2006年4月アーカイブ

若葉町の谷戸で

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午後は、上空が薄い雲に覆われていましたが、蒸し暑く、歩くと汗ばむほどでした。昨日から大型連休に入りましたから、旅行にいらした方も多いことでしょう。が、僕は、しっかりと東京に居残りしています。
そんなわけで、今日は、新宿区の若葉町を歩いてきました。歩いたコースはこちらをご覧ください。いかがでしょうか…。マップとサテライトおよび縮尺率を切り替えながら、手動または自動で、僕が歩いたコースを確認していただけます。(Macでは、一部機能が作動しないかも?です)

この Googleマップを利用したトラック表示は、GPS受信機が記録したトラック情報を、いったんカシミール3Dに取り込み、ファイル変換して出力し、こんどは「轍(Wadachi)」というソフトに読み込み、そこからHTMLファイルを出力すると出来上がります。「マップとサテライト、そして縮尺まで切り替えながら場所を確認できる」というのが大いに気に入り、今後も使用させていただこうと思っています。轍(Wadachi)の作者でいらっしゃるwindyさんに感謝いたします。

さて、「轍」の話が長くなりましたが、本題の若葉町です。若葉町は、この凸凹地図でご覧いただくと分かりますが、新宿通り(20号線)の南側に刻まれた、見事な谷戸の谷底にあたる町です。昔は、水田や沼地だらけの土地で、町名が若葉に変わる前は、鮫河橋谷町(さめがはし たにまち)と呼ばれていたそうです。現在では、新建材を使った家やビルが立ち並んでいますが、昔の川筋に沿って歩いていると、まだまだ戦後の建物が密集した濃密な世界が残っていました。今日の写真は、そのなかでも、最も濃密と思われる一画にあったトタン+下見張りの家です。近所の方にうかがったところ、この一画でも最も古い家だということでした。が、この一画、すでに、今年中の再開発が決まっているそうです。

【追記】谷戸の写真は須賀神社境内から谷頭方向を撮ったものです。右方向が谷口になります。
【場所】新宿区若葉3丁目あたりです。

段路地の粋

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いやいや、なんだか、すっかり荒木町から離れてしまい、荒木町シリーズが尻切れトンボになっていました。が、忘れてはいません、荒木町。これからも、ちょくちょく舞い戻ります。

今日の写真は、もうずいぶんと前に撮ったような気がしますが、荒木町の、スリバチの底ではなく、中腹を走る路地の突き当たりにあった段部分です。
なんとまあ込み入っています。が、傾斜のきつい狭い土地を、できるだけ有効に利用するために生まれた、実用・必要デザインなのでしょう、各部のバランスや角度が絶妙で、大いに惹きつけられました。

■関連エントリー:荒木町小盆地景 / 荒木町階段路地景 / 荒木町段坂路地景 / 荒木町坂道景 / 荒木町界隈凸凹地図

【場所】新宿区荒木町あたりです。

路地暮らし

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ここは、根津の、不忍通りから2本裏に入った路地です。日が暮れて、根津駅に向かう途中に出会った光景です。
暗い路地で、街灯の灯りに照らされて、ちょこんと座ってこちらを見ている猫の様子が愛らしく、カメラを向けました。そして、猫が逃げないように、そろりそろりと、猫に近づいていました。すると、向こうの角から突然、お風呂帰りのご老人の姿が現れました。浴衣を着て、手には風呂敷包みを提げ、杖をつきながら、こちらに向かって歩いてきます。その姿が、突き当たりの言問通りのネオンの明かりで、黒いシルエットになって浮かんで見えます。
こんな状況は、どちらかの家の庭先でならともかく、誰もが通る路上では、なかなか遭遇できません。路地というのは、細い道というだけではなく、誰もの庭といった感覚と匂いが溢れているからこそ...という光景でした。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。

京王相模原線の多摩境駅のすぐ近くです。このあたりは、目で観察した限り、多摩丘陵の小山の頂部を削って平らにした区域のようです。そこには、コストコをはじめとする、郊外型の大型店舗などが建ち並んでいました。周囲に控える大型のマンション群の住人をターゲットにした一大ショッピングセンター街、まであと2歩といった印象でした。
なぜ、ここを通りかかったか?というと、今日、いつもブログでお世話になっている方々が「コストコ見学+馬肉を食するツアー」にいらっしゃるとのこと…。そこに僕も参加させていただいた…というわけです。
この写真は、コストコでのショッピングを終え、参加者全員で、多摩境駅に向かって歩いている時に撮ったものです。これから何か建つのか? 店舗を誘致できなかったのか? こんな、だだっぴろい空き地風景が横たわっていました。

