2005年3月アーカイブ

谷中の昭和館

| コメント(3)

このごみ箱は、谷中のセブンラックス・スポーツセンター跡地そばの路地にあります。路地といっても、長屋の路地ではなく、一軒家を建てた後の余白といった感じです。要は、隣りとの間にフェンスをしなかった所が通路になっている、といった感じです。ということは、この一画に建つ家は、借地に建っているのかな?と考えることができます。が、事実関係は不明。想像の域をでません。
最近は、このコンクリート製のごみ箱は、さすがに数が減り、そうそう目にすることはありませんが、下町ではまだ、防火用水とともにそこそこの数が残っています。
と、ここまで言って、今日の写真のメインは、ごみ箱だけではありません(^^; プラスごみ箱が置かれた環境です。今日残っているごみ箱の多くは、不釣り合いな環境に、いかにもじゃま物扱いで置かれていますが、このごみ箱は、この手のごみ箱が活躍した当時の環境に置かれています。「あ、一般家庭では、こういう使われ方をしていたのか」ということが分かる場所に置かれているということなんです。
この一画には、波形トタンと下見張りの壁、土の路地とコンクリートのごみ箱、雑草、洗濯竿を掛ける柱などが残っていて、「生ける昭和館」とでも呼びたくなります。なにも九段[昭和館]まで行く必要はありません(^^;

【場所】台東区谷中3丁目あたりです。
【余談】「セブンラックス」って何だ?とお思いの方がいらっしゃると思いますが、これは「七福神」のことだそうです(^^;

根岸の斜陽

地図で見ると、根岸は、鶯谷駅前の1・2丁目から地下鉄三ノ輪駅付近の5丁目まで、南北に細長くのびています。そして、北に行くほど住宅が多くなっていく傾向があります。
ここは5丁目に入ってしばらく北方向に歩いたところですが、根岸には珍しいほど立派な大谷石の門柱がたっていました。ですが、その隣りは広い空き地になっています。門柱と空き地の関係は不明ですが、なんとなく、そこに建っていたお屋敷が取り壊されたのかな?と、栄華衰勢の図を想像してしまいます。巡らされた鉄条網や、バッサリと削り取られた大谷石の塀も、そんなイメージを増幅してくれます。折しも、町並みの向こうに沈もうとする太陽が、最後の強い光を投げかけていました。その透明感のある美しい光が、なぜか、移ろいや空虚といった言葉を連想させます。
すると、空き地の向こうに見える新建材を使った建物が、こちらに向かって押し寄せているようにも見えてきます。いや、そう見えるのではなく、おそらく、そうなるのでしょうね。

【場所】台東区根岸5丁目あたりです。

平屋長屋の路地

| コメント(4)

根岸3丁目のこの辺りには、戦災をくぐり抜けた、古い長屋やトタン細工のような建物がかたまって残っていました。そして、こうした地区にはありがちな、地上げの跡である空き地もまた、数多く見られました。
東京下町の長屋というと、大半が2階建てと思って間違いないのですが、この写真の右側に写っている長屋は、珍しく、平屋でした。平屋長屋の路地というのは、ほとんど見たことがなかったのですが、両側から2階建長屋に挟まれた路地にくらべると、やはりずっと明るいのに気づきます。この場合、左前方が空き地であることも影響しているとは思いますが…。そして、ずらりと並べられた植物が、その明るさに華を添えています。路地の補修の跡も、模様になり、いい味を出しています。路地にしては開放感があります。
普通は、この幅の路地は足を踏み入れにくいのですが、この路地は、なんとなく人を拒んでいません。事実、お住まいの方に偶然すれ違ったのですが、写真を撮っている僕を怪しむどころか、聞こえてきたのは「ご苦労さま〜」という声です。そこで、しばらく立ち話させて頂いたのですが、その方が仰るには、「この辺の路地は、どこを通っても平気だよ〜。みんな普通に通ってるから」なんだそうです。路地も、性格が顔に出るようです。この路地、気に入りました。

【場所】台東区根岸3丁目あたりです。

根岸の里

| コメント(4)

ここは根岸3丁目です。どぶ川の暗渠か?あぜ道か?と想わせる、大きくカーブした道沿いに、今となっては珍しい平屋が残っていました。
老朽化して雨漏りするのでしょう、屋根全体がすっぽりと青いビニールシートで覆われていました。
まだ明るいうちに通りかかったときは、もちろん、かなり異様な印象とともに、この青さが目に飛び込んできました。が、夕暮れになり、帰りがけに通りかかると、往きに見たときと同様またはそれ以上に青さが目にしみるのですが、昼間感じたような異様さが感じられません。そして、夕陽の照り返しで淡く色づいた空に残る明るさを、このシートが吸収し、自らが発光しているような感じすらします。なんだか美しいんですね。しばし足を止めて眺めていました。しかし、足が止まった理由は、それだけではありませんでした。
それは、こういうことだったようです。昔、この辺りは根岸の里と呼ばれる、長閑なところだったといいます。ここは、その根岸の里のイメージを残す、おそらく唯一の場所だったんですね。僕は、そんなことは知らずに、その「根岸の里」の匂いに惹きつけられていたようです。

【場所】台東区根岸3丁目あたりです。

根岸の積み木建築

| コメント(4)

