことは疑いの余地がありません。叔母は昨年の暮れに亡くなりましたが、それ以前に入院先である宇部市の病院に見舞いに行くと、決まって「三隅に帰りたい」と口癖のように言っていました。が、彼女の言う「三隅町」とは、すなわち「三隅町にある我が家」のようでした。
同郷の画家に香月泰男さんがいます。彼も三隅町を愛し、あの有名な「シベリヤシリーズ」を描き、画壇に揺らぐことのない位置を確保した後も、三隅町に住みつづけ、三隅町で一生を終えた人です。彼の愛した「三隅町」とはいったい何だったのでしょうか。三隅町の自然なのでしょうか。彼が生まれ、育まれた家だったのでしょうか。家族の居る地だったのでしょうか。
叔母を見舞い、そして葬儀を執り行なうため、僕は昨年から何度も山口の三隅町に帰りました。その度に、いずれ住むために帰らなくてはならないかもしれない三隅町を、これまでとは違う目で見ている自分に気づいています。きっと僕には、叔母の三隅町に住むことはできないかもしれません。しかし、ひと頃のように「三隅町のような田舎は僕の住める場所ではない」とは思わなくなっています。それが人なのか土地なのか自然なのか、まだ分かりませんが、三隅町というところは、僕への当たりがまろやかで、それが僕を惹きつけ始めたのです。
香月泰男さんの三隅町とは何だったのか、このところ、そこに大きな興味を感じています。彼は、ブリキでオモチャもたくさん作っていました。そのレプリカが香月美術館のまわりの道路に置かれています。それらを見ていると、無邪気で愉快で優しく、とてもあの陰惨とも言えるほど暗いシベリヤシリーズを描いた画家が作ったものとは思えません。が、間違いなく、両者は同一人物の感覚から生まれたものです。おそらく、香月泰男という人がこのオモチャを作った感覚は、彼が三隅町に住みつづけたことと深く関わっているような気がします。その秘密に少しでも触れてみたいと思い、昨日、香月美術館に行ってみたのですが、なんと月曜で休館日です。彼に「出直せ!」と突っ返されてしまいました。でも、その突っ返し方は、やはりまろやかでした。

【場所】山口県大津郡三隅町です。

香月ロードのオモチャ
香月美術館の建っている場所は、湯免温泉という温泉地に隣接しているため、温泉地へ通ずる道の入口ゲートの上に、香月さんのオモチャが並んでいました。それが左の写真です。また、香月美術館につづくく道は香月ロードと名付けられていて、その道沿いにも、5体のオモチャのレプリカが置かれていました。下の写真は、レプリカが置かれているのと同じ順番で並べてあります。


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コメント(8)

おひさ! ずいぶんいなかった感じがします そういう理由でしたか カミさんが出かけてるって言っていたので、そうなのかな〜と思っていたけれど合点がいきました 素朴であたたかそうなところですね

お久しぶりです。お疲れさまでした。
良いところですね、ところで変な質問ですがひょっとして清風さんの家系でしょうか?

masaさんお帰りなさい。
9月から10月に掛けて女子美(相模原キャンパス)のアートミュージアムで開催された「アーティストたちのおもちゃ展」に香月泰男のブリキのおもちゃ達が展示されました。

>kenさん
帰ってまいりましたぜい。いやいや、生活パターンが違うので疲れます。しかも法事を執り行う側ですからね〜。右も左も分からなくて…。昨年来、親戚のありがたさを、いやというほど実感です。とにかく、めちゃ素朴な所です。人が居ない(^^;

>カークさん
いつも訪問していただき、ありがとうございます。
開発が遅れたのが幸い(?)し、素朴な風景が残っていてほっとします。でも、どんよりと曇ると、あ〜山陰だな〜という陰鬱な表情ものぞかせます。滞在には良いですが、住むとなると、考え込みます。よく清風の名をご存じですね。清風の末裔は、その後、村田姓から大津姓に変わり、その直系は関西にお住まいです。

>iGaさん
コメントならびにトラックバックをありがとうございます。私は三隅町に生まれながら、まだ香月さんのオモチャの現物を見たことがありません。そんな展示があったのなら、足を運ぶべきでした〜。次回帰ったときには、何をおいても香月美術館に行ってみようと思っています。道路に置かれていたレプリカ - Peaceの太鼓小僧もありました - は、写真を撮ってきましたので、とりあえず、今夜にでも追加アップしておこうと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

> ひと頃のように「三隅町のような田舎は僕の住める場所ではない」とは思わなくなっています。

あはは、年とってきたってことだよ。
年とるとそれが解るようになるんだと思うよ。

>おやじsan

>あはは、年とってきたってことだよ
やはりそうか(^^; でもさ、これって、ゆったりとした空間を求めてるのか、故郷を求めてるのか、そこが不明なんだよね。おやじなんて東京の柏木が僕の三隅に相当するわけだけど、いずれ柏木に戻りたいと感じるのかしら?

> いずれ柏木に戻りたいと感じるのかしら?

全然感じない(笑)
つまり帰巣本能ではなく、人生の残り時間の短さと反比例して時間の流れをゆったりと感じたくなるんじゃなかろか?

あ、なるほどね。流れに竿を差すってことか〜。納得できる説明だ!



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