【場所】東京都町田市小山ヶ丘3丁目あたりです。

芝浦のエントリーを、wakkykenさんが様々な角度から読み取ってくださったことにより、僕の興味の矛先も思わぬ方向に向かい、それが今日のエントリーにつながりました。なんだか、わきたゼミで指導いただいている感じです(^^;
ま、そんなわけで、今日の写真は「昔の芝浦の運河沿いはこんな風だったに違いない」というものです。トップの写真ですら、既に護岸されてはいますが、「その昔はこうだったのだろうな〜」と思わせる部分がこうして残っていました。このように、人の生活が水のなかにまで入り込み、水と陸との境界が、いまよりもずっと曖昧だったに違いありません。
そして、こんな残骸も残っていました。ここは屋形船などの発着に使われていたりしたのかな?という感じがします。また、すぐ隣りに、船を上げ下げするクレーンらしきものが残っているところを見ると、船を係留して、何か作業を行う場所だったのかもしれません。ともかく、昔の芝浦あたりの運河沿い風景とは、こんなものだったのでしょう。
しかし、現在、行政が目差しているのは、明らかにこの方向のようです。ここでも、護岸と遊歩道の整備が進んでいました。プレジャーボートが並べば、都心に隣接した、お洒落なウォーターフロント風景が出現しそうです。おおイヤだ(^^; なんだか、画に描いた餅という感じがします。

【場所】港区芝浦4丁目あたりです。

芝浦バラック(追)

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一昨日のエントリー「芝浦バラック」の補足です。このバラック群は、まさに川端に建っていて、前を通る道はすぐ橋につながっています。この写真は、その橋のうえから撮ったものです。

見た目に「ウワ〜ッ!」という感じはありませんが、「ウヌ〜」という感じはありますね(^^; いったい、元々、どちらの方向を向いて建っていたの?と言いたくなるような構造です。増築の繰り返しがこのカタチを生んだのでしょう。そして、ここで目につくのは、目隠しです。かなりガードを固めてあります。

元々は、川端でもあり、人目を気にせず、開けっぴろげな構造だったのではないか?と想像します。が、高層ビルが増え、昼間の人口が増えると、人目に晒される機会も増え、そうもしていられない状況が生まれ、いつの間にかトタンの要塞的な造りになっていったのでは?と思います。

地味ですが、魅力があります。というわけで、絶滅危惧種のこの姿、追加しておくことにしました。

【場所】港区芝浦4丁目あたりです。

芝浦リバーサイド

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ここは、昨日エントリーしたバラックのすぐそばです。ここには運河があり、それに沿ってモノレールが走っています。
運河沿いには、"リバーサイド"空間を楽しめるようとの配慮でしょう…遊歩道が整備されています。が、まったく人影がありません。人の姿といえば、反対岸で巨大な超高層マンションが建設中でしたが、その現場で働く人の姿だけです。それも人の指程度の大きさにしか見えません。さほど幅のある運河とは思えないのですが、向こう岸までは、思ったよりも距離があるということですね。
この一例にかぎらず、ここでは、いわゆる町での生活から得た感覚が適用不能になるようです。すべてにおいてスケール感も質感も違い過ぎます。しかも、僕には、この風景が、どうしても、廃棄された都市のように見えてしまいます。
それでも、ここに住んで生活をすれば、そのうちそういった感覚にも慣れ、自分の住む町と感じるようになるのでしょうか…。

【場所】港区芝浦4丁目あたりです。

芝浦バラック

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羽田空港へ行く用があり、浜松町からモノレールを利用しました。モノレールは、運河の上や、埋め立て地に建つ大型倉庫や工場、超高層マンションの間を縫うようにして走るため、車窓からの眺めは、ダイナミックであると同時にかなり大味に感じられます。

そのなかにあって、周囲の建物とは、匂いもスケールも全く違う一画があります。そこには、古びた、小さなトタンの家が肩を寄せ合って並んでいて、モノレールに乗るたびに「おっ!」と気になっていました。

