州崎の生き残り (2)

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昨日のエントリー「州崎の生き残り」に、複数の方から貴重なコメントを頂きましたが、そのなかで、じんた堂さんが「洲崎の入り口にあった橋はもうありませんが、その手前にあるかつての川に沿ってある地域は、いまなお原作の芝木好子の小説『洲崎パラダイス』の面影があるような気がします。このことは木村聡『赤線跡を歩く』でも同じような印象を書いてあります。」とお書きになっています。

そこで、その木村聡『赤線跡を歩く』から、該当するくだりを引用させていただくと、「いよいよ角をまがると、まず目にはいるのがやや盛り上がった橋の跡である。今は緑道公園をまたいでいるが、以前は堀割に石造りの橋がかかり、有名な「州崎パラダイス」のアーチが建っていた。橋の右手前に、こぢんまりとした一杯飲み屋が軒をつらねている一画がある。映画「州崎パラダイス」に興味をお持ちの方だったら、狂喜とまではいかなくとも、よくぞあったと驚くに違いない。芝木好子の小説集そのままのたたずまいが残り、中二階や三階のある建物も、その頃のままのように見える。」とあります。

ま、このエントリーは全て他力本願になってしまいましたが、今日の写真は、その「こぢんまりとした一杯飲み屋が軒をつらねている一画」を撮ったものです。そして、「中二階や三階のある建物」というのが、これです。その全景がこちらです。
いかがでしょうか? 僕は、映画「州崎パラダイス」を観ていませんが、この一画、そんなことはお構いなしに、強烈に訴えかけてくるもがあります。なんとも愛らしく...そしてどこか哀しくて...。迫りくるものがありました。
僕は飲めませんが、人間、いつ何時、こういった場所が救いになるか分からない...と、最近になって思うようになりました。こういう場所って、やはり必要なんですよね...。

【場所】江東区東陽3丁目あたりです。

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「人間、いつ何時、こういった場所が救いになるか分からない」というmasaさんの文章に、若輩ながら、感応してしまいました。町歩きで、風景を発見する時の気持ちってまさにこういうことですよね。

「洲崎」は、もともとは固有な土地の名じゃなくて、埋め立て地の海べりの先端の土地のことで、埋め立てが進むと、海側へ移動して行ったようです。だから最初は富ヶ岡八幡宮の前の通りが、洲崎だったとか。今じゃ豊洲あたりが、新洲崎なのかもしれません。

このあたりはたびたび水害に見舞われた土地で、映画の話で恐縮ですが、「海は見ていた」という、寛政3年の津波で水没する深川の岡場所の映画があります。山本周五郎原作、黒澤明脚本、熊井啓監督です。
冒頭で、CGを使って、地形が俯瞰で示されるのですが、永代橋を渡って、越中島の対岸を南東へ回り込むと、葦の茂る、海岸沿いの土地があって、そこの岡場所が舞台でした。

>胸の振り子さん
こんばんわ。写真って、やはり単独で歩かないと撮れない…と、常々感じていますが、それは、胸の振り子さんに感応していただいたようなことが底にあるのでしょうね。
「洲崎」という文字を見ると、やはり地理的なものを感じますね。「江」や「戸」などが、やはり水関連を思い浮かべさせるように…。
地名の由来などを読むと、町名の変遷には触れてあっても、位置の動きについてはとかく記されていません。それに触れていただき、ありがとうございます。このことから、鉄砲洲稲荷が、埋め立てが進むにつれ、海側に移転していったことを連想します。

僕もお酒が飲めないのでスナックなるものに入ったことがありません。
大抵、このように硬そうな木の扉があって、中が窺い知れないので、
きっとすごい大人な世界があるんだろうなんて、年齢的には、十分オ
ヤジのくせに思っています。
川島雄三は大好きな監督です。
洲崎パラダイスは、楽しくてよい映画ですよ。

>妾番長さん
こんばんわ。なんと妾番長さんがお飲みになれないと…。う〜んちょっと信じられない感じがしますが、飲めないものは飲めませんよね。僕も、お酒が飲めないせいで、大人になりきれていないような感覚が、どこかにあります。バーのカウンターに腰をおろして、オッサンがジュースやウーロン茶っていうのもね〜(^^;なんですね。ところで、相変わらず、光と影にターゲットを絞った良い写真撮ってらしゃいますね。
州崎パラダイス…胸の振り子さんに加え、妾番長さんからもお勧めいただいたとなると、なんとしても!と思います。

