西荻窪を歩いていて気がついたことですが、あまり軒下園芸を目にしません。ま、当たり前のことかもしれませんが…。その代わり、久しぶりに生け垣を見せてもらいました。
密集し住空間が限られた下町とは異なり、畑や雑木林を、はなから住宅地として造成した町ですから、両者に違いがあるのは当然です。
僕も昔は多摩地区に住んでいましたから、生け垣なんて当たり前。特にどうとも感じませんでした。しかし、都心での生活が長くなり、歩くところもビル街か長屋路地という生活をつづけていると、緑の生け垣がつづく風景というものが、意外なほど新鮮に感じられるものです。
そして、もうひとつ「おっ」と思ったのが、この西荻には、薔薇の愛好家が多いのかな?ということでした。生け垣に薔薇という家もいくつか目にしましたし、店先に薔薇というのも目にしました。薔薇を専門にしているような園芸店まで目にしました。そこで、今日は、西荻で見つけた薔薇景色をアップします。
左の写真は、お店の造りつけプランターから生えている薔薇です。花の色が渋く、周囲も無彩色で、ちょっと侘び寂びな薔薇の世界。下の鉢植えも花物が少なく、このアレンジャーはかなりの達人とお見受けしました。右の写真はこじんまりしたテナントビルの入口ですが、壁面に這い繁ったアイビーを背景に、華やかに咲いた薔薇が、白熱灯の光でわずかに萌えています。そしてこの控え目な花の量のせいでしょうか、何とも言えない可憐さを感じさせました。
薔薇は、ややもすると、つけ過ぎた香水のように暑苦しく感じることがあるのですが、この2つの例は涼しげで、好感が持てました。しかし、そう感じるのは、日本人の感覚なんでしょうね。
【場所】杉並区西荻窪あたりです。