そこで、羽田からの帰りに、京急線を利用し、三田駅で乗り換えるついでに、その一画へ行ってみることにしました。場所は特定できていませんでしたが、モノレールに沿って歩けば問題なくその場に出るはずです。そんな調子で歩くこと約10分。難なくその一画に到着しました。

現地に立つと、モノレールから見おろすのとは違い、屋根の錆などが見えなくなりますから、想像したほどの凄さはありませんでしたが、今となっては、トタンのバラックがこうして横一列に並ぶ例は、他でもなかなか見られるものではなく、さすがに見応えがありました。しかも、よく見ると、左3軒と右3軒が対称になっています。が、完全に対称ではなく、中央の2軒は、間口の広さが半間ほど違っています。両端の家の屋根の角度も左右で違いますし、中央の2軒以外も間口が微妙に違うようです。

なんだか、この姿になるまでには、いろいろと物語が積み重なっていそうですね。しかし、周囲は高層ビルばかりという環境のなか、よくもこの姿で残っていたものです。

【追】より大きい画像を追加しました(2015年9月)。

【場所】港区芝浦4丁目あたりです。

藍染夕闇景

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僕が立っている場所は、谷中のあかぢ坂。横断歩道の見える通りは、昔、藍染川が流れていた通りです。いまは暗渠になっていて、川を見ることはできませんが、この通りが、文京区根津と台東区谷中を分けています。
この交差点の角に、いまとなっては珍しい平屋が残っています。平屋、しかも相当に間口が広い平屋を見慣れないせいか、そばに立つと、やけに軒が低く、適切な表現ではないかもしれませんが、「うすらデカい」感じがします。いつ頃の建物なのかは、残念ながら、まだ確認する機会がありません。戦災消失区域が表示された地図を見ると、この角は消失を免れていますので、かなり古い建物なのかもしれません。
この建物は、ずっと以前から気になっているのですが、上記したとおり、横長であるため、構図がとり難く、なかなか写真に収められずにいました。
この日(4月18日)は、オヨヨ書林さんで本を購入するため、久々に根津に居ました。根津は、しばらく留守にしていましたから、ついでのパトロール(^^;を兼ねて、ぐるっとひとまわりしてみました。先日コメント欄に「旧・上海楼の隣りのお屋敷が取り壊された」という情報をいただいたので、それも確認してきました。確かに、そこはもう、きれいさっぱり更地になっていました。さらに、根津神社裏の日本医大病院看護婦寮でも取り壊し作業が始まっていました。今年になって、なんと取り壊しの多いことよ!です。
そんなことをしているうちに、いつの間にやら時刻は6時をまわり、あたりが暗くなってきました。最後に藍染め通りの建物たちを確認しておこうと思い、不忍通りを渡りました。そして、藍染通りを町境まで歩いて、引き返そうか?と思った時に、ふと気になったのがこの光景でした。

【場所】台東区谷中2丁目あたりです。

オールドベスパ

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夕方になって、一昨日、入手せずに帰ってきた本を買いに、神保町へ行ってきました。こういう時って、「あの本、もう売れているのでは?」と、ちょっと気が急いたりします。で、とりあえず、目的の本が並んでいた棚にまっしぐらです。すると、在りました。ちょっと安心です。しかし、在れば在ったで、妙なものです。その本を手にしてみると、「ま、すぐ読むって本でもないし、ま、いいか...」という気に...。またしても、その本を棚に戻し、手ぶらで書店を出ることになってしまいました。何してるんでしょうね(^^;
でもまあ、せっかく神保町に来たわけですから、そのまま家に帰るのもクヤシイです。そうだ、古本カフェ『ブック・ダイバー』さんに寄っていこう!と思いたちました。が、時計を見ると、もう7時をまわっています。「もう閉まっているかな?」と思いながら急ぎ足で神保町の交差点を渡り、角を2つほど曲がると、まだ『ダイバー』さんからは明かりが漏れています。
飛び込んでみると、ご主人は僕を憶えていてくださって、先日の印象そのままに、にこやかに迎えてくださいました。そこで、しばし談笑です。そして、ついあれこれと話し込んでしまい、閉店時間を大幅に過ぎた頃になって、やっと失礼してきました。こちらの御主人、やはり雰囲気あります。なんとなく、別のお付き合いになりそうな予感です(^^;
ところで、このチラシを見てください。僕が以前アップした写真を使ってくださってました。それをまた僕が、スキャンしてここにアップする...。なんだか面白いですね。とにかく光栄なり! これで縁ができたぞ〜(^^;
と、やたら長い前フリになってしまいましたが(^^; という感じで、なんだか気分良く、夜の神保町を歩いて家に向かっていました。その時に、ふと目についたのが、この古い(と思う(^^;)ベスパでした。可愛いくせに無骨なこのデザインには惹きつけられます。
あ、それから、余談ですが、このすぐ脇で、今日の昼間、なんと手榴弾が見つかり、警察や消防が出動して、大騒ぎだったそうです(後方のお店の方の話)。

