芝浦バラック

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羽田空港へ行く用があり、浜松町からモノレールを利用しました。モノレールは、運河の上や、埋め立て地に建つ大型倉庫や工場、超高層マンションの間を縫うようにして走るため、車窓からの眺めは、ダイナミックであると同時にかなり大味に感じられます。

そのなかにあって、周囲の建物とは、匂いもスケールも全く違う一画があります。そこには、古びた、小さなトタンの家が肩を寄せ合って並んでいて、モノレールに乗るたびに「おっ!」と気になっていました。

そこで、羽田からの帰りに、京急線を利用し、三田駅で乗り換えるついでに、その一画へ行ってみることにしました。場所は特定できていませんでしたが、モノレールに沿って歩けば問題なくその場に出るはずです。そんな調子で歩くこと約10分。難なくその一画に到着しました。

現地に立つと、モノレールから見おろすのとは違い、屋根の錆などが見えなくなりますから、想像したほどの凄さはありませんでしたが、今となっては、トタンのバラックがこうして横一列に並ぶ例は、他でもなかなか見られるものではなく、さすがに見応えがありました。しかも、よく見ると、左3軒と右3軒が対称になっています。が、完全に対称ではなく、中央の2軒は、間口の広さが半間ほど違っています。両端の家の屋根の角度も左右で違いますし、中央の2軒以外も間口が微妙に違うようです。

なんだか、この姿になるまでには、いろいろと物語が積み重なっていそうですね。しかし、周囲は高層ビルばかりという環境のなか、よくもこの姿で残っていたものです。

【追】より大きい画像を追加しました(2015年9月)。

【場所】港区芝浦4丁目あたりです。

コメント(12)

masaさん こんにちは! 一番右とその左隣の2軒の屋根のつながり方がなんともいいですねえ。 まるで左が兄貴で右の弟の肩を抱いているようです。 (一瞬 右と左がまたしても不確かになる私でした)

>いのうえsan
あ、さすがにビミョーな点に着目なさいます。確かに、角度に絶妙な味があり、仰るように、肩を抱いているように見えてきます。兄弟、こうありたいものです(^^;

いのうえさんにそう言はれてみると、右二軒は仲が良さげなのに左へ行くに従い我をはってそうです
末っ子(?)の左端に至っては屋根の形まで平で兄弟とは違いますね
辺りを偉そうにした新人高層建築に囲まれ
せっかく生き残ったのに仲良うせにゃー

左端の瓶のコーラの販売機が懐かしい形をしております
自販機は右に行くに従い新しいタイプになってますね

>GG-1さん
周囲のすました高層ビルに比べると、バラックには、やはり擬人化して話したくなる豊かな表情がありますよね。可愛らしいし…(^^;
左端のコーラの自動販売機2台は、色褪せて良い味してましたが、もう現役ではありませんでした〜。どういう理由で置いてあるものやら?です。

masaさん、こんにちは。たしかに、「よくもこの姿で残っていたものです」って思うことがよくありすよね。こちの皆さまは、お商売も、もうされていないようですし、自販機さえも現役でないとすると、「長年生きて暮らしてきた土地から離れたくない、ここを終の棲家にしたい」とお考えの高齢者の皆さんがお住まいなのかな・・・などと想像しました。一番左の自販機は懐かしいですね〜。瓶のコークを冷やすやつですかね。たしか、栓抜きがついていて・・・

>wakkykenさん
この写真を撮っている最中に、港区の高齢者支援施設のバンが停まり、そこから高齢のご婦人が降りていらして、このうちの1軒に入っていく姿を目にしました。
すべて想像ですが、生活は年金と自販機だよりか?と思います。しかし、ここは港区ですから、固定資産税なども高額でしょうしね。ささやかな支援を隠れ蓑に、行政が追い立てているように見えてしまいます。

masaさん。その女性は、高齢者支援施設のバンで、デイケアからお帰りになってきたのでしょうね。やはり、高齢者の方がお住いだったのですね。都市の中心部にお住いになっている高齢者の皆さん、さらには経済的に弱い立場にいらっしゃる皆さんのばあい、高い固定資産税ってどうなっているんでしょうね・・・。都市の景観から、社会の問題や矛盾が見えてきますね。

>wakkykenさん
仰るとおりデイケアからお帰りになったところだと思います。通りの反対側にお住まいのご婦人(やはりご高齢)にうかがったところでは、このあたりは借地ではなく、大方が個人所有の土地だそうす。ですから、固定資産税は何とか負担なさっているのでしょうね。税金算出のための地価って異様に高いですから…なかなか大変だろうな〜と思います。
風景から(宮本常一さんではありませんが)いろいろなことが読み取れますが、wakkykenさんのスキャナのような(^^;読み取りをなさる方は、やはり少ないですよ。

東京の実態をよくしりませんが、masaさんがお書きになったようすからすると、東京(特に下町?)は借地が多いということでしょうか。そのなかでも、個人所有が多いということは、この地域が何かわけがあるのでしょうね。ところで、スキャナですか・・・なんだか複雑な気持になりますね〜(^^;。スキャナのようだとして、それは『Kai-Wai散策』を9ヶ月程経験しているからに違いありません。

>wakkykenさん
長屋の目につくところは、どうも借地が借家が多いですね。上記したご婦人のお話によれば、戦後のこのあたりは凄く荒れた(いろんな意味で)土地だったそうです。きっと、所有していても借り手もつかないような、値段のつけようがない土地だったのでしょうね。そんなことから、逆に個人所有が多いのか…と想像します。この辺りは微妙な問題で、偶然しかも初めてお会いした方に突っ込んで尋くわけにはいきませんでした。
いや、wakkykenさんは、dpiの設定まで可能な高性能スキャナ振りには参ります(

少し調べてみましたが、戦後のこの地域のこと、わかりました。masaさんのご推察、よく理解できました。しかし、こんなマンションや高層ビルがたつようになると、そんな戦後の歴史さえもどこか吹き飛んでしまいますね。

>wakkykenさん
さっすがにお調べになるのが早いですね〜。ほんとに土地の記憶が抹殺されますね。その記憶が、一般に負とされる場合は、消した方が良いのか?悪いのか? 僕には判断がつかないのですが、その前に、現実のほうが、とにかく動いて行ってしまいます。でも、そこから、様々なギャップが生まれることは確かですよね。



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