根岸には、十数年ほど前は、出桁造りの商家や看板建築がかなり残っていたのですが、今回歩いてみると、やはりその数は減っていました。特に、千手院というお寺近くの、まさに根岸をしょってたっていた大型の看板建築 (石川商店というお菓子屋さんが入ってい) が無くなっていたのはショックでした。
それでもまだ、中型の看板建築がいくつか残っています。これは、その中のひとつ。金杉通り沿いに建っています。正面から見るとこんな感じです。けっこう横幅があります。どうやら2軒を共通の看板部分でつなぎ、大きく見せているようです。
説明するまでもありませんが、今日の写真は、この建物の側面です。通常、看板建築というのは、正面が面白く、側面は、隣接する建物で見えなかったり、さほど入念に造られていなかったりします。が、この建物は、側面も正面と同じに造られています。そして、幅[正面から見た奥行き]が狭いため、太い柱が接近して2本立つことになったのでしょう、それが、見る者に正面とは異なる印象を与えているようです。なんだか、これはこれで正面、という感じなんですね。
この建物、正面にはあまり魅力を感じないのですが、側面にはひどく惹かれてしまいます。看板建築というものは、とかく、やや不気味さを感じさせるのですが、この側面には、それが無く、むしろオモチャや積み木のような可愛さが感じられるから、かもです。

【場所】台東区根岸3丁目あたりです。

解体直前の新田ビル

| コメント(2)

先日、「木製ドアさん」から、エントリー「解体を待つ新田ビル」のコメント欄に、「3月25日に、新田ビル惜別会が行われる」というお知らせをいただきました。僕は「今月初旬には、取り壊し工事が始まっているもの」とばかり思っていましたから、「それなら、もう一度行って写真を撮っておきたい」と思い、惜別会が行われる日に行ってみる積もりでした。が、どうも25日は都合がつきそうもない状況になり、1日早い24日に、銀座で人と会ったついでに、とにかく新田ビルに行ってみました。
現地に到着すると、いつも閉じていた表のシャッターの一部が開いていて、なかではヘルメット姿の工事関係者が作業中でした。が、それに混じって、ビルの各部をスケッチしたり、スケールで計測しながら詳細な図面を描いている人達、三脚を立てて写真を撮っている人などの姿が見えます。なんとなくガードが緩そうです。そこで、ビルの裏側にある守衛室に行き、内部の写真を撮らせていただけないものか訊ねてみました。すると、意外にも「どうぞ」という答えが返ってきました。ま、もちろん、僕の氏名と連絡先は先方にお渡ししましたが...。
そんなわけで、守衛さんに感謝しつつ、新田ビル内部を探索してきました。

ブログの力」の続編「ブログを続ける力」が、本屋さんの棚に並びはじめました。なんと、このサイトも紹介いただいています。どうやら、悪い例としての掲載ではなく、ほっと胸をなで下ろしているところです(^^;
この本は、ブログってどんなことが出来るの?という人にはもちろん、既にブログを運営している人にとっても有用です。
僕たちは、自分なりに、試行錯誤しながらブログを続けているわけですが、そうするうちに、いつの間にか自分のスタイルが出来上がってきます。そして、今度は、逆にそのスタイルに縛られがちになってきます。ある意味で、固まってしまいますよね。
この本を読むと、その固まりはじめていた、そして知らずに自分に科していた、枠というものに気づかされます。そして、枠にもイロイロあること、枠を広げてより自由を得ること、そんなことの重要性を教えられます。

この本を読んで得たこと:写真系ブログのこれからの課題は、RSSリーダーによる閲覧への対応ってことのようですね。あ〜また大変そう(^^;

【追記】あ、ところで、このブログを紹介いただいているページは61-62ページなんですが、そこに追加です。現在の使用カメラがキヤノン10Dのように読めますが、昨年末より、キヤノン20Dを使用してます(^^;

路地に住むココア

| コメント(23)

この場所は、気分的には根岸ですが、実際には、もう根岸ではありません。根岸と東日暮里を分ける道から、数メートルほど東日暮里側に入ったところです。
この一画には、どう見ても、大正か昭和初期に建てられたと思われる家屋が何軒も残っています。そのなかでも、特に気になるのがこのお米屋さんでした。この並びは、もう奇跡に近いほど、昔そのままの風情を残しています。これで、道がアスファルトで覆われていなかったら、完全に昭和初期です。
ここも、今回、歩くたびにカメラを構えた場所です。が、どうにもアスファルトの路面に風情がなく、いくら撮っても気に入りませんでした。が、4日目のことです。なんだか、その辺りを何匹もの猫が徘徊しています。「お、これはいける」と思い、構図を決めて、猫がフレームに入り込んでくるのを待っていました。が、が、相手は猫。全く思ったような動きも表情もしてくれません。しばらくすると、飼い主さんも外に出ていらして、僕が四苦八苦しているのを見て、あれこれと協力してくださるのですが、いかんせん猫クン、こちらの思うようには動いてくれません。
そして、ついに諦めかけた頃、このココアという名の猫が、ひょいと、僕の目の前に停めてあるバイクのうえに飛び乗ってきました。飼い主さんによれば、このココアがいちばん人なつこいのだそうです。どうりで、僕が多少動いても、構えることもなく、逆にこちらをのぞき込むような仕草までします。ま、予定外の位置だったのですが、こちらが適合する以外にありません。で、視線があったところでパシャ。けっこう苦心作なんですよ、今日の写真は(^^;

【場所】荒川区東日暮里4丁目あたりです。

路地咲きの桜花

| コメント(10)