【余談】『ダイバー』さんのチラシにある「退屈な方、散策好きの方、...」って一行が...なんともよろしいでしょ(^^;
【場所】千代田区西神田2丁目あたりです。

今日は Ban-Gai散策「ちょっと一息」エントリーです。ここは朝霞市です。ある道沿いに建つ家の玄関先に、いつも、このゴールデン・レトリバーが横になっています。レトリバーのなかでも相当に大型で、顔だけでもサッカーボールくらいありそうです。大型らしく、実におっとりとしています。
この子は、いわゆるソト犬として飼われていますから、いつも飼い主と一緒というわけではありません。その分、人恋しいのか、柵ごしに頭をなでると、パタパタと尻尾を振って喜んでくれます。今日も、やはり横になり、顔を塀にちょこんと載せ、眼だけ動かして、こちらを見ていました。
そこで、はじめてカメラを向けてみました。嫌な顔もせず自然体です。ぐっと近寄ると、さすがに、やや顔を引き気味にはしましたが…。
写真にして、改めて見ても、優しい顔をしています。しかし、犬の眼というのは、ランランと輝く時もあるけれど、寂しげですね。何を考えているのだろう?とよく思います。

JINBOCHO-1

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四月も半ばだというのに、風の冷たい日でしたね。今日は、午後遅くなってから神保町へ…。古書店などをウロついていました。が、収穫は無し。というよりも、欲しい本はあったのですが、サイズが大きいうえ重いので、購入を見送ったという感じです。これ、カメラを持っていることの弊害のひとつですね。なんせ、バッグに入りきらないような本を抱えてしまうと、写真が撮りにくくてかないません。
先日などは、雨が降っていて、傘をさしているうえにヘビー級の本を抱えていたにも関わらず、やはり「うぬ」と思う場面に出くわすと、超窮屈な恰好でカメラを構えてしまいました。そのうち、傘が飛んだり、カメラを濡らしたり、大切な本を落っことしたりと…ろくなことはありません。
そんなわけで、今日は、雨こそ降っていませんでしたが、手ぶらで帰ってきたというわけです。お土産(見返り?)はこの写真です(^^;

【場所】千代田区神田神保町1丁目あたりです。

今日は写真はちょっとお休みして、僕自身が欲しいと思っていましたし、ブログを通じてお付き合いいただいている方のなかにもご興味をお感じになられる方がいらっしゃるのでは?と思い、荒木町と若葉町をカバーするの四谷界隈の凸凹地図を作ってみました。サムネールをクリックしていただくと、ヨコ900ピクセル・タテ700ピクセルの凸凹地図が表示されます。結構広い範囲ですから、本来は「四谷界隈凸凹地図」と呼んだほうがよいかも?です。
この凸凹地図作成に使用しているデータは、とても正確なものですが、僕のソフト使用法は素人同然ですので、この地図を(目安としてお使いになるのでしたら十分な精度がありますが)、間違っても学術的な見地からはご覧にならないでください、あくまでも遊び道具として使っていただけたら...と思います(^^;

■関連エントリー:荒木町小盆地景 / 荒木町階段路地景 / 荒木町段坂路地景 / 荒木町坂道景 / 段路地の粋

【追記】凸凹地図には、カシミール3Dで表示させた「数値地図5mメッシュ(標高)」(国土地理院) および GARMIN社「MapSource」で表示させた「Japan City Select」を使用しました。

