本藤理髪店

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さて、今日は、いよいよ、根岸の真打ち「本藤[ほんどう]理髪店」の登場です。
以前、本サイトに「映画のロケにも使われた、根岸の古い理髪店が営業を止めた」というコメントをいただき、気にはなっていたのですが、時間が経つにつれて、すっかりそのことを忘れていました。
今回、根岸に足を踏み入れたときも、そのことは頭にありませんでした。とにかく、方向のつかみ難い道を、当て所もなくぶらりぶらりと歩いていたのですが、さすがにこの理髪店の引力は強いようです。そう時間も経たないうちに、「うわっ、これは良い!」という構えのお店に出くわしました。早速レンズを向け、ひとしきりシャッターを切った後です。「あ、これが例の理髪店に違いない」と気がついたのは…。
それからは、連続3日間、根岸を歩く度にこの理髪店の前を通り、写真を撮っていました。その3日目のことです。写真を撮っていると、いつの間にか、すぐ隣りに人の気配を感じ、顔を上げると、やや小柄な、僕と同年配の男性が立っています。どうやら、こちらのご主人らしいと思い、お尋ねすると、「そうだ」という返事です。いや〜、幸運というか、天の助けといいますか、こううまく会いたい人に会えるなんて思ってもみませんでした。



しかも、あれこれと、お店の由来などを伺っているうちに、なんと「店のなかを見ますか?」というお誘いです。とても我慢できません。「是非、是非に!」とお願いして、店内にまで入れていただきました。表から見ても、和洋が入り混じった構えと、経年による変化で、独特の魅力があるのですが、店内はもうひと時代昔の和洋折衷。まさにタイムマシン。明治大正といった時代の面影が色濃く残っていました。
ところで、こちらの歴史ですが、ネットや本で調べても、いまひとつはっきりしませんでした。そこで、ご主人に、その辺りについても伺ってきました。以下はご主人のお話を手短にまとめたものです。
「本藤理髪店は、初代の長岡保之助という人が、明治44年[1911年]に吉原大門のそばで創業したが、その年の吉原の大火で焼失し、根岸へ移転した。当時、この建物は平屋の長屋だったが、大正12年[1923年] の大震災で多少の損傷があり、翌13年の改修の際に2階を増築したらしい。その後、戦災にもあわず、現在に至る」ということです。

【場所】台東区根岸3丁目あたりです。
【追記】本藤理髪店は、先代のご主人が亡くなったため、現在は営業なさっていませんが、「廃業」という噂はウソで、あくまでも休業中ということです。「理髪店を一人で切り盛りするのは無理であるため休業しているが、良いパートナーとなる従業員が見つかり次第再開する予定だ」ということです。早くパートナーが見つかると良いですね。
【追記】椅子も古そうに見えますが、これは古いアメリカ製の椅子のレプリカだということです。とは言え、生産されたのは限定350台のみで、シート後部にはシリアルナンバーが刻印されていました。

コメント(6)

どんどん真打ちが登場してきますね。
本藤理髪店、なんと圧巻!
そろそろ「谷根千写真集」出版にリーチが掛かった。
私が編集者ならそう思うのでは。

大阪の中崎町というところに古屋を改装して作ったおよそ美容院らしくない「木」という美容院があるんですが、ふとその原型(モデル)がここにあるんじゃないか?と思ってしまいました。思えばレプリカのアメリカ製の椅子に似たような椅子もあったような気がします。まあ、あくまで若者達が頑張ってるお店なのですが、、でも、看板の付け方までちょっと似てます(笑)
http://www.moks.jp/
http://fotologue.jp/triebe/entry/5447.blog

突撃というより出会いシリーズ、suashiといい、良いお話と写真が見る人を和ませてくれます。

>じゃらん堂さん
この本藤理髪店さんはなかなかでしょう。店内には、いま、いろいろ物が置いてあり、思うような構図では撮れませんでしたが、片鱗はおわかりいただけるかな?と。
写真集というのは、多少意識にありますが、ちょっと難しいですね。なんせ、全くテーマ、ターゲットを絞らずに撮ってますから…。m-louisさんが評された「標本系ブログ」というのが実にあたってるような気がします。しかも、蝶もトンボもセミも同じ箱に収集したような標本でしょうか(^^;
そういう意味では、これは写真ブログなのかな?なんて思います。

>m-louisさん
確かに似た雰囲気があるようで、ほんとに、もしや?と思わせますね(^^;
しかし、本藤さんのように、狙ったわけではなく、「なっちゃった系」の迫力は格別ですね。
URLの写真、引き込まれて拝見させていただきました。良い写真を撮ってらっしゃるんですね〜。右脚の悪い?ワンコや、真下の水面を撮ってらっしゃる写真など(それ以外にも多々あるのですが…)、ストーリーがあって、素晴らしいですね。澤の屋さんのMGまで撮ってらっしゃるのにはビックリです (ローカル会話ですね(^^;)

>カークさん
ありゃ、コメント書いてるうちにコメントいただいてました。ありがとうございます。
実は、Suashiで、本藤理髪店のことを話しましたら、Suashiのご主人が、「それじゃ」というので、本藤理髪店の電話番号を探してくださったのです。が、番号が見あたりませんでした。その時に、「ま、焦らずいきます。そのうち本藤さんにバッタリってこともありますよ」なんて話をしてたんですが、こんなにうまい具合にご主人にお会いできるなんて、いまだに信じられません。



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