先ほど、ブログ「日常舟」を訪ねると、オーサーであるRNさんのベビーの名前が「花」さんに決まったというエントリーがありました。
僕は、RNさんにはまだお会いしたこともないのですが、彼のストレートで瑞々しい感性に触れると、こちらの感性まで洗われるような気がして、いつの間にか、彼のファンになってしまったようです。
そんなわけで、今日は、彼の最愛の娘さんの命名祝いを兼ねたエントリーにしました。が、パッと豪華な花束がわりのような写真もよいと思いますが、あえて、地味な、路地に咲いた桜の写真にしました。もっとも、最近の僕に、假屋崎さんがプロデュースしたような豪華絢爛を要求されても無理ってものなんですけどね(^^;
この桜の木は、路地入口に建つ家の軒下に猫の額ほど残った土の部分に植えられていました。四五日前に通りかかった時に撮った写真ですが、よく目にする桜とは種類が違うこともあってか、もう満開にちかい状態でした。花そのものは、かなり明るい色をしているのですが、家の陰に入っていることや、背景になっているモルタルの壁が同系色であることも手伝って、すこしトーンが抑えられているようです。なんとなく、屏風絵でも見ているような感じでした。下町の路地咲きの桜花、渋くてちょっと小粋じゃありませんか。

【場所】台東区下谷2丁目あたりです。

本藤理髪店

| コメント(6)

さて、今日は、いよいよ、根岸の真打ち「本藤[ほんどう]理髪店」の登場です。
以前、本サイトに「映画のロケにも使われた、根岸の古い理髪店が営業を止めた」というコメントをいただき、気にはなっていたのですが、時間が経つにつれて、すっかりそのことを忘れていました。
今回、根岸に足を踏み入れたときも、そのことは頭にありませんでした。とにかく、方向のつかみ難い道を、当て所もなくぶらりぶらりと歩いていたのですが、さすがにこの理髪店の引力は強いようです。そう時間も経たないうちに、「うわっ、これは良い!」という構えのお店に出くわしました。早速レンズを向け、ひとしきりシャッターを切った後です。「あ、これが例の理髪店に違いない」と気がついたのは…。
それからは、連続3日間、根岸を歩く度にこの理髪店の前を通り、写真を撮っていました。その3日目のことです。写真を撮っていると、いつの間にか、すぐ隣りに人の気配を感じ、顔を上げると、やや小柄な、僕と同年配の男性が立っています。どうやら、こちらのご主人らしいと思い、お尋ねすると、「そうだ」という返事です。いや〜、幸運というか、天の助けといいますか、こううまく会いたい人に会えるなんて思ってもみませんでした。

京成線下のバラック

このところ、谷中から線路を越えて、根岸界隈を歩いています。
根岸は、震災でも延焼をまぬがれ、戦災でも焼失しなかったため、周囲の日暮里や入谷といった被災した地区の道路がほぼ升目に通っているのに対し、曲がりくねった道や、東西南北が把握しにくい道が多く、根岸を歩きはじめて、今日で4日目なのですが、いまだに頭のなかに町全体を見渡す地図が出来上がりません。なかなか手強い町です。
そこで、今日は、根岸と他の町との境をぐるっと歩いてまわってみました。これが、結構大変だったんですけどね(^^;
ここは、その途中、2丁目にさしかかったときに出会った風景です。頭上を京成電鉄が通っています。要はガード下です。最初は、使われていない倉庫か何かだろうと思っていたのですが、左側に目をやると、なにやら家を半分にそぎ落としたようなトタン部分が食っ付いています。見れば、そのすぐ右には、保護色になり、最初は気がつかなかったドアまであります。どうなっているのか?と思い、左にまわってみると、どうやら会社の事務所として使われているようです。
でも、この奇妙な生活感と、グリーンのトタンと錆に染まったコンクリートが上手くマッチしていて、妙にこの一画が気に入ってしまい、今日はこの写真をエントリーすることにしました。どうでしょう、なんとなく惹きつけるものがありませんか?

【場所】台東区根岸2丁目あたりです。

矢島写真館

| コメント(5)

この古くも可愛らしい建物は、根岸の金杉通り沿いにある矢島写真館です。二軒長屋の半分がこの写真館ですから、一見、手の込んだ看板建築風にも見えますが、外壁材や室内の凝った建具などを見ると、これはしっかりとした木造西洋館と呼べそうです。しかも、タイル壁に赤い屋根と白く塗られた窓枠。なんだか「パリの空の下」なんてシャンソンが聴こえてきてもおかしくない雰囲気です。
ところで、こちらのご主人ですが、繊細でとても優しい方でした。この建物があまりにも魅力的だったため、思わずドアを開けて、築年数などをうかがったのですが、ドアを開けると真正面に見えるガラスの引き戸が、これまた素晴らしい細工が施されているため、不躾にも、その写真まで撮らせていただいたのです。ま、普通は、初めて家に入ってきて突然写真を撮らせてくれ、なんてヤツは嫌がられるに決まっています。ところが、こちらのご主人は、それに嫌な顔をするどころか、「せっかくだから2階も見ていったらどうですか?」と案内までしてくだすったのです。もう大恐縮でしたが、1階の内部を見て、益々この建物に惹かれてしまった僕は、その言葉に甘え、靴を脱ぐなり2階へトントンです。
2階は2/3ほどがスタジオになっていて、残りの1/3ほどが待合室になっていました。その間を区切る木製のパーテーション[屏風のように折れ曲がる]が、これまた素晴らしい出来で、やはり古い革張りの椅子やソファと相俟って、大正や昭和初期の匂いのする、実にレトロな良い雰囲気を醸し出していました。
そんなわけで、ご主人とはあれこれと言葉を交わしましたが、「この方は、間違いなく、撮影者ではなく被撮影者の意向を十分に汲んだ写真をお撮りになるに違いない」と確信しました。今後は、写真を撮るなら根岸の矢島写真館ですね(^^;

