この建物については、Wikipediaに要領よくまとめられていますが、一部を抽出すると以下のようになります:
ヴォーリズの設計により"佐藤新興生活館"として1936年に完成。大戦中は帝国海軍に、戦後はGHQ陸軍婦人部隊に接収され、宿舎として用いられていた。ホテルとしての開業は1954年。GHQの接収解除を機に、新進実業家の吉田俊男が佐藤家から建物を借りるかたちで創業した。
このホテルが、どことなくバタ臭くちょっと暗い独特の雰囲気を持っているのは、やはりそんな歴史を映しているから...なのでしょうね。そして、その雰囲気をひと言で言い表していると感じたのが、タイトルにした "FILM NOIR" という語でした。
"FILM NOIR" という語を耳にしただけでピンと来る...という方はかなりな映画通の方なのでしょうか...。僕がこの語を知ったのは、カーリー・サイモンの同名アルバムで...でした。
そこで、再度Wikipediaで "FILM NOIR" をチェックし一部抽出すると以下のようになります:
1940年代前半から1950年代後期にかけて、ハリウッドで低予算で製作された、いわゆるB級のミステリーや犯罪映画の総称で、「マルタの鷹」や「飾窓の女」などがその代表的な作品。
こうしてみると、この建物が建てられホテルに姿を変えるまでの時期と、フィルム・ノワールが製作されていた時期が重なります。そして、そんなことを考えていると、その時代のフィルム・ノワールな感覚のヴェールが、この建物全体をすっぽりと包み込んでいるように思えてきます。特にこんな時間帯には...。
【場所】千代田区神田駿河台1丁目あたりです。

1970年代後半に"山の上ホテル" は全面改修されていますが、その改修工事の設計に当ったのが建築家の阿井和男氏でした。その当時、阿井和男氏は横浜本町通のヘルムハウス303号室にアトリエを構えていましたが、その後、ヘルムハウス(1938年現存せず)の所有権が神奈川県に渡り県警の別館として使用されることになり、阿井氏のアトリエはその近く県警の裏辺りにあった娯楽荘アパート(そう呼んでましたが漢字が合っているか不明、昭和初期のコンクリート物件でした。)の1階へ転居。
何故、こんなこと知っているかというと、知人(物故者)が同じヘルムハウスに事務所を構えていて何度か遊びに行った時、阿井氏に一二度会ったことがあるからです。そのヘルムハウスも旧式のエレベーターとかアールデコ様式の装飾とかフィルム・ノワールの舞台に相応しいものでした。因みに阿井氏も三年前に亡くなられたようで、Googleで検索した処...これまた知り合いのブログに情報がありました。
ヘルムハウスで電話交換のオペレーターしていた御婦人(日本人)も御主人がイギリス人だったりとか、色々と訳ありの人生で...(^_^;)
>iGaさん
超濃厚エピソードを大変ありがとうございます。実に、世は奇なり...という気がしました。ヘルムハウスのことは全く知りませんでしたが、かなり知られた建物だったようですね。ネットで写真を見ましたが、取り壊されたとは惜しいことです...。
ヘルムハウスのほうは、どうやら、山の上ホテルの建物以上に外国の匂いorフィルム・ノワール臭(^^;が強そうですね。ドアを手動で開閉するエレベーターが装備されてたいことにも驚きますが、あの建物規模で電話交換のオペレーターが居た...というのにも驚きます。あの頃は、郵便が名誉職だったように、電話交換手というと先端をゆく職業だったのでしょうか...。
それにしても、最近の都会からは、こういったミステリアスとも言える雰囲気が消え過ぎですね...。
山の上ホテルがウィリアム・メレル・ヴォーリスだったんですか!?
迂闊なことに認識しておりませんでした。ありがとうございます。
先月ようやく京都の東華菜館を見てきたところでした。あそこの手動エレベーターは未だに現役ですよ。
>masaさん
日頃から拙ブログをご覧いただきありがとうございます。
>nsw2072さん
設計者につきましては、僕も(当然のことながら...ですが(^^;)このエントリーを書いているときに知った次第です。
東華菜館につきましては、京都旅行シリーズのなかで触れていらしゃいましたね。しかし、手動エレベーターが現役ですか...。東京では、奥野ビルのエレベーターが動くところは見ました(昨年はじめ頃だったと思います)。が、乗ってみようという気にはなれませんでした(^^;
nsw2072さんのブログ(http://d.hatena.ne.jp/nsw2072/)はとても楽しみに読ませていただいています。最近は、ネット上にカドやトゲのある文章があまりに多くて時々嫌になりますが、nsw2072さんの文章は、内容は時にきびしくとも、その辺りには十分な気配りが感じられ、こちらまで穏やかな気分にさせられます。これからも日参させていただきます!
>masaさん
身に余るお言葉をいただいて恐縮でございます。これからもよろしくお願いいたします。しかし、NFLフリークでもありますので、今日はSuper Bowl三昧でした。
京都の東華菜館のエレベーターは男性の店員さんが運転して下さいますが、あの「ガチャガチャ」という扉開閉の音が懐かしい響きです。なんだか昔稲荷町の角に建っていた永寿病院のエレベーターを彷彿とさせます。
>nsw2072さん
お返事をありがとうございます。前コメントでは、気配り...と書きましたが、後になって、お人柄とか穏やかな語り口などと書くべきだった...と思っていました。
(ちょっと話題がズレますが、もしや、140文字に限ったりすることも、文をぶっきらぼうにしてしまい、トゲやカドを生む要因のひとつかもしれないと思い始めています)
NFLは、あれだけの人々が熱狂するわけですから、面白いに違いないと思いながらも、入りこめず...のままです。海系のスポーツが好きということも関係しているかも?です。
永寿病院の記憶はありませんが、エレベーター(とかくOTIS)の金属の網のようなドア、それも古いものがピカピカに磨かれて使いつづけられているのは良いものですね。あの音はほんとうに懐かしいものになってしまいましたが...。
>masaさん
私は実は傲慢且つ頑迷な人格なんです・・・。
確かに140文字では錯綜した議論は向いていませんよ。ご案内くらいにしておくべきでしょうね。ちょっとやりかかって無理だと思いました。でも、まだ続けるでしょうけれど。
その人のプロフィールがわかりにくいですから、微妙なニュアンスが伝わりませんから。
海系については小学校時代の水泳しか記憶にないのです。潜るジャンルでは一度シュノーケリングをしただけです。
真鍮を磨き立てた「ガチャガチャ」は今でも憧れます。日本橋の三越のエレベーター。
>nsw2072さん
お返事が遅れ、申し訳ありませんでした。ひさびさに外をほっつき歩いていました。
とことで、ご本人はそう仰いますが、やはり、長くつづくブログなどには、どうしてもお人柄がにじみ出します。いつも見習わなくては...と思うばかりです。
僕も140文字はいちおうやってみましたが、非常に有効であるメディアだけに、逆効果もまた...という気がしまして、ちょっと引いているところです。そうでなければ、すぐにもnsw2072さんをフォローさせていただくところです(^^;