2006年11月アーカイブ

三ノ輪夕暮れ

| コメント(12)

この場面に遭遇したのは、台東区の竜泉辺りを歩き、日が暮れて、三ノ輪駅に向かっているときでした。もうそろそろ、日光街道に出るかな…という辺りで、向こうの暗がりから、男の子が2人、こちらにやってきます。が、僕から20メートルくらいの距離になったときに、歩を止め、なにやら話をしています。そして、今度は、かなり急ぎ足になって、僕のそばを通過してゆきました。
もしや…彼らの目には、人影もまばらな三ノ輪の夕暮れ時に、あてもなさげに歩いている僕が、そうとうに怪しげに映ったのかもしれません(^^; もしも、急ぎ足になった理由がそれだったら、可哀想なことをしてしまいました。きわめて安全なオジサンなのに…(^^;
しかし、こんなことでも、後日、彼らにとっては、そこそこの冒険談になるのかもしれません。「向こうから怪しいオジサンが来てさ…逃げなかったら襲われてたかも…ヤバかったんだから〜」なんて感じで…。でも、いまは、そのくらいに警戒心が強くないと、本当に危ない時代なのかもしれません。
でも、三ノ輪では、暗くなってからも、思っていたよりも、子供の姿を目にしました。「お好み焼き」の看板を掲げた駄菓子屋さんの店先などは、子供で溢れていました。ここら辺りにはまだ、「路上が遊び場」という感覚が、いくらか残っているようです。

【場所】台東区三ノ輪1丁目あたりです。

先日、東急目黒線の武蔵小山駅で降りる機会がありましたが、駅周辺は再開発工事の真っ最中でした。それとシンクロするかのように、駅からほど近い、目黒区と品川区との境界付近でも、道路の拡張というよりも建設と言ったほうが良さそうな工事現場がありました。地図によっては、すでに、その建設予定道路が破線で示されています。どうやら、この道路を真っ直ぐに延長し、西五反田を通る、かむろ坂通りにつなげる計画のようです。
今日の写真は、その道路建設が行われている現場に立ち、西五反田方面に向かって撮ったものです。ここでは、住宅密集地帯に、強引に直線を引こうとした結果なのか、必要な道路幅以上と思われる土地が空いていたり、当然道路になりそうなところに家が建っていたりと、目の前に広がる風景が、なんとも中途半端です。据わりの悪い風景とでも言うのでしょうか…。
実際には、ここは意外に交通量が多く、車が頻繁に通ります。人影も、思うよりも目にします。すると、そちらに注意が行くせいか、据わりの悪さがいくらか緩和されるから不思議です。が、車と人影ともに視界から消えると、突然に、据わりの悪さが目につきはじめ、同時に、荒涼とした殺風景な素顔が現れます。一気に、何らかの事情で住人が消えた町…に変貌です。もうクールなんて言ってられない冷え冷え具合でした(^^;

【場所】目黒区目黒本町3丁目あたりです。

先日、自分への備忘も兼ねてお知らせした、銀座エルメスでの写真展「木村伊兵衛のパリ 」に、今日の午後、行ってきました。すでに行っていらした方のエントリーから、およその雰囲気は伝わっていましたが、実際に会場に入り、テーブルの上にずらりと並べられた、昔のパリの写真 約100点を目の前にすると、さすがに圧倒されます。

会場には、協力者として、田沼 武能氏(先日、朝日新聞社から発売された『木村伊兵衛のパリ 』の監修者のおひとり)と川畑道直氏のお名前が記載されていました 。そして、展示されている写真は、カラーポジをデジタルデータ化し、キヤノンのインクジェットプリンタで印刷されたものだということです。

ま、しかし、そんなことはさておき、写真は、どれも素晴らしいの一語に尽きます。それ以外に言葉がありません。しかも、会場は、まるで、ひとり貸し切り状態です(^^; 落ち着いてじっくりと鑑賞することができました。

【追記】関連エントリー:パリのアコーディオン弾き
【場所】中央区銀座5丁目あたりです。

蔵前のバラック

| コメント(10)