【場所】台東区根岸3丁目あたりです。

下谷の仁王立ち長屋

| コメント(3)

今日の建物はもう問答無用です。これが突然視界に入ってくると、ただただ驚愕し唖然としてしまいます。町に建つ民家から、こんな凄まじい迫力を感じたのは初めてと言っても過言ではありません。この建物の前では、さすがに根津の曙ハウスでさえタジタジという感じです。
この建物ですが、お住まいになっている方にうかがっても、築年数などはわかりませんでした。が、このすぐ右隣に小野照崎神社 [地元の方は小野照神社と呼ぶようです] があり、その境内に、犬を連れて散歩するおばあさんの姿を見かけました。もしや?と思い、その方にも尋ねてみました。すると、おばあさんは、戦前は上野に住んでらしたそうですが、空襲で上野が焼け、一時的に下谷に疎開していらしたそうです。そして戦後になって、諸事情により、再びこの下谷に越して来て、現在に至るのだそうですが、「疎開した頃すでに、この建物はありましたよ」と話してくれました。
ですから、これが戦前の建物であることはほぼ確実です。雰囲気からすると、震災後の建物では?という気がするのですが、現時点では不明です。この建物に関しては、今後も、何か分かり次第、報告しようと思っています。

【場所】台東区下谷2丁目あたりです。

路地奥の喫茶室

| コメント(5)

ここは根岸3丁目。その3丁目でも、古い看板建築や長屋が残っている地区です。ここには迷路のような、細く長い路地が残っていました。途中で鍵形に折れ曲がり、金杉通りから裏通りに抜けています。そして、その路地の途中に、なんと路地のT字路があります。このお店は、そのT字路を曲がったいちばん奥にたっていました
昨年から相当に路地を歩いている積もりですが、これは袋小路中の袋小路。これほど奥まった場所は他に思い当たりません。T字路に立って路地の奥に目をやったときに「営業中」の文字がなかったら、まず足を踏み入れることはできなかったと思います。
こちらは元々お住まいだったそうですが、古くなり、傷みが目立ちはじめたため、昨年、ご主人(建築士)が、大工さんの手伝いを得ながら、ご自身で改修なさったのだそうです。改修は、6月に始まり、12月に完了したそうですが、途中で気が変わり、「そうだ、1階をお店にしてしまおう」ということから、突然このお店が生まれたといいます。
したがって、このお店は、普通に考える喫茶とは全く性格が異なります。なにしろ、ドアを開けると上がり框があり、靴を脱いで部屋にあがるというスタイル。だからお店の名前も"SUASHI"。要は、こちらのお宅に「おじゃましま〜す」と上がり込む感覚なんです。これが良いです。上がってしまうと、お店ではなく、こちらの居間でくつろがせて頂いてる感覚。場所は下町根岸の袋小路奥。こんな場所、滅多にあるもんじゃありません。
ところで、こちらのママさんは、ご主人の奥様です。この方が根岸生まれの根岸育ち。おっとり円満で、とても気さくな方です。これがまた高得点。今後は、僕の、根岸のおかあさんにしてしまおうかな(^^;

【場所】台東区根岸3-16-5です。
【追記】店内の写真です。写っている方は、ママさんではなく、ご友人でありご常連さんです。

谷中のはずれの階段

| コメント(2)

散歩は、晴れた穏やかな日にかぎります。雨はいけません。ですが、時に、「あそこを雨の日に歩いてみたい」と思うことがあります。
この階段がそうでした。日暮里駅のすぐ上にあるのですが、改札口から谷中の町へ通ずる道からは逸れているため、通行する人の数は限られています。いつ行っても静かなものです。
周囲は石垣で固められています。ただし、石垣とは言っても、大きさも形も材質も違う塊を、なし崩しに積み上げたようなもので、石垣と呼べるかどうか?です。レンガ塀や大谷石の塀などを取り壊したときのクズらしきものや丸・三角・四角の石など、なんでもアリという造りです。ま、いまでは、そこに草などが生えて、それなりに味は出てきているのですが...。
そんなわけで、この階段も、いかにも古い石を使ってある部分や、単にコンクリート板を積んだような部分などが混じっています。そこを晴れた日に見ると、その素性がはっきりと目につき、なんだか全体にまとまりがありません。例えば、コンクリート部分は白く、土の部分は黒く、石の部分はグレーで、質感もそれぞれに異なります。なんだかパサパサとかバラバラといった表現がぴったりなんですね。
それが、今日、小雨に濡れたところを見てみると、ちぐはぐだった色がひとつになり、バラバラだった部品がやっとひとつにまったような感じさえします。なんだか、しっとりとした落ち着きと、路地の風情さえ感じられます。どうやら、雨は、風景に、まとまりと落ち着きをあたえてくれるようです。そして、すこしばかりの艶も...。

【場所】台東区谷中7丁目あたりです。

ブログを続ける力

| コメント(2)

ブログを続ける力 が完成し、来週末にも書店に並ぶようです。

昭和のおもかげ路地

| コメント(2)