なんだか、呑めないやつばかりが発言しているようですが、ぼくも下戸のくせにこういう魅力的な写真をみると文字通り背中がゾクリとします。
それにひきかえ、有明のナントカサイトや幕張にはびこる、ガンダム風の安直なSF的建築に囲まれると気分が悪くなります。こういうエントリーにコメントを書いていると、ぼくの氏名にノが落ちているような気がします。そういえば、数十年前の入学試験の面接で「最近どんな本を読みましたか」と聞かれて、墨東綺譚と若きウェルテルの悩みと答えたら笑われたことがありました。

実際「飲めそうな感じがするけどなー」と面と向かって言われることは多々ありますが、masaさんとはお会いしたことはないので、「こんな写真を撮っているやつはきっとのんべに違いない」てなところでしょうかw
あ、でも、先日キャバレーには、行ってきました。
「銀座」「キャバレー」「白いばら」というキーワードと、キャバレー自体が風前の灯火という時勢が重なって、これはもう行くしかないと職場の若者を誘って行ったのです。
しかし予想どおり、期待するような淫靡な雰囲気は微塵もなく、何したらいいんだろうとウーロン茶をすすって帰ってきました。
しかも若者には、「キャバクラならもっと安いですよー」と教えられ「へぇーそーなんだ」と返事をする情けないオッサンな夜でした。

>玉(ノ)井さん (失礼をお許しくださいm(__)m)
こんばんわ。連日コメントくださいまして、ありがとうございます。やはりガラス多用の、内部が、そして意図もスケスケに見えるようなビル街って、気持ちが悪いですね。玉井さんの仰るタイニイハウス感覚、そして秋山さんの仰るバラック感覚…というものは、無くなってほしくない…と、本当に強く思います。ここは実に魅力がありました。裏側は総ブルートタンで、それも秀逸でした。
ところで、僕は、面接では、中学生のくせして「緑の館」と「誘惑者の日記」と答えていました(^^;

>妾番長さん
あれ、あの銀座の「白いばら」へいらっしゃったのですか…。羨ましい(^^; あそこは、外壁の意匠・色からして、時代がかっていますよね。僕も興味がありました。でも、妾番長さんが人柱になっていただいたようですから、それでヨシとします(^^; ところで、その「キャバクラ」ってのがまた、入ったことがありません。どういうシステムなのか?????です。これでは吉原・州崎を語る資格はありませんね(^^;

いやあ、こういう奇妙な物件をよく見つけますねえ。(*_*;)
「全景」を見る前からヘンだなあと思っていましたが「全景」を見て、呆然自失ですね。
どういう具合にこの建物が成立していったんでしょうか。
左の二軒が母屋に組み込まれているはずなのに、外見上は全然、別な建物のようです。右側が大家で左側二軒に貸していると思うんですが、それにしても……。
借りた二軒は「ウチはウチで勝手にやらしてもらいますんで」と勝手に改造したような……。
うーん。

>館 淳一さん
こんばんわ。コメントをありがとうございます。どうも、好奇心がなかなか萎えてくれないようです(^^;
僕も、この建物の成り立ちを、何度も考えてみるのですが、どうにもこうにも???です。写真を撮る前に、このうちの1軒のご主人(高齢婦人)に出会い、いちおう了解を得たのですが、とても穏やかな方でしたので、こんど成り立ちをうかがってみなくては…とは思っています。首尾よくいきましたら、ご報告いたします。お酒が飲めれば明日にでも…なんですが(^^;

masaさん、こんにちは。「みつ」、「にこみ家」、「四季」、「ももちゃん」・・・と、ズラッと呑み屋さんが続くわけですか〜。僕に軍資金を提供していただれば、順番に梯子酒して各お店に聞き取り調査をしてきますよ〜(^^;;;。さて、『東京紅団』さんの記事を拝見し、GoogleMapでこのあたりの様子を見ましたが、「小説『洲崎パラダイス』の面影があるような」とお書きになっていること、伝わってきますね〜(と書きつつも、経験したことのない想像の世界でしかないのですが)。しかし、本当に「この建物の成り立ち」不思議ですね〜。母屋なのか大家さんのなか、右のお宅に呑みこまれようとしています。「がんばれ、『みつ』ちゃん」と声をかけたくなるような・・・です(^^;;。このような小さな店舗にもちゃんとニーズがあって、どの小さなお店にも常連さんがおられているんでしょうね。再開発で根こそぎにならない限り、きちんと成立する世界があるんですね。話しは変わりますが、masaさんは中学生で『誘惑者の日記』ですか〜。キルケゴール?のやつですか?ませていらっしゃったわけですね。