蔵前に残る、古い平屋の看板建築です。僕の背後には、建物が建っていますが、そのまた後方は、もう隅田川です。きわめて川に近い場所ということになります。
かなり古びています。いつ消滅するか?ときがきではありません。この建物、以前から気になっていたのですが、平日に前を通ってみると、とかく、車が停まっていたりして、なかなか思うように撮れませんでした。
で、今日、たまたま通りかかると、この界隈は、もう死んだように静か…。人の姿も車の影も見えません。しめしめです(^^; 生憎、いまにも雨が降ってきそうな曇り空で、光の具合はいまひとつでしたが、ま、邪魔物が無いだけでも…ということで撮ってきたのがこの写真です。
ところで、この建物ですが、この近所で菓子屋を営むご婦人から、「元々は染色屋さんだった」と聞いた記憶があります。隅田川縁という立地から考えても、ありそうな話ですね。
もひとつところで、先日岩波書店から発売された、田中長徳さんの『トウキョウ今昔』にもこの建物の写真が掲載されています。

【場所】台東区蔵前2丁目あたりです。

目黒のバラック

| コメント(2)

昨日のエントリーで、「目黒を歩いているときに、…現れました。バラックが寄り集まっている一画が…」と書いて、そのままというのも何ですから、今日は、その一画で撮った写真をアップしました。
この辺りには、戦災で焼け野原になったところに、戦後間もなく建てられたという建物が、奇跡的に残っていました。今日の写真は、そのうちの1軒です。長屋の一部ですが、こちらには、大工さんが住んでいらしたそうです。が、雨漏りなどがひどく、ついに引越なさった…ということでした。細部をよく見ると、住人が大工だったことを裏付けるように、凝った細工が施されている箇所もありました。
写真に撮った側は、まだしっかりしているように見えますが、左に伸びる路地から見ると、もう相当に疲れていることがわかります。これでは引越もやむなし…という感じはします。
が、この家の周囲には、まだ人が住んでいらっしゃいますし、その方々が、鉢植えの手入れなどもなさっているせいか、空き家だと伺っても、そういう感じがしません。いまにも住人が帰ってきそうな雰囲気がありました。そして、どことなく、毅然としたものを感じました…。

【場所】目黒区目黒本町あたりです。

無計画緑化ハウス

| コメント(20)

所用で目黒区に行ってきました。目黒区内とはいっても、場所により、うちからは、東急目黒線乗り入れの三田線を利用し、品川区北端にある武蔵小山駅で下車して歩いたほうが、乗り換えも無いので便利だったりします。
所用と言っても、人と待ち合わせているわけでもなく、時間については融通がききます。したがって、例によって、裏道に入り込み、嗅覚頼りにウロウロしながら目的地を目差しました。
すると、現れました。バラックが寄り集まっている一画が…。目黒にも在るんですね〜、トタンを多用した建物が残っているところが…。ほんとに、人が住んでいるところは、台地だろうが低地だろうが、実に、僕らを楽しませてくれます。
そんなわけで、その一画から道1本隔てたところで撮ってきたのがこの写真です。なんと、屋根から切り妻部分まで、発砲スチロールや素焼きの鉢植えがびっしりと並んでいます。壁面は言うに及ばず…です。右側には藤まで這っています。ほんとにお好きなんでしょうね、植物が…。
ここまでくると、意図しなかった屋上緑化効果が期待できるのではないでしょうか(^^; そもそも、発砲スチロールがこれだけ並ぶと、それだけでも断熱効果がありそうですし…(^^; なにしろスゴイですね、全身毛だらけ…というふうにも見えて…(^^; これは大いに気に入りました。

【場所】目黒区目黒本町あたりです。

心配されていたお天気も味方した勤労感謝の日に、総勢18名(子供1人)+2名による、アースダイビング Take the "A" Tram が決行されました。この催しの主旨は、都電荒川線 (The "A" Tram)に乗って、武蔵野台地の凸凹をダイナミックに体感。途中、飛鳥山と三ノ輪橋で下車し、徒歩で、音無川の旧川筋を辿りながら、建物の下や地底に横たわる、かつての東京の素顔を探り、その残り香や気配を感じ取ろう...というものでした。