今日も、昨日歩いた西池袋からです。この辺りにも、かなり路地は多いのですが、谷中や根津とは、ちょっと性格が異なるように感じます。谷中や根津の路地は、江戸時代に端を発していて、通路とは言え、そこは生活の場でもあったわけです。その匂いはいまでも生きています。
一方、西池袋の路地の多くは、戦後に成立したもので、そこは、住空間を確保した後の余白とでも言いますか、とにかく通れさえすればよい、という性格であるように感じます。そして、そこは、あくまでも住人以外が通ることは想定していない、といった雰囲気も感じられました。
そんななか、この、いかにも昭和[中頃?]の匂いのする路地らしい路地に出会えたのは幸運でした。根津や谷中の路地が、懐かしさのなかにも昔を偲ぶような感覚を覚えさせるのに対し、この路地は、子供の頃を回想するような懐かしさを感じさせてくれました。つい昨日のようでもあり遠い昔でもあるような...。
ここを歩いていると、脚のついたテレビに映る「バス通り裏」や「お笑い三人組」、「ジェスチャー」といった番組の音が、居間から漏れて聴こえてきそうです。

【場所】豊島区西池袋4丁目あたりです。
【余談】「ここを歩いていると」というのは例えの話です。さすがにここは通れません。

訂正です

先日「谷中の石碑と青山のビル」という記事をエントリーしましたが、本日[2005年3月16日]、谷中墓地を歩いているときに、同じ石碑の前に出ました。「あ、こいつだったんだ」と思いながら周囲を見まわすと、どうやら、石碑に落ちている影が、ケヤキの影ではなくサクラの影であることに気づきました (あの日とは随分と異なる影ではありましたが)。石碑の近くには、実際にケヤキが何本も立っているため、同記事を書いている時点で、僕の記憶が交錯してしまっていたようです。「ケヤキの影であればこそ価値がある」とお考えの方には、お詫びいたします。大変申し訳ありませんでした。記事のほうですが、一部訂正し、そのまま残させていただきます。[現地の状況]

清瀬の病院へ母の様子を見に行った帰りに、はじめて椎名町駅で途中下車してみました。西武池袋線の電車の窓から見える椎名町や東長崎の古い家が、以前から気になっていたのです。あわよくば、池袋モンパルナスの匂いを感じることができるかもしれないという、淡い望みもあって...。
しかし、予備知識を入れないで、とにかく歩き始めるという、いつものスタイルですから、よほど「あ、これは何か決定的に臭うぞ」というものにぶつからない限り、そう好都合にそれらしい場所を嗅ぎ当てることはできません。結果から言うと、やはりモンパルナスは遠かったという感じです。ですが、上り屋敷[あがりやしき]という町会周辺や、谷端川[やばたがわ]暗渠あたりには、かなり興味深い風景があることが分かり、これは収穫でした。
今日の写真も、その谷端川暗渠 (細長くつづく公園になっている) 沿いで撮ったものです。この小さな家のすぐ向こう側が、公園、すなわち昔は川だったようです。そして、このすぐ左手には羽黒橋という橋の名残もありました。
ここは、道路が計画されているようで、この家のまわりは、金網のフェンスで囲われた更地ばかりです。この家も、計画されている道路にかかってるようで、見るからに、孤軍奮闘という状態でした。
表側で幅2間、裏側が幅1間半という、えっと思うほど小さな家でしたが、大切にされているのでしょう、淡いブルーにペイントされ、家の輪郭もすっきりとしていて、印象に残る可愛い家でした。

【場所】豊島区西池袋4丁目あたりです。

手作りののれん

| コメント(6)

これは、谷中にある古くからのお店「愛玉子(オーギョーチイ)」の入口にかかっているのれんです。
このお店の入口の上には、黄色地に黒で愛玉子と書かれた大胆で大きな看板が取りつけられていて、それがあまりに人目をひくため、こののれんは見逃されがちです。僕も、つい先日まで気がつきませんでした。
が、ふと気がつくと、大胆な看板とは対照的に小作りで小ざっぱりとしたこののれんから目が離せなくなってしまいます。
これは誰に聞かなくても、手作りであることは、すぐに分かります。おそらくは、ご主人がミシンを踏んで縫い、起毛した生地から「喫茶」の文字を切り抜いて、それを貼り付けたものでしょう。そして、そののれんは、やはり手作りの、両端が穏やかにカーブした鉄の棒に通してあります。
根津や谷中では、藍染めの粋なのれんはよく目にしますが、このような、温かい、作り手の手の温もりが伝わってくるようなのれんは見たことがありません。無言で、作り手の優しい人柄を物語ってきます。「いらっしゃい、よく来てくれたね」と、まるで孫にでも向かって話しかけているようです。見ていると、ちょっと切なさを加味したような温かさで、じわりと胸が満たされます。

【場所】台東区上野桜木2丁目あたりです。
【追記】こののれんは、5年前にお亡くなりになった前のご主人(長津初子さん)が、いまから10年ほど前に、ご自身でお作りになったものだそうです。

丸の内の工事現場で

| コメント(4)

今日は、ちょっと目先を変えて、丸の内からです。ここは、(多分)三菱地所のビル建設現場です。丸の内ともなると、工事現場とはいえ、このように真っ白なパネルで囲われ、見た目にはすっきりときれいです。そして、所々に、ブランド名を記した大きなステッカーが貼られています。ビル竣工の暁には、テナントとして入るぞ、ということなんでしょう。
この日は、どんよりと曇った寒い日でした。ここを最初に通りかかったときは、陰影もなく、白パネルに黒い文字が書いてあるというだけのことでした。もちろん素通りです。が、このパネルと道を挟んで反対側に渡った時でした。ふっと雲間から光りが差しはじめ、その光がガラス張りのビルに反射して、白パネルを照らしたのです。すると、幻灯機のスイッチを入れた時ように、ワーッと白パネルのうえに並木の影が浮き上がりはじめました。それはもう、はっとする光景でした。渡ったばかりの通りを大急きで戻り、その樹影にカメラを向けていました。が、そのすぐ脇に、街路灯の影が落ちています。しかも、その影がS.T.Dupontの文字と交差しています。ん、こりゃオシャレだ(^^;とばかりにそちらに鞍替えです。が、ここは丸の内。人通りが半端じゃありません。なにしろ邪魔。絡めて撮りたくなるような人なんて、滅多に通ってくれるもんじゃありません。で、ふと思いついたのが、じゃ、人影だけいただこう、ということでした。それで出来上がったのがこの写真です。