くわ〜!!たまらない灯りですね。
ワタクシこういった灯りに弱いのです。
本当に誘蛾灯に誘われてフラフラと近づいていく蛾〜ですよ、まるで。

酒処ももちゃんもいいけどにこみ屋も捨てがたい・・・ってモニターの前で真剣に迷ってます。

>wakkykenさん
え〜と、じゃここでの軍資金(1店につき滞在時間は30分という条件付き(^^;)は負担いたしますので、往復の旅費と宿泊代は、wakkeykenさんが負担してください(^^;(^^; わはは。
しかし、この建物がこの形になって理由、誰もが気になりますよね〜。これはやはり解明する義務があるような気がしてきました。
『誘惑者の日記』は、はい、キルケゴールのやつです…。ませた友人の影響もありましたが、僕もませてましたね(^^;

>ゲンノさん
こんにちわ〜。僕が、ちらとお話したのは、にこみ屋のご主人(婦人)でしたが、なんとも雰囲気ありましたよ。水っぽい匂いのない方で、戦時の日本で育ち…女手ひとつで云々…という解説がピタリと当てはまるような感じの、穏やかななかに芯を感じさせる人でした。だから、僕としては、まずにこみ屋に行ってみたいんですよね〜。もしやゲンノさん、ハシビロコーズのよしみ(^^;で、僕も連れてっていただけません? Uちゃん(^^;にも同伴していただいて…(^^;

masaさん、こんばんは。
こちらはコメントを残されている方々もたいへん魅力的で、僕などただただ恐縮してしまうのですが、それでも懲りずにお邪魔させていただいております。
ところで永代通りから大門通りへ入る東陽3丁目交差点角にあるお蕎麦屋さん(東京紅団さんのページ最初にある写真。交差点右側、こげ茶3階建て)のショウウインドウに嘗ての同交差点の白黒写真が掲げてあるのをご覧になられましたでしょうか? 建物の変化があるものの道の起伏など当時と変わらない姿を見ることができ、ワクワクいたしました。
さて、僕が洲崎に訪れたとき、ここでご紹介されています飲み屋街には参りませんでしたが、いやはや素敵な処ですね。特に、にこみ家さんからは、おいしいオーラが感じられます(^^)

>M.Niijimaさん
こんばんわ。まだM.Niijimaさんのブログは読破できていません(理解しながら読破するのは大変です(^^;)ので、コメントも差し上げられずにいます。申し訳ありません。
ところで、その写真については気がつきませんでした。こういった低地の微地形というものは、多くの場合、残るものですね。先日、仲間数人と吉原を歩きましたが、山谷堀の土手の名残ははっきりと確認できますし、吉原全体が周囲の土地よりも1段高くなっているのを発見し、皆で興奮した…といったことがあります。近々、そういった地形を気にしながらの散策(アースダイビングなどと洒落ていますが(^^;)する計画がありますので、もしよろしければ、参加なさいませんか?(http://madconnection.uohp.com/mt/archives/001234.html)
それにても、この飲み屋さんの愛らしさには参ります。下戸とて惹かれるものがあります(^^;

masaさん、こんにちは。「じゃここでの軍資金(1店につき滞在時間は30分という条件付き(^^;)は負担いたしますので・・・」とお書きになりましたね〜。masaさんの「おごり」で、僕は「往復の旅費と宿泊代」の元をとっちゃいますからね。でも、そうなると、最後のお店では聞き取り調査を忘れてしまいそうです・・・(^^;;。

>wakkykenさん
ええ、そ、そんなウワバミのように呑むわけですか?(^^; ここは、あくまで、軍資金とは、聞き取りのための潤滑油購入資金(^^;ですからね(^^; したがって、聞き取りを忘れると、罰金が科せられます(^^;

masaさん、こんばんは。
拙ブログを見てくださっているだけで恐縮なのですが、読破、、、とは、、、なんと光栄なことでしょうか。

アースダイビングって素敵な企画ですね。結婚前に家内が南阿佐ヶ谷(といっても青梅街道の北側でしたが)に住んでおりましたので、とても懐かしいです。
阿佐ヶ谷住宅は取り壊しになるのですね。うむむ。
ところで当日ですが、生憎、休日出勤でして、今回折角お誘いいただいたのに申し訳ありません。
またの機会に、是非みなさんとご一緒させていただきたく存じます。
ありがとうございました。

>M.Niijimaさん
ご丁寧にお返事くださいまして、ありがとうございます。阿佐ヶ谷住宅の取り壊しは、ほぼ決まったことのようですが、延期つづき…ですね。どうやら、もう1年くらいは存続確実かな?と思っています。アースダイビングは、今回だけではありませんので、時間的にうまく合うときにでも、ぜひ!です。



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