参加者は、AKiさん玉井さん、吉松さん(ダイブ組長老)、iGaさんじんた堂さん河さんneonさんGG-1さん酒井さん小野寺さんKokiさん3Gさんりりこさん(途中リタイア)、池ノ内さん(途中リタイア)、fuRuさん(途中合流)、カークさん(途中合流)、cenさん(桜橋待ち受け合流)、yukiりんさん(もんじゃ指南合流)という豪華な顔ぶれになりました (+masaです)。
そして、本来参加なさる予定が、体調不良やご多忙につき、残念ながら未着となった方に、わきたさんいのうえさん栗田さんがいらっしゃることを付け加えます。[またそして、実は、今回、この方にもご参加いただきたい...なんて思っていたのですが(^^;]

というわけで、当日の行動を、GPS受信機が記録したデータを掲載しておきます。トップのサムネイルをクリックすると表示されるのが、今回のダイビングの軌跡です。が、都心は電波の障害物が多いため、途中、GPS受信機と衛星との交信が途絶えることがあります。そして、交信が途絶えた点と再度交信が始まった点は、直線で結ばれるため、軌跡が、実際のルートとかなりズレている箇所もあります(荒川線が軌道を外れて走ったりします(^^;)が、ま、ご勘弁ください。およそのルートはお分かりいただけるか...と思います。とにかく、この線(軌跡)は、アナログに移動することでしか引けません。そう思って見ると、貴重な美しい線に見えてきませんか?(^^; また、距離や時間、高低については、以下のようなデータが残りました:
・総移動距離22km
・移動時間3時間 / 停止時間4時間
・GPS表示高度:早稲田 3〜4m / 雑司ヶ谷駅 29m / 王子(名主の滝崖上) 26m / 向島 マイナス1〜2m

以上、ざっとですが、第4回アースダイビングの結果報告です。

30年以上前に、パリのモンマルトルで撮った写真です。とても懐かしい写真です。どうして、こんな写真をアップしたかと言いますと、先日、銀座を歩いている時にこんな電飾看板を目にしたからです。
つい先日、朝日新聞社から、『木村伊兵衛のパリ』という写真集が発売されたばかりですが、それと歩調を合わせるように、なんと、銀座エルメスで、同じタイトルの写真展がおこなわれる...というのです。看板には、以下のように記載されています。

木村伊兵衛のパリ
2006年10月28日(土) - 2007年1月21日(日)
11:00 - 19:00 (入場は18:30まで)
会期中無休 (但し 11/15, 12/30-1/2, 1/17は除く)
入場無料
メゾンエルメス8階フォーラム

なんと入場無料です。さすがじゃ...太っ腹エルメス(^^; ま、無料ですから、展示される点数は、有料の写真展ほど多くはないかもしれませんし、協賛などの記載もありませんので、どういう素性のプリントが展示されるのかも分かりません。が、もしや、先日発売された写真集に絡むプリントを展示...ということもあり得そうです。いずにせよ、展示される写真は、木村伊兵衛さんが、1954年と1955年に、パリでお撮りになったものには間違いなさそうです。ファンならずとも、これは必見ですね。ということで、お知らせを兼ねてのエントリーでした。

【追記】関連エントリー:エルメスの木村伊兵衛
【追記】早速、じんた堂さんが行ってらしたそうです。その様子をブログ「東京クリップ」にエントリーなさっています。
【場所】パリ市モンマルトルあたりです。

雨に唄えば

| コメント(20)

I'm singin' in the rain / Just singin' in the rain
What a glorious feelin' / I'm happy again
I'm laughin' at clouds / So dark up above
The sun's in my heart / And I'm ready for love

Let the stormy clouds chase / Everyone from the place
Come on with the rain / I've a smile on my face
I'll walk down the lane / With a happy refrain
Just singin' / Singin' in the rain

Dancin' in the rain / Ya dee da da da da
I'm happy again / I'm singin' and dancin' in the rain

以上は、映画『雨に唄えば』の主題歌の歌詞です。ホノボノです。しかし、いかにも拙ブログらしくないエントリーですね。これまでで最も…かもしれません。が、実は、masaジイは、こういう図に弱いんです(^^; かなりの足元フェチなのであります(^^; 銀座にも、冷たい雨が降りつづいていましたが、それも悪くはありませんでした。

【場所】中央区銀座4丁目あたりです。

都会の暗がり

| コメント(8)