荒木町坂道景

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新宿区の荒木町についてのエントリーを既に3回 [, , , ] アップしましたが、いずれもスリバチ地形の説明を兼ねたエントリーでした。で、今日からは、地形系を締めくくりながら、そろそろ、荒木町の町並みに入ってゆこうと思います。
今日の写真は、この荒木町の中心部を通る「車力門通り」と呼ばれる坂道です。この坂道の一部[新宿通りから入り込む直線部分]は、江戸期に既に存在していたようです。かなり古くからある道なんですね。この「車力門通り」というちょっと風変わりな呼び名は、江戸期に、荒木町が高須藩 松平摂津守の上屋敷であった頃、この通りが屋敷裏門に通じていたため、そこから扶持米が荷車で搬入されたことからついた、ということです。
この坂は、新宿通りから、なだらかに下っています。新宿通り側から眺めるとこんな具合に見えます。町がスリバチの底に向かって、ずずっと沈んでいっている様子がお分かりいただけるでしょうか...。この沈殿しているような感覚が何とも言えません。
この坂道を下ってゆくと、途中で、平坦になる場所があります。スリバチの底を目差すには、そこから分岐した細い段坂路地に入ることになります。今日の写真は、その分岐点から撮ったものです。
この日は、あいにくの雨でしたが、スリバチの町・荒木町にとっては、雨も味方です。濡れた石畳の表情などは言うまでもありませんが、雨滴のせいで町全体に靄がかかり、それがかえってスリバチの深さを感じさせるのか...、いつもにも増して風情がありました。

■関連エントリー:荒木町小盆地景 / 荒木町階段路地景 / 荒木町段坂路地景 / 荒木町界隈凸凹地図 / 段路地の粋

【追記】「車力門通り」由来については、『四谷散歩』安本直弘著・みくに書房 を参照しました。
【場所】新宿区荒木町あたりです。

荒木町段坂路地景

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昨日は荒木町の階段路地景をご覧いただきましたが、今日は、荒木町の段坂のある路地景です。
「段坂」なんて言葉があるのか?と言われると困りますが、「段畑」という言葉がありますから、ま、いいか...という程度の発想です。
荒木町は周囲全体が斜面になっていますが、場所により傾斜の角度は様々です。その傾斜角度に応じて、擁壁や階段、坂になっているわけですが、傾斜が極めて急な場所は、狭いスリバチ内の土地面積を少しでも有効利用するかのように、垂直に切り立った石組みの擁壁に、坂にするには急過ぎる斜面では階段、そして、傾斜が緩やかな斜面は、写真でご覧いただけるように、所々に段を設けた坂になっています。すなわち「段坂」なわけです(^^;
そして、これが石畳になってるところも多く、かなり雰囲気があります。「晴れてよし」「曇ってよし」「降ってよし」と、三拍子揃っています。写真はその証拠です(^^; ちょっと暗いですが、左から、撮影時のお天気は「晴れ」「薄曇り」「雨」です。
残念ながら、これらの段坂も、コンクリートで補修されたり、マンホールも愛想のないものに変わっていたりはします。そして、坂の両側にもマンションが建つ時代になっています。が、それでも、こうした折れ曲がりながらだらだらとつづく段坂なんて、東京では、そうはお目にかかれません。
昔は、この石畳の段坂をそぞろ歩くと、カラコロと下駄の音が響いてきたり、どこからともなく新内が聴こえてきたりしたのでしょう。でも、今でも、ちょっと想像力のスイッチをONにして、そんなことを想いながら段坂を歩けば、この町には、まだひと昔前、いや、うっすらと江戸の匂いすら残っているのを感じ取ることができるはずです。

■関連エントリー:荒木町小盆地景 / 荒木町階段路地景 / 荒木町坂道景 / 荒木町界隈凸凹地図 / 段路地の粋

【場所】新宿区荒木町あたりです。

ここは荒木町の真性スリバチの底です。写真は、3枚とも、その底から地上へつづく階段路地を見上げたところです。四方を台に囲まれた荒木町では、底から地上へ出るには、こうした階段を上らなくてはなりません。
それを思うと、ここは、海や川に囲われる代わりに、斜面や崖に囲われた地上の孤島のようです。したがって、これらの階段は、単に階段というだけではなく、地上との架け橋のようにも感じられます。
そんな地形のせいなのか、こに住む人達の結びつきは強く、深く、それがひとつの集落をつくりあげるチカラになっているようです。海原に浮かぶ孤島に独特の環境や生態系が残されるように、ここ荒木町という孤島には、昔ながらの集落感覚がまだ残っているように感じます。形骸化した風習や習わしではなく...です。
ところで、この真性スリバチの底感覚は実に独特です。地上から下りるにつれ、確実に騒音が遠ざかり、自分の足音がはっきりと聞こえはじめます。そして、地の懐に包まれるような感覚が、人に安心感を与え、落ち着きを取り戻させてくれるのか、気持ちが穏やかになってきます。まさにダイブする感覚です。その感覚を味わいに、これからも何度も足を運ぶことになりそうな町です。

