反原発デモに響くドラムの音


2011-04-24 @ Shiba, Minato, Tokyo

311以後、非力ながらも反原発の声をあげる身近な方法はデモに参加することだ...と思い、4月24日のデモ初参加以来、できるかぎりのデモに参加してきました。そこでいつも出会う人たちがいます。デモ行進のあいだじゅう、肩から提げたドラムを叩きつづけ、デモ隊を先導してくれる人たちです。固定されたメンバーはなく、人数が多いときもあれば、少ないときもあります。サウンドもその時々で流動的に変化します。
ただし、核となる人物は存在します。シャーマンの弟子・アクティビスト人類学者・現代美術(評論)家のイルコモンズさん(チェックシャツ姿)です。そして、もうおひとり、やはり中心的役割を果たす方がいらっしゃいます。アクティビスト音楽評論家の鈴木孝弥さん(黒キャップ姿)です。

ところで、このエントリーで言及したかったのは、写真のことではなく、そのドラム隊が叩き出す音のことです。昔から、パレードなどを先導する鼓笛隊や太鼓隊...などはありますが、このドラム隊は、そのいずれとも異なります。いわゆる音楽のパーカッションという世界とも違います。それは独特の世界で、音楽のジャンルという殻の外からやって来た音...としか表現のしようがないように感じます。まったく新たな音風景の出現です。

その音は、聴くたびに、ワクワクというよりもドキドキを感じさせます。そして、どこかザラッとしたものを感じさせます。これまで音楽を聴いている時に感じたことのない、ザラつきを...。そして、それは何だろう?と、ずっと不思議に思っていました。いったい何がこのザラつきを感じさせるのだろう?と...。

その答えを、まさにこのドラム隊の中心のおひとりである鈴木孝弥さんが、Music Magazine 増刊 『プロテスト・ソング・クロニクル ~ 反原発から反差別まで』に寄せられた"まえがき"のなかに見つけましたので、その部分を以下に引用させていただきます:
多くの人、特に若い世代の読者にとって、<プロテスト・ソング> は <ラブ・ソング> <ノヴェルティ・ソング> のような、観賞用ポピュラー・ソングのいちカテゴリーに過ぎなかったかもしれない。しかし<3.11>以降、この <プロテスト・ソング> という語の語感が、みなさんの中で何かしら変化してはいないだろうか? あの事故以来、新旧の反原発ソングを自宅で、携帯プレーヤーで、デモの現場で、クラブで耳にしたとき、<音楽を楽しむ> という感覚の内部に、過去未体験の、文字通り"リアリティ"を伴う、胸の奥が軋むような共鳴を感じなかっただろうか? 心当たりのある人は、そのとき <プロテスト・ソング> が鑑賞の対象物から初めて自分の道具になったのだと思う。共鳴は同感であり、その <プロテスト> はすなわち自分の感情の代弁である。そして、その楽曲は自分の叫びの拡声器である。実際に具体的な抗議アクションを起こせば(それを促すことこそアーティストの作曲意図であるはずだが)、その曲は抗議に集まった市民の旗印にもなる。そしてその場においてのみならず、インターネットを介して敵を狙い撃つ闘いの武器になる。そしてさらなる共鳴を波及させ、賛同者を引き寄せて運動を拡げるツールにもなる。

この文を読んだときに、頭のなかのモヤが一掃されました。そう、このドラム隊が叩き出す音は、抗議の旗印であり反原発という闘いのツールだったのです。その音を聴いた者が感じるザラつきは、胸の奥で軋む共鳴の感触だったのです。

この事実に気づいてからというもの、このドラム隊の音が僕に与えてくれる感動は、より大きいものになりました。そして、この音を、なんとか良い状態で録音し、それをできるだけ多くの人に配布し、感動(とツール!)を共有したい...とより強く思うようになりました。

そして、その後の経緯はざっくりと省略しますが、とにかく友人・新島さん(サウンド・エンジニア)の大協力を得て、そのドラム隊の音をネット上でお聴きいただく態勢を整えることができました。下のプレーヤーでストリーミング再生できますので、ぜひお聴きになってみてください(オレンジ色のボタンをクリックしてください)。きっと、あなたに連帯というものを思い出させ鼓舞してくれる、手放すことのできない"音"になることと思います...。


また、より高音質でお聴きになりたい方は、新島さんのこちらのエントリー経由でWAV音源ファイルをダウンロードなさってください。



2011-04-30 @ Shibuya, Tokyo, JP



2011-05-28 @ Shibuya, Tokyo, JP



2011-06-11 @ Shinjuku, Tokyo, JP



2011-08-28 @ Iwaki, Fukushima, JP



2011-09-24 @ Shibuya, Tokyo, JP


■関連エントリー:"On Lâche Rien" (あきらめないぞ)

■10月9日に、このドラム隊を中心とする "怒りのドラム デモ" が行われます。詳細についてはこれからこちらのサイトで順次発表されるようです。そちらをチェックのうえ、できるだけ多くの方がご参加くださるよう願っています。


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