なんだか、都会から暗がりってやつがどんどん消えてゆくような気がします。とにくかく、建物自体がランプ状態のビル、コンビニや自動販売機の明かり、路地の外灯などが、都会から暗がりを奪っているようです。街を歩いている限り、懐中電灯の必要性など感じることはありません。
ここは、そんな明るい街の代表・銀座です。銀座4丁目交差点からそう離れてはいません。が、ここには、貴重な暗がりが横たわっています。まさにビルの谷間。そこに木造モルタルとおぼしき2階建ての建物が残っています。
この写真は、その暗がりから、表通りに向かって撮ったものです。建物の1階は大半が飲食店、2階は貸事務所になっているようです。どうと言うこともない使われ方です。が、こうして写真に撮って見ると、雨が余計にそう感じさせるのかもしれませんが、どことなく秘密めいた匂いが感じられませんか? 日本版マーロウの探偵事務所があったり、羊男の棲家があったりしても良さそうです…(^^;
ところで、昔から、お化けや幽霊は明るい場所を避けます(^^; やはり闇がりがなくては、彼らに居場所はありません。人間の想像力から生まれたお化けや幽霊の居場所が無いということは、もしや、人間の想像力の一部が稼働する必要がなくなり、退化しているのでは?とも考えてしまいます。
暗がりは、確かに危険も孕んでいます。昔の人が、「暗がりにはお化けや幽霊が…」としたのは、人々がそんな危険地帯に近づかないようにする智慧でもあったように感じます。
ま、そんなわけで、暗がりというものは、人間の想像力をかき立て、街に奥行きやヒダを与える重要な要素のように思えてなりません。都会にだって、あって悪くはないと思うのですが…。

【場所】中央区銀座5丁目あたりです。

空中路地

| コメント(8)

またまた大袈裟なタイトルですみません(^^; が、実は、そう大袈裟でもなんいんです...これが。
このスチール階段は、都内の、とある崖に建つ家やアパートの間を通り、崖の上と下とをつないでいます。トップの写真で言うと、僕の背後には、2階建てのアパートがあり、そのアパートを回り込むと、こんどは、こんなスチール階段が現れます。この階段をあがり、くるりと向きを変え、前方に見える階段をのぼると、崖上に出ます。う〜ん、この説明でお分かりいただけますでしょうか(^^; ま、なんとなく雰囲気はつかんていただけるとは思うのですが...。
ここ、実は、雨の日に歩いていたのですが、ここを通らなければ、崖上に出るのに相当な回り道をしなくてはなりません。「なんとなく上に行けそうだけど、途中で他人のアパートの入口ドアの前を通ることになりそうだし、やはり通ってはいけないだろうな〜」と思っているところに、トントンと、男性の2人連れが階段を下りてきます。その風体からすると、どうも住人ではなさそうです。そこで、「ここは崖上に抜けられるのですか?」とたずねてみると、「抜けられますよ。ただ、ウシガエルが2匹いるので、踏まないように気を付けて...」とのこと...(^^;。うぬ。どうやら、知る人ぞ知る抜け道のようでした。しかし、そうは言っても、頻繁に通る気にはなれないですね、さすがに...ここは(^^;

【場所】都内某所です(^^;

ジャズマン

| コメント(8)

実は、先日、初めて小道さんにお会いする機会を得ました。僕が、このブログを立ち上げた頃、小道さんは、既に、全国の近代建築を記録した、膨大なデータベースとも言うべきサイト「都市風景への旅」を運営なさっていらっしゃいました。それも、学術的です。気の向くままに町をウロつき、写真を撮り、それらを、さほど焦点の定まらないままに掲載してゆく…という、いわば "よくある" 散歩系の拙ブログなどとは接点があろうはずもない…と思っていました。が、その、あろうはずもないことが、先日、あった…というわけです(^^;
そんな出会いの余録として、小道さんが、最近、「小道的セイカツ」というブログも立ち上げていらっしゃることを知りました。で、さっそく、そちらお邪魔してみると、なんと…いきなり「強い母が4日の朝に亡くなりました」という文字が目に飛び込んできました。驚きました。が、気をとりなおして読み進んでいくうちに、とても仲の良い母娘でいらしたこと、お母様が、たいへんに料理が得意でいらしたこと、岡山でジャズ喫茶を営んでいらしたことなども知るにいたりました。そこで、たいへんに僭越ではありますが、お母様への追悼の気持ちを込めて、このジャズマンの写真をアップさせていただくことにした…という次第です。