【場所】千代田区丸の内2丁目あたりです。

この家は、三崎坂をのぼりきった辺りにある路地の中程にたっています。外壁の板の経年による変化具合からすると、戦前の建物であることは確実で、もしや震災後の建物かな?と思えるほどの古さです。
面白いことに、この家は、2階が増築されているようなのですが、2階を支える柱が1階部分の外側に通っているのです(写真でお分かりいただけますよね)。そして、2階部分は、全体が波形トタンで覆われています。したがって、古い平屋の上に、木造のピロティ式建物をぽんと被せたような感じがするのです。いったい、この2階を支える柱は、2階増築後に補強のために追加したものなのか、それとも本当に1階に負担をかけないために最初からこういう造りだったのか? 専門知識のない僕には???です。
実は、この家は、奥(写真左方向)に向かって結構のびています。そして、どうやらアパートにでもなっているようです。どういう造りなのか、もう少し奥も見たかったのですが、入口には、古い角材を利用した門がたっていて、これがまた、なかなか威力があります。無断でこの門をくぐるわけにはいきません。残念ながら、奥の造りについては、いずれ...です。
しかし、この家は、古いのですが、外壁の板をから拭きでもしているのだろうか?と思うほどスッキリしています。また、損傷部分には「お金をかけず手をかけた」修理の跡があり、まわりの植物などもきちんと手入れされていて、清楚な感じすらします。そして、何より、味と貫禄があります。肩で息をしながらも...。

【場所】台東区谷中5丁目あたりです。

降りつづく雨を見ているうちに、無性に、雨の谷中を歩いてみたくなった。いや、つい先日初めて訪ねたばかりの「谷中ボッサ」に行きたくなってしまった、と言ったほうが正確だ。
雨、カルロス・ジョビン、路地、ジョアン・ジルベルト、坂、そして谷中、そんな言葉の組み合わせが頭のなかでグルグルと回りはじめ、ついに傘をさして谷中ボッサに足を運んだ。その組み合わせがどんなものかを確かめるために...。

日暮里駅で電車を降り、もう明かりが灯った「ゲルマニウム温湯」の看板を見ながら、雨に濡れた坂をのぼり、谷中墓地に入った。墓地の桜並木に出ると、桜の枝のトンネルの向こうが雨と靄で薄くかすんで見える。桜はまだ芽吹いていないらしく、枝にはまだ丸味が感じられない。

野田家専用の井戸

| コメント(5)

カクカクと曲がりながら、根津寄りのお寺の境内から谷中の高台につながる路地があります。大通りから離れるようにして、お寺や民家の間を通っているため、とても静かで落ち着きがあります。路地としては、かなり長く、しかも、けっこうな高低差があります。途中、路地の真ん中に大木がたっていたり、長屋の発展型か?と思わせるような一画で子供が遊んでいたり、こうして、ちょっと広くなった場所に井戸があったり、階段があったりと、変化にも富んでいます。
ところで、この右側に見えるトタン屋根ですが、これは井戸専用の屋根です。その柱には「野田家専用」と書かれています。井戸のすぐ左手にある野田さんというお宅専用の井戸なんですね。
昨年の夏、ここを通りかかると、ちょうど外出からお戻りになったのか、奥様らしき方が、洗面器に井戸水を汲み、そこに足をつけて涼をとっていらっしゃる場面に遭遇しました。もちろん、夏ですから、このあたりは木の葉が繁り、この写真からは想像できないほど、緑で鬱蒼とした雰囲気でした。その木陰で、井戸水に足を浸して涼をとる。なんだか、騒音と排気ガスが充満した都心の大通りがすぐ近くにあるなんて、とても信じられない光景でした。

【場所】台東区谷中1丁目あたりです。
【追記】路地に大木がたっている写真は、昨年の夏に撮ったものです。

宮の湯の煙突

| コメント(6)

根津の銭湯「宮の湯」の煙突です。最近は、銭湯の数が減ったり銭湯がマンションに組み込まれたりして、昔ながらの背の高い煙突を目にする機会が減っています。
根津も徐々にではあれ、高層のマンションが増えてきています。いずれ、このように「銭湯の煙突の向こうに空と雲」なんて構図は望めなくなるかもです。そうならないうちに、この根津の目印を撮っておこうと、ずっと思っていたのですが、狭い路地から煙突を撮るというのは、なかなか難しく、不発に終わっていました。が、先日、ふと思いついたのが、この構図です。自分では、素直な構図だと思ってるんですが...。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。
【余談】本日は、体調不十分なため、短文失礼です。