今日の写真ですが、左と中央の階段は、自然地形である斜面に造られた階段です。が、右の階段は、江戸期に盛り土された斜面、すなわち谷戸の開口を閉じ、荒木町を真性スリバチにした斜面に造られた階段です。そんな歴史をはっきりと体感できるのも、この町の魅力のひとつですね。

■関連エントリー:荒木町小盆地景 / 荒木町段坂路地景 / 荒木町坂道景 / 荒木町界隈凸凹地図 / 段路地の粋

【場所】新宿区荒木町あたりです。

まいまいつぶろ

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本日のつい先ほど取り壊された老舗バー「まいまいつぶろ」の写真です。全景はこちらです。とりあえず速報とういことで、写真だけアップします。記事は後ほど...です。

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昨日のエントリーneonさんがコメントを残してくださり、そのなかで『そう言えばお茶の水の聖橋口すぐに、「まいまいつぶろ」という、昭和29年創業のトリスバーがあったのですが、つい最近閉店の張り紙が出ていて、なくならないうちに写真撮りたいと思っています。』とお書きになっていました。それだけでも、「これは撮っておかねば...」と思っていたのですが、今日(4月10日)の昼頃に『もう「まいまいつぶろ」の2階が取り壊されている』という知らせをいただきました。これはイケません。しかもcenさんスコッチエッグ♂さんwakkykenさんからも「撮っておいてね」的コメントをいただいています。お茶の水であれば、ウチからは歩いて行ける距離。ちょっと雨がパラついてはいましたが、大急ぎで出動することにしました。
現地に着いてみると、もう取り壊し作業は進んでいて、2階の床も無く、建物内部はガランドウ状態でした。が、外観はどうやら現役時の姿をとどめているようでしたので、即座にシャッターを切りはじめました。そして、10回ほどシャッターを切ったときに、ついに、グリーン地に黄色い文字「まいまいつぶろ」と書いた看板がグラリと傾きました。その状態に気づいた鳶さんが、建物から出てきて、その人の手で、看板が取り外されました。
しかし、ここは、お茶の水駅に沿って建つバラックの一画ではありますが、広い堀割の土手の上に建っているわけですから、2階の窓からの眺めはさぞかし...でしょうね。夕方、開店間際のこのバーの、屋根裏のような2階から、茜色に染まる空を眺めてみたかったな〜という感じがしてなりません。昔、この並びに茜壺という喫茶店がありましたが(今でも在るのかな?)、その2階からの眺めが素晴らしかったことを思うとなおさらです。

【追記】トリスバー「まいまいつぶろ」につきましては、常連さんだったと思われる方の記事をご覧いただいたほうがよろしいですね。
【追記】解体作業にあたっている方にうかがうと、建物は取り壊さず、内外部を改装して (ちょいと邪魔な看板にあるとおり) カレー屋さんになるそうです。
【場所】千代田区神田駿河台4丁目あたりです。

上野の昔々バー

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ここは感覚的には湯島ですが、住居表示では上野1丁目です。見ての通り、煉瓦造りの蔵を改装してお店に仕立てたものです。この写真からは店名が読み取れないのですが、ここは以前にも通りかかったことがあり、写真に撮っていました。それを見ると、店名は "Once Upon A Time" となっています。
どんなお店か?と思い、googleで検索してみたのですが、予想に反して、なかなかヒットしません。が、どうやらバーらしい...ということが分かりました。そこで、もう一度、以前に撮った写真を見てみると、それには、電飾看板が写っています。が、今日撮った写真を見ると、その看板が取り外されています。もしや、文字通り、Once upon a time....なんてことになったのでしょうか...。
衛星放送のアンテナや電気のメーターなどが、ちょっと目障りではありますが、煉瓦造りという洋風な蔵の洋風部分をうまく活かしたお店だな〜と感じさせられ、一度は入ってみたいと思っていましたが、その機会が失われたようで、ちょっと残念です。で、とにかく、記録として全景も撮ってきました。月も出ていて、なかなか印象的でした。