そして、この写真は、同時に、明日16日に、大阪のBeehiveというお店でライブを行われる光代さん、そして、光代さんを紹介してくださった、やはりジャズ好きの友人アンヌさんへのエールともさせていただきます。

ところで、この手ですが、オスカー・ピーターソン・トリオで活躍したベーシスト「レイ・ブラウン」の手です。ほんとです(^^;

日本堤の平長屋

| コメント(14)

日本堤に「廿世紀浴場」という、古い銭湯があります。竣工は昭和4年(1929年)といいますから、いわゆる「震災後に建てられた」建物です。その姿が、なんとなく大正を想わせるのはそのためでしょうか...。が、今日は、この銭湯が主役ではありません。そのすぐ隣りに残っている、2棟の平屋の長屋です。今日の写真は、その長屋を表通りから撮ったものです。2棟は、2枚の写真を並べたように、左右に並んで建っています。
長屋の間は、当然、路地になっています。問題はその路地です。言葉では説明しにくいのですが、ここでは、建物がカギ括弧状に建てられています。[ ] <-こんな感じです(^^; 出入り口が絞られています。それが功を奏し、この路地は、路地でありながら、なんと中庭感覚があるのです。しかも、両側の建物が平屋であるため、そこは、路地という言葉の響きからは想像できない明るい空間になっています。そして、素晴らしい路地園芸の世界にもなっています。こんな感じです。お住まいの方によると、「このツツジが満開の頃、女優の島田陽子さんが和服の撮影にいらした」とのこと...。さもありなん...という感じです。
この奇跡的に残っている平長屋ですが、これは「戦災で焼けなかった建物」だということです。やはりこちらにお住まいの高齢のご婦人お二人にうかがった話しですから、間違いないと思います。ということは、この長屋は戦前の建物です。すぐ隣りの「廿世紀浴場」の竣工が昭和4年ということですから、もしや...もしや...ですね。

【追記】余計なお世話かもしれませんが、「廿世紀」=「二十世紀」です(^^;
【場所】台東区日本堤1丁目あたりです。

錆びた翼

| コメント(16)

南千住1丁目に、古い立派な酒屋さんの建物が残っていました。隅に自動販売機が置いてはありましたが、もう営業はななさっていないようです。かなり大きな、しっかりした建物ですし、看板などにも趣向が凝らされていて、「昔はさぞかし…」という感じがします。栄華が忍ばれる…というやつですね。
その建物の端に、建物とは不釣り合いなトタン屋根が突きだしていました。本来の使用目的は不明ですが、いまは、その下が自転車置き場になっていました。
もちろん、建物自体にも惹かれましたが、妙に惹きつけられたのが、その突き出たトタン屋根の部分でした。これが、この建物の翼に見えてしょうがないのです(^^; そして、それが、この建物のいまを象徴しているようにも感じられます。ひと頃は、この翼が、上下に、力強く羽ばたいていたのでは?と空想してしまうのです。それが、いまでは、力尽きて…。回復する見込みのない、錆びついた翼を、じっと休めているように見えて仕方がありませんでした。ちょっとユーモラスではあるけれど、やはり哀しい…ってやつですね〜。

【場所】荒川区南千住1丁目あたりです。

GINZA - 1

| コメント(10)




昨夜、持ち運び用のパソコンのスイッチを入れ、なんとはなしに拙ブログにアクセスしてみると、なんと、なんと、写真が、どれもこれもお煮染め色(^^; 「真っ黒〜」ではありませんか...。とにかく、全体的に暗いですね〜写真のトーンが...。ま、ピカピカした所は避けて歩いていますし、東京って、そういう色をした町がそこらじゅうに在る、ということでもあるんですけどね。ということで、今日は「Kai-Wai 散策を明るくする日」にいたしました。とは言っても、そう明るくもありませんが...(^^;

すべて銀座で撮った写真です。が、僕の場合「写真を撮りに銀座へ」ということは、まずありません。出たついでにちょこちょこと撮ってあったものからピックアップしたものです。しかし、こうして切りとって見ると、けっこう古い歴史のある美しい街に見えませんか? もうひと息なんですね...この街も。そのもうひと息が詰められないのが東京...という気もしますが...。

