ここはイギリス南部の都市ウィンチェスターです。中世イングランドの首都だっただけあって、歩いてみると、さすがに古い重厚な建物が多く、時代と重みを感じさせます。尖塔が聳える巨大な大聖堂があることでも知られています。が、その一方で、まるで避暑地か?と思うほどに、洒落た店が並ぶ通りもあって、そこをお洒落に決めた紳士淑女がそぞろ歩く…という場面も目にしました。もうそのまま渋めのファッション写真…という感じです。
僕がこの街を訪れたのは、ある高校の卒業風景を撮るためでしたが、かなり自由時間も得られましたので、煉瓦や石、それも割石をはめ込んだ…と思われる壁が巡る街を、嗅覚をたよりに、あちこち散策することができました。
そして感じたことは、オックスフォードでも感じたことですが、街じゅうが重要文化財だ…ということでした。が、それらが、一部を除いては、日常のものとして使われている…ということに感嘆。これですね…やはり。何百年もの歴史をそこかしこで感じとることができます。日常生活のなかに歴史が溶け込んでいる…という感じです。
この写真に写っている車は、モーリスマイナーのカブリオーレですが、かなり古いものです(年代を云々するほど車に詳しくありませんので…)。ここまで古い車になると、とかく、マニアの手によってピカピカの状態に保たれていたりしますが、この車は、決してそうではありません。かなりヤレています。が、実用車として使用できる程度には手入れされています。そして、乗っているのは若者です。
この感覚には、文化財とも言える古い建物を日常的に使う感覚と同じものを感じます。こうした、道具は使うためにあるのだから、使いながら大切に保存してゆく…という精神が生きていて、それが実践されている…ということが、なんだかとても羨ましく感じられる風景でした。
【場所】Winchester, Hampshire, UKです。