【場所】台東区上野1丁目あたりです。

根上げバラック

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ここは東池袋です。再開発の波は、都内いずこも避けられません。この辺りもその例に漏れず、中規模マンションがかなり目につきます。が、ちょっと裏通りに入ってみると、あっと驚くような古い家が残っている界隈でもあります。
この写真を撮った場所は、商店街の裏手で、地上げのあとなのか...歯が抜けたようにあちこちに空き地がありました。そして、波形トタンで応急処置した古屋の姿が目につきました。
僕が立っている場所は、こういった空き地利用の定番・駐車場です。したがって、通常は、こうして、この家の全体を見ることはできません。が、この時は、運良く、この家の前にクルマが停まっていませんでした。
ちょっと信じられない状況です。家の真正面に大樹がそびえ、その根が、この家を地下から押し上げているようです。根元の盛り上がり方には凄いものがあります。いかにもパワフルです。これでは、家はたまったものではありません。
もう誰も住んでいないのかな?という感じですが、まだ、はっきり読める表札もありましたし、なんとなく生活の匂いがしなくもありません。つい最近まで現役だったのでしょうか...。ま、どちらにしても、樹をとるか家をとるか...という問題に悩まされながら住んでいらしたのでしょうね。これだけの大樹になると、処分するだけでも大変な費用がかかります。こうなってしまっては、もう人が逃げるしかなさそうですね。
しかし、このバラックそものもは、風化具合もよろしく、スキッとしていて、なかなかのものでした。好み(^^; 根上げさえなければ...という感じです。

【場所】豊島区東池袋5丁目あたりです。

変なポケパーク

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東池袋にあったポケットパーク集です。しかし、どれをとってもちょと変ですね。いったい、誰のためにどういう目的で造ったものやら?という感じです。東池袋という、戦火を逃れた古い家屋なども残る下町的な雰囲気からは、ちょっと浮き上がった感が否めません。
左のポケパークは、大塚から東池袋に抜ける道沿いに連なる「日出優良商店会」なる商店街の一画に突然現れます。商店会の「日出」から太陽を連想してデザインしたものでしょうが、これはなかなか鮮烈です(^^; 太陽の手前に据え付けられた椅子やテーブルが、月や星になっているというコーディネイト振りです。ま、できたら遊園地のなかに造ってよ、という感じです。
中央のポケパークは、住宅街のど真ん中にありました。なんとフェンスが富士山になっています。手前右に見えるのは、ごく薄い...何と言えばよいのでしょうか...造作物(^^;です。なんと、このなかに棚が造られていて、そこに本が並んでいました。雨が降ったら完全に濡れてしまうでしょうに...。ここは、左手に(写真には写っていませんが)、細い鉄骨で造った、鳥居を連想させる赤いゲートもあり、思わずお稲荷さんを探してしまう雰囲気でした(^^; お稲荷さんは不在でしたが...。
右のポケパークは、「日出優良商店会」からちょっと入った通り沿いにありました。なんと「日光広場」だそうです。もう負けそうです(^^; 脱力です。コンセプト(能書き)については、もう書く気力もありませんので、こちらをご覧ください。日本庭園の精神を現代に活かしてみました...とでもいうのでしょうか(^^;
いや〜世の中いろいろですね〜。このポケットパークたちには相当に度肝を抜かれてしまいました。

【場所】豊島区東池袋5丁目あたりです。

ここは新宿区の荒木町です。スリバチ学会では、三方を台に囲まれた谷戸地形をスリバチと呼んでいますが、時に四方を台で囲まれた地形を目にすることがあります。それを真性スリバチと呼んでいます。この荒木町はその真性スリバチ地形の典型です。写真から、その様子がいくらかお分かりいただけるか?と思います。また、スリバチの規模が小ぢんまりとしていますから、その地形の把握・体験にはもってこいの場所と言えます。
さて、この真性スリバチ地形ですが、元々は谷口(開口)のある谷戸だったものを、江戸期に、ダムを造って谷口を閉じたことにより、出来上がったものだそうです。それは地形図を見るとうなずけます。
ここは、まさにスリバチ状になっていて、四方が急な斜面になっています。にも関わらず、そこを雛壇のようにして、お店や民家が肩を寄せ合うようにして建ちならんでいます。そして、その間を縫うように階段路地が這い回っています。しかも、スリバチの底には、いまでも池があり、そこに津の守弁財天が祀られています。これにはドッキリです。濃密です。絶好のアースダイビングスポットでもありそうです。

参照用に、以下に地図を掲載します。左から、地形図・現在の地図・江戸期の地図です。青丸で囲ったところが荒木町スリバチです。余談ですが、江戸期と現在の地図を見比べると、荒木町周辺の町を通る道が、江戸期そのままですね。ちょっと驚きませんか?