左の写真は、昨年末に完成したミキモトのビルです。これは、青山のTOD'S ビルの設計者・伊東豊雄氏によるものだそうです。特徴あります。中央の写真は、ブランドD&G のショップがまだ工事中だった頃に撮ったものです。ガラスに映りこんだビルや葉を落とした木、外灯などが、紗をとおして見ているようで、直接見るのとは随分イメージが違っていました。右の写真は、言わずと知れた、銀座四丁目の和光の階段踊り場から撮ったものです。このフレームはさすがに凄いですね。見える外の風景が完全に負けています(^^;

【場所】中央区銀座あたりです。

南千住1丁目 (2)

| コメント(16)

南千住1丁目あたりに這っている路地です。もう、理屈も何もありません。家と家との間にやっと隙間が残った…というだけのことです。圧倒的です。この場に立っているだけで、なんだか息がつまります。空間に、哀しみがあふれているように感じます。

でも…実は…です。ここには、きっと、思いの外ほがらかな暮らしがあるのだろうと想像します。例え借地であろうが借家であろうが、この地に根を張った…健気な…。もしも、そうでなかったら、この路地は、とうに消えていたような気がします。

【場所】荒川区南千住1丁目あたりです。

小岩村景

| コメント(6)

小岩駅の南口は、駅前がロータリーになっていて、そこから数本の通りが放射状にのびています。どの通りも商店街になっていて、それなりに賑わいを見せています。が、先に再開発の進んだ北口の大型店舗などに押されるのか…なかには廃業寸前といった雰囲気を漂わせている店もチラホラ見かける状況です。ま、これは、古くからの町では、よく目にする状況ですが…。
そんな繁華に見える通りですが、そこから、左右どちらかへちょっと路地を入ると、商店も点在してはいますが、もう住宅街と言ってよい町がひろがっています。すでに、そこに建つ家の多くは、新建材の家に置き換えられていましたが…。
今日の写真の家は、そんな住宅地のなかに、ポツリと、時代を錯誤したように (実は、まわりのほうが錯誤しているのかもしれないけれど…(^^;)、建っていました。なんだか、畑や田の匂いを感じさせます。この辺りが、まだ「小岩村」と呼ばれていた頃には、こうした家が主体の集落が、田や畑に囲まれた風景が広がっていたに違いありません。
ところで、僕が立っているのは、狭い、路地と呼んでもよさそうな道ですが、この地の古い酒屋さんの話では、「これは古くからある道で、昔は、ここから、市川駅 (江戸川の対岸) に停車している汽車の煙が見えた」とのことでした。また、「この道端に縁台を出し、将棋をさしながら汽車を待ったそうだ。そして、汽車の煙が、江戸川の鉄橋に差し掛かった頃、腰をあげ、小岩駅に向かうと、ちょうどその汽車に間に合った」とも…。長閑な農村だったようですね、小岩あたりは…。

【場所】江戸川区南小岩6丁目あたりです。

ど う ぞ っ ...

| コメント(38)

ここは、三ノ輪ジョイフルというアーケード商店街の外れを、ちょっと路地に入ったところです。提灯がさがっている店は、カラオケを中心にした飲み屋さんです。飲まない歌わない僕(^^;には、およそ縁のない世界です。が、今日は、その縁のない世界から...です。そして、今日の写真は添え物のようなものです(^^;