今日は3月8日。サンバの日なんだそうです。偶然にも、東京ドームが空いていたため、急遽決まったんだそうですね、この日を、サンバはサンバでも、マツケンサンバの日にしようと...。
松平健さんのサンバコンサートは既に中野サンプラザでも行われていて、異常なまでの盛り上がりを見せたといいます。そこで、ドームはうちの近くなので、とりあえず、会場の外の様子だけでも!と思い、行ってきました。
行ったのは4時頃でしたが、招待券だか入場券だかのテントに向けて、老若男女入り乱れ状態で、長蛇の列。少し離れた場所にマツケンサンバのグッズ売場が設けられ、そちらはそちらで大繁盛です。もうコンサートが始まる前から、あちこちで大にぎわい。完全にお祭り状態です。それも半端じゃないスケールの...。当然のことながら、全身ピッカピカの、成り切りマツケンさんの姿もあちらこちらに。それをTVクルーが取り囲んではやし立てる。そのTVクルーの数もまた半端じゃありません。なんだか凄い現象が起きたものです。ま、今日は写真でその気分を多少なりとも味わってください。

谷中の吉兆荘

これは、谷中にある吉兆荘というモルタル2階建のアパートの入口です。同じ敷地内に、もう1棟の町屋式アパートと、古い家が1軒たっています。それらはL字に配置されているため、アパートの裏手にはかなり広いスペースがあり、現在、そこは駐車場として使われています。
このアパートには外廊下が付いているのですが、おもしろいことに、1階部分の外廊下が、階段数段分ほど地面より高くなっています。要は高床式なわけですね。モルタルアパートなのに...。それだけで、このアパートは何となく他のアパートとは雰囲気が違います。日本ぽくないと言うのか...。
いまは冬ですから、この写真のように、わりとさっぱりしていますが、これが夏ともなると、敷地の出入口は、立木や蔦類が繁らせた葉で鬱蒼としたトンネル状態になり、木漏れ日がチラチラと揺れながら地面に落ちて、涼しげで、もっと異国的な雰囲気ができあがります。
ただし、良いことばかりではありません。この奥の棟は無人になっていて、その裏には粗大ゴミが捨てられ、建物もろとも荒れ放題といった感じです。建物は、ちょっと手を入れれば、まだ使えそうなんですけどね。もったいない話です。
でも、捨てたもんでもありません。今年の正月の夕方、ここを通りかかり、写真を撮っていると、無人アパートのまわりを熱心に見ている3人組に出会いました。聞けば、3人とも芸大建築科の学生さんで、無人アパートのほうを再生してアトリエ兼住居にしたいと思い、下見しているというのです。なんだか嬉しかったですね。3人とも良い目をしてらしたな〜。

【場所】台東区谷中5丁目あたりです。

縁起貝

| コメント(4)

これは三崎坂のいせ辰さんに飾られていたもので、ちょうと雛祭りの前々日くらいに通りかかったときに目にしました。カラフルできれいですよね。華やかな和の感じもあるし...。
うちにもひとつ欲しいなと思い、ご主人に聞いてみました、「これ、雛祭りにちなんだ飾りものなんですか?」と。すると、「特に雛祭りにという訳ではありませんが、縁起が良いといってお正月や雛祭りに飾ったりしますね...」という返事が返ってきました。
その説明を聞いても、カラフルで華やいだ感じがするから縁起が良いのかな?と、思うだけでピンと来ません。でも、どうもそれだけでは、縁起が良い所以も何もありません。が、うぬ?と、ちょっと考えて、気がつきました。
縁起貝と書いて、これを普通に読めば「エンギガイ」です。でもご主人は「エンギガイー」と伸ばしてたんですね。「エンギガイー」から「エンギガイイ」となり「縁起が良い」となる訳です。
要は洒落でした。しかし、こんな洒落が、こんな洒落たかたちで生きてるってのは、やはり、谷中いせ辰さんならでは、でしょうか。

【場所】台東区谷中2丁目あたりです。
【追記】この縁起貝は、残念ながら、売り物ではありませんでした。

長屋裏でひっそりと

| コメント(4)

ここは、高齢のおばちゃんと息子さんが、お二人で静かに暮らしていらっしゃる家の前の空間です。完全な袋小路の奥にあたり、幅1メートルにも満たない路地を通る以外に、表通りに出る方法はありません。
おばあちゃんは、戦後、中国から引き上げていらした方で、もう60年以上ここにお住まいなんだそうです。失礼ながら、お住まいは相当に古びて傷んでいます。息子さんは、もっと便利なところに越そうか?と言ってくれるのだそうですが、おばあちゃんは、もうここを離れる積もりはないそうです。「ここだったら、どんな闇夜でも、勝手知ったる路地、ひとりで帰ってこれるから」と。
ここに立って上を見ると、まわりがすべて2階建ての家や長屋に囲まれているため、縦穴の底から空を見上げているような感じすらします。おばあちゃんの家専用の、静かで穏やかな異次元とも想える空間です。
写真に撮っておきたいという僕に、「ありがとう。ゆっくりしてってね」と言い残して家に入っていったおばあちゃん。なんだか、野道でも歩いた後のような、懐かしさのある清々しい後味が残りました。

【場所】文京区根津です。

最近では、下町の履物店というと、なんとなくさびれた感じのお店が多く、昭和を感じさせる古びたショーケースや棚に、ビニール製のサンダルやら、昔懐かしい学校の上履きのようなズック、特売の棚でしかお目にかかれないような革靴などが、パラパラと置かれている有様です。もっぱら、お年寄りの普段履きを専門に細々と、といった感じを受けます。
そんななか、こちら、三崎坂にある平井履物店さんは、ひと味もふた味も違います。下町の粋を感じさせる下駄や草履の専門店で、いつ見ても、控えめで渋く、こざっぱりとした店構えには感心させられます。「下駄を買うなら、こちらで教わって買いたいな〜」と、お店の前を通るたびに思います。
この日は、根津から谷中を歩いていたのですが、日も暮れて、いよいよ家路につこうと、三崎坂を下っていました。この坂を下るときは、平井履物店さんの前にさしかかると、ふと気になり、店内に目をやります。この時は、店内に和服を着た女性の姿がありました。しかも、いかにも和服を着慣れているといった感じで、立ち姿や身のこなしがきれいです。店も粋なら客も粋。良いですね〜、風情があって...。惚れ惚れ(^^;