■関連エントリー:荒木町階段路地景 / 荒木町段坂路地景 / 荒木町坂道景 / 荒木町界隈凸凹地図 / 段路地の粋

【追記】地形図には「数値地図5mメッシュ(標高)」とカシミール3Dを使用。地図には『三層 江戸・明治・東京 重ね地図 』[(株)APPカンパニー]を使用しました。
【場所】新宿区荒木町あたりです。

【お詫び】4月12日の早朝、カテゴリーに関する作業中に、誤って、このエントリーを削除してしまいました。同時に、皆様から頂いたコメント&トラックバックも消失してしまいました。エントリー自体は回復できたのですが、お寄せいただいたコメントは回復できませんでした。たいへん申し訳ないことをしてしまいました。コメント下さった方々、ほんとにほんとにすみませんでした。何かコメントを回収する方法があれば、ぜひ教えてください。宜しくお願いいたしますm(__)m
このお願いに対し、CozyさんiGaさんが、キャッシュに残っていたコメント群を回収し、送付してくださいました。それを元に、コメント欄の復元ができました。Cozyさん、iGaさん、本当にありがとうございました。大感謝です。

まったく拙サイトらしくもないエントリーですが、ついに…と言うのか、とうとう…と言うのか、Mac上でWindowsが作動する日がやってきたようです。今夜、Appleのサイトで、Boot Campというソフトが発表されていました。これは、インテルMacにWindows XPのインストールを可能にするものだそうです。まだベータ版での配布ですが、次期Mac OSX レパードでは、これが標準装備されるようです。
僕も、Mac ファン&ユーザーではあるのですが、Windows 上でなくては作動しない重要なソフトも多く、最近は Windowsマシンばかり使っていました。が、いよいよ、Apple社製のマシンで、Mac と Win を選択して起動する日が近づいてきたようです。やはり、なんだか嬉しいです(^^; この日を待ち望んでいたようなところがありますし…。
でも、ここまで来たのなら「VAIOでMacが作動する」なんてことも可能にすべきだと思います。Appleにはその程度の度量があっても良いのでは?って思うのです。何を隠そう、現時点では、Win & Macダブルブート仕様にしたSONY VAIO type T でモバイルしたいのです。 [←あくまでも"現時点では…"です!]



先日、携帯が鳴り、誰か?と思えば、声の主は玉井さんでした。「麻布の谷戸を歩こうと思うが、都合はどう?」という内容です。あの元麻布の谷戸歩きなら何度でも大歓迎です。ということで、早速、行動に移すことになりました。
地下鉄で麻布十番駅まで行き、地上に出ると、突然、玉井さんがあらぬ方向に歩き始めます。何だ?と思っていると、玉井さんが、ある洒落たブティック(左写真)の内に消えてしまいました。そして、店内から顔をのぞかせ、「こっちへ来い」と手招きを...。近づいてみると、そこには、にこやかな笑みを浮かべた、美しい女店主が立っています。う〜ん、これはどう見ても妖しい。おそらく魔女だな...と警戒しながらも、玉井さんと一緒だから、ま、いいか...と思い、雑談などしていると、「仙台坂の下には、昔は長屋があって、雑色(雑式)と呼ばれていた」とか、「狸坂下の長屋って風情がある」などと、とても魔女とは思えない言葉を口にします。それが、実は、耳当たりのよい呪文だったようです。それから玉井さんと僕の、思いもかけない冒険が始まってしまたのですから...。

今日は手抜きさせてください。トマソンです。富士山です(^^; 早稲田弦巻町の裏通りにそびえていました。なかなか立派でした(^^;
この写真、自分でも、まさかエントリーしようとは思ってもいませんでしたが、見てるうちにだんだん味が出てきて、ついにアップしてしまいました。どうか呆れないでください(^^; 明日から、また真面目に取り組ませていただきますから〜。

【追記】コメント欄では、深夜に再放送されたフジTVの番組「アースダイビング」の話題が出ています。
【場所】新宿区早稲田鶴巻町丁目あたりです。



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