で、話はここからです。このあたりまで来た頃には、もうすっかり暗くなっていました。そろそろ戻ろう...と、きびすを返したのですが、そのまま商店街を戻るのも芸がないので、裏道に入りました。そこで目にしたのが、この飲み屋さんでした。長屋の一部を改装し、いかにも下町を売りにした感があります。しかも、看板のうえには、朱の蛇の目傘がかざしてあったりと...。「オイオイ」というタイプのお店です。が、この店に近づいたときです。店のなかから、「わたしも頑張る」という女性の声が聞こえてきました。かなり大きな元気な声です。「ん?」と思い、店を横目で見ながら、歩調をゆるめて歩いていると、なかから、和服を着た女性がなにやら唄いながら出てきました。そこでバッタリと目があいました。鉢合わせ...というやつですね。女性は、唄うのをやめ、一瞬の笑みを浮かべたかと思うと、すっと笹竹の鉢のそばにじゃがみ、ちょちょっと手を入れはじめました。その一連の動きに何とも惹かれるものがあります。艶っぽいけどけれん味がない...とでも言ったらよいのでしょうか...。そして、次ぎの瞬間でした。その女性の口から「ど う ぞ っ ...」という言葉が発せられたのです。この「ど う ぞ っ ...」が大問題なのです(^^; これが、どうしても、文字や音符では表現できないリズムと抑揚、間合いを持っていました。その「ど う ぞ っ ...」は、たったのひと言ですが、実に、唄っていました。ギュッと何かの急所をつかまれた感じです。越路吹雪の「どうぞ、忘れないで...♪」の「どうぞ♪」を遙かに越えていました(^^; 僕が飲めるやつだったら、「じゃ」ということになっていたに違いありません。今頃、こうしてブログにエントリーなんかしていなかったでしょう(^^; ま、とりあえず、「ありがとうございます」とだけ言葉を返し、短くなった後ろ髪(^^;を引かれながら帰ってきました。

【場所】荒川区南千住1丁目あたりです。

南千住1丁目

| コメント(8)

今日も南千住からです。アーケード商店街の両脇にひろがる暗闇(^^;からです。
昔は、辺りがある程度暗くなると、三脚を持っていないかぎり、「もう無理だな…」と、引きあげたものですが、デジタル一眼レフに切り替えてからというもの、暗くなっても町を歩いていることが多くなっています。
昼間は、太陽が光源ですから、町全体が強い1灯に照らし出されているようなものです。が、夕方以降は、人工照明が主役にまわるため、町の思わぬところが思わぬ方向から照らし出され、昼間は目に入らなかった場面に気づかされることがあります。特に、太陽と人工照明が入り混じる時間帯は、光りのバランスが刻々と変化し、町が、何ものかに脱皮する場面に立ち会っているような気さえします。「そうか…そんな所に居て、そんな表情もするのか…」という感じですね。

ということで、写真の説明を簡単に…。左の写真は、アーケード商店街から伸びる路地を20メートルほど入ったところで撮ったものです。昼間のように明るい商店街のすぐ裏手で、こんな光景に出会おうとは思いませんでした。もう無人の家もあり、まだ現役の家もあり…という地帯が広がっていました。中央の写真は、荒川線の三ノ輪橋駅近くのビル1F部分の通路で撮ったものす。このビル、元々は、王子電気軌道 (荒川線の前身)の本社ビルということですが、その通路に、新聞や雑誌を売る店があり、高齢のご婦人が店番をしていました。細々と…ですが、商品がキチンと並べられ、清潔感があるのが印象に残りました。右の写真の建物は、左の写真を撮った位置からそう離れてはいません。看板には「君島酒場」とあります。2階の壁面が総トタン。魅力があります。もう営業はなさっていないようです。遠からず取り壊されるのでしょう。惜しいですね…。

【場所】荒川区南千住1丁目あたりです。

N的看板建築

| コメント(10)

ブログの連鎖エントリーです。このところ近隣ブログでは、ぽつぽつと、第四回アースダイビングが話題にのぼりはじめています。そんなことから始まった連鎖で、neonさんのブログに「南千住のブルートタン」なるエントリーがアップされました。その看板建築の姿が素晴らしく、泣けてきます(^^ が、neonさんのお撮りになった写真を拝見しても、「この建物、見たような…見たことのないような」という感じです。南千住あたりは、昔、けっこう歩いていたんですけどね〜。と、まあ、そこでいったん話は終わるのですが、それが、今日、南千住を歩いているときに、偶然に、その建物に出くわしたのです。「あっ、コイツだ!」と、しばし独りで興奮(^^; ということで、その看板建築の、今日の勇姿(^^;をアップすることにしました。
この看板建築、実は、銅板張りですが、なんと、ブルートタンで補修されていました(^^;

【場所】荒川区南千住1丁目あたりです。

暗渠暗景

| コメント(4)