【場所】台東区谷中2丁目あたりです。
【追記】平井履物店さんのホームページはこちらです。充実してます。

谷中の雛人形

| コメント(2)

昨日、一緒に谷中を散歩した友人が「アランさんのアトリエはぜひ見たい」ということでしたので、夕方近くなって、そちらに立ち寄りました。今日(3日)から、池袋の東武デパートで個展が開催されているため、昨日は、作品の搬出・搬入などのためか、アランさんはご不在でした。
そして、一昨日までガラス戸近くに置かれていた屏風と日本画も展示会場に行ってしまったらしく、そこには、ぽっかりと空間ができていました。が、その空間に、写真のように、雛人形が飾られ、その後方には、アランさんの作品である、透明フィルムに桃の花を描いた掛け軸が垂らしてあります。こんなシーンが待ち受けていようとは、僕も友人も、想像もしていませんでした。まさに不意打ちです。
人形はかなり古そうです。きっと奥様が持参なさったものだろうと想像します。これを見ると、アランさんと奥様の心遣いと暖かさが伝わってきます。お二人に代わって、この雛人形が「来てくれて、ありがとう」と言っているのが聞こえてくるようでした。
モダンな立ち雛も良いけれど、ここ谷中には、昔ながらの伝統的な雛人形が良く似合うようです。こんなに雛祭りを感じさせられたことは、かつてありませんでした。

【場所】台東区谷中1丁目あたりです。

谷中 根津 湯島の梅

| コメント(7)

このサイトを訪問してくださる方のおひとりから、「湯島の梅を撮ってアップしろ」という注文をいただきました。サービス精神旺盛委なシェフといたしましては、「なんとかご注文にお答えしたい」と考え、本日、谷中散歩の帰りに、ひとり湯島天神をうろついてきました。
「これは良さそうだ」と思う場所が、女坂 [湯島天神にのぼるゆるやかな階段] に1箇所あるのですが、その梅はいまだ3分咲き。さすがに淋しい感じがします。背景に負けてしまいそうな有様。そこで、しかたなく、梅の木だらけの境内に入りました。

谷中の緑の長屋

| コメント(2)

今日は、午後になって、気の合う友人と、根津から谷中あたりを散歩しました。ふたりとも趣味は写真を撮ること。お天気は薄曇り、ときどき太陽が顔をのぞかせる状態でしたが、光が均一にまわっていて、写真日和でした。
ふたりで歩いていると、ひとりで歩いているときには気づかなかった物や場所に友人が気づき、「あ、それもアリだな〜」と教えられることが度々あります。今日の写真の場所も、そんな例で、ひとりだったら通り過ぎていたかもしれない場所にある2軒長屋です。
ここは、通りからすこし奥に入った目につきにくい位置にあるので、いつの間にか無意識に、「ここには撮るべきものは無い」と、決めつけてしまっていたようです。でも、今日は隣りに友人が居たため、「ま、ちょっと入ってみましょうか」ということになり、それが幸いしました。緑のトタンの塊が出現です。そして、その前には、ほこりだらけのカバーのかかったバイクが。側面を見れば凹凸もあり、言うことありません。今日の写真は、良い友人に恵まれて、撮れた収穫です。それにしちゃ暗い写真ですが(^^;

【場所】台東区谷中2丁目あたりです。

ここは根津 [旧藍染町] にある長屋です。通りに面した部分は4軒長屋 [写真右手の棟から右方向へ延びている] になっているのですが、もうどこにも人は住んでいません。建物の大部分が波形トタン板で覆われ、それが錆びて、相当に朽ちた感じがします。それでも、不思議なことに、さほど廃屋臭さがありません。
この長屋はL字型に曲がっていて、その奥の棟にはまだ人が住んでいらっしゃることも、その要因でしょうが、もうひとつは、路地の向かいにお住まいの奥さんが、園芸がお好きで、この無人の長屋の前を毎日掃き清め、まわりに花の鉢を並べていらしゃることです。それが見事に廃屋臭を中和しているようです。いまは季節的に花が少ないのですが、これが春夏になると、さぞきれいなことだろうと思います。錆びたトタン板を背景に、植物や草花はよく映えます。ここには、夏の匂いがしはじめる頃、もういちど足を運んでみようと思っています。
と、前置きのつもりが、本文のようになってしまいましたが、今日の写真は、昨日、アランさんのアトリエに向かう途中に、その長屋の路地で撮ったものです。タイル状のコンクリートが敷きつめられ、他の路地に比べると緑も少なく、さほど風情はありません。ところが、やはり太陽の力ですね。そこにさっと光が差し、陰影ができると、一気に路地に奥行きが生まれ、シャッターを押さずにはいられなくなります。そして、この写真もご覧になってみてください。これは、今日の写真を撮った8分後に撮った写真です。表情が違いますよね。こうしてみると、風景ってもの凄いスピードで動くんですね。特に狭い路地では。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。



ninepeace.jpg




月別アーカイブ(Archives)



Photo Gallery

写 真 集


おすすめ




おことわり

エントリー、コメント、トラックバックにつきましては、管理者の判断により削除させていただく場合があります。予めご了承ください。
Powered by Movable Type 4.22-ja





copyright © 2004-2017 masa