今日の写真は、昨日とほぼ同じ場所を、時間と角度を変えて撮ったものです。僕の背の方向に三ノ輪駅があります。そして、この先は、山谷を抜けて、隅田川まで続いています。
先日、第四回アースダイビングの下見で、ここから南千住までは歩いたのですが、南千住から向島までは、まだ歩いていませんでした(その時点では、南千住を最終地点にしていた)。そこで、今日、その追加ルートの感触をチェックしに行ってきました。
通常は、下見なわけですから、三ノ輪駅または南千住駅から向島へ向かうべきでしょうが、ちょっとした手違い(^^;から、逆に、向島スタートとなってしまいました。そして、もともと出が遅い(^^;のと、寄り道が多い(^^;こと、逆コースで歩いたことなどから、三ノ輪に到着した頃には、もうすっかり日が暮れていました。
写真を撮るには、さすがに暗すぎるため、そのまま三ノ輪駅に直行しようか?とも思ったのですが、あの気になる暗渠が、夜になるとどう見えるのか…が気になり、ちょっとだけのぞいてみました。すると、手前は、最近の町にしては珍しく真っ暗です。そのせいか、奥のほうがパッと明るく見えています。しかも色目がきれいです。うぬ〜これは撮らなくては…ということでシャッターを切ったのがこの写真です。
しかし、やはり…というか…ブレてしまいました。カメラのせいにするわけではありませんが、どうも、このところ、手ブレ補正機能がまともに作動していないようです。便利な機能がつくとそれだけ故障する箇所も増える…ということですね。ま、この写真は、これで良いか…という感じですが、機能が信頼できないというのは、やはり困りものです(^^;

【場所】台東区三ノ輪2丁目あたりです。

三ノ輪の無印良壁

| コメント(22)

三ノ輪駅近くにあるトタン張りの建物の一部を撮ったものです。古びていますし、補修の跡や追加された物も多々ありますが、それらがすべて、非常に丁寧に作業・設置されていて、端正という言葉を冠したくなります。地味だけど美しい…と思います。
が、ここでは、地面に近い部分にも注目してください。石やコンクリートでガッチリと固められています。これだけ足元が固められている理由ですが、実は、僕が立っている位置に、昔は川が流れていたため、家の土台が護岸の役目も果たす必要があったから…ではないか?と思われます。階段の1段目の高さが低くて不自然なのも、同様に、川の暗渠化に伴い、途中まで埋められたため…と思われます。この壁が、どうもノッペリとしてそそり立つように感じられたのは、「昔は川縁に建っていた」ことに原因があるようです。川が暗渠化されても、風景には、やはり川の匂いのようなものが残るものですね。
ところで、この建物ですが、向こう側…正面がどうなっているのか、気になりますよね。こんな感じでした。この写真の場合、僕は、土手に立っていることになります。

【場所】台東区三ノ輪2丁目あたりです。

キタピー

| コメント(8)

iGaさんが企画なさった第四回アースダイビングの下見に同行させていただくため、待ち合わせ場所である王子の北トピアへ…。で、少し早めに到着したため、ちょっとだけ、北トピアのまわりをウロウロ。そして最初に目についたのが、この真っ黄色なトタンの塊(^^; 近くまで行ってみると、駐車場でした。トタンは切り貼りされているのですが、黄色一色に塗られ、そこに「P」ひと文字…というのがよろしいですね。普通、「駐車場」とか「パーキング」とか書きたくなるものなのでしょうが、スパッと割り切ったところが素晴らしいですね。ところで、この物件は、アースダイビングでは訪れません(^^;

【場所】北区王子2丁目あたりです。

小岩カラーズ

| コメント(2)

いずれも、小岩駅の南側に広がる商店街で目にした断片です。

【左】商店街と住宅街の境にある写真屋さんの壁面です。写真サークルでも主宰していらっしゃるのでしょうか…そこが簡易ギャラリーになっていました。屋外にも関わらず、さほど退色していないところを見ると、最近の写真なのでしょうが、こうなるとなんとなく古い写真のように感じられるのが不思議です。【右】やはり写真屋さんですが、どういうわけか建物の前面だけが残されていました。こちらは、まだ駅に近い場所で、まわりは歓楽街です。この拙い文字や色褪せた塗料の感じが何とも言えませんでした。



ninepeace.jpg




月別アーカイブ(Archives)



Photo Gallery

写 真 集


おすすめ




おことわり

エントリー、コメント、トラックバックにつきましては、管理者の判断により削除させていただく場合があります。予めご了承ください。
Powered by Movable Type 4.22-ja





copyright © 2004-2017 masa