(谷中) 根津 千駄木の最近のブログ記事

路地で人待ち

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ここは、谷中の初音あたりから谷中銀座まで、かくかくと折れ曲がりながらつづく細い路地の出口です。そこにコーギーを2頭連れた女の子が人待ちをしていました。先に見える明るい通りが谷中銀座です。その明かりが、その様子を暗がりに浮き上がらせています。誰を待っているのでしょうか? この子のお母さんでしょうか? 明かりの方向に釘付けになったコーギーの「もう待ちきれない」という姿勢がなんとも可愛いです。
谷中って、住人が普段着で歩いても、ちょっとお洒落をして歩いても、それなりにうまく背景になってくれる生活の場という感じがします。良い町です。

【場所】台東区谷中3丁目あたりです。

はん亭

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このところ、なにかと多忙で、散歩に出ることができません。で、結局、あまりやりたくない、"アリネガ"からのエントリーがつづいています。最後に歩いたのが浅草でしたから、いつの間にかトップページが浅草からの写真ばかりになってしまい、なんだかザワつき過ぎになっているのに気づきました。
そこで、自分でも、ちょっと落ち着きのある図が欲しくなり、今日は、久々に根津からです。
ここは木造3階建ての建物でも有名な串揚屋さん「はん亭」です。お店の通りに面した位置に、こうして、額に入った季節の品書きが出ています。かなりモダンですが、古風な背景と引き立て合っているように思います。やはり、こんな一画を見ると、ほっとします。いいですね、根津って...。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。

ワンコとにらめっこ

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この写真も、先日、根津神社のつつじ祭りに行ったときに撮ったものです。
先日エントリーした桐谷さんの屋台?に並べられた葉書を見ようと、そちらに近づくと、僕の前で、やはり葉書を見ていた人の脚の間から、突然、この犬が飛び出してきました。が、リードで引かれているため、これ以上は飛び出せません。これは面白いと思い、すぐにカメラを向けたのですが、彼としては、この状況が面白くないらしく、なんとか脱走しようと必死です。
この写真で見るかぎり、おとなしくじっとしているように見えますが、決してそんなことはありません。立ち上がったかと思うと、次には右や左に駆け出そうとしたり、かと思うと飼い主の脚の向こう側に戻ったりで...。どうにも退屈で仕方がないようです。ま、飼い主さんのほうも、この犬クンの性格が十分に分かっているらしく、そちらもその程度では動じず、相変わらずのんびりと葉書などを見たり、桐谷さんとお話したりしています。
そのうち、この犬クンも観念したのか、一瞬、難しそうな顔に「ね、これだよ」という表情を浮かべて僕のほうを見てくれました。するとその直後、飼い主さんのお許しが出ました。彼は、飼い主を引っ張りながら、一目散に、やはり散歩していた犬に向かって突進して行ってしまいました。
と、なんのことはない、ワンコの性格まで撮るのは難しいというお話でした(^^; オソマツでした〜。

【場所】文京区根津1丁目あたりです。

気になる暖簾

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「根津を歩いてみたい」という友人と一緒に散歩をするとしたら、「ここは外せない」と思う場所がいくつかあります。ここは確実にそこに含まれる場所、サイタ質店の前です。
この建物は、震災[1923年]にも耐えたということですから、確実に大正年間またはそれ以前の建物ということになります。隣りには、重厚な蔵があり、質店としての歴史を感じさせます。事実、サイタ質店さんは、家系をさかのぼれる限りの昔から、代々質店を営んでいらしたようです。
いくら根津に古い建物が残っているとはいえ、今や、これほど古く凝った建物は、そうはありません。この前を通りかかると、誰もが目を奪われてしまいます。このときもそうでした。この店の側面にカメラを向けていた僕の横を、誰かが早足ですり抜けて行きました。目を向けると、外国人の青年です。
これは間違いなく質店の前で立ち止るに違いない、と思っていると、意外にもすっと通り過ぎてしまいます。あれ?です。が、即座に後ずさりするように、こちらに戻ってきます。そうだよな、と妙に納得していると、今度は、興味深そうに暖簾に手をやり、物珍しそうになかをのぞき込んだりしています。よほどここが気になる様子です。なかなか立ち去る様子がありません。
こうしてみると、暖簾って、なかを隠すことによって、なかへの興味を呼び起こす効果があるんですかね? なんだか話が脱線しそうになってきましたが...(^^;

【場所】文京区根津2丁目あたりです。

今日は更新できないかも?などと言っておきながら、習慣とは恐ろしい(^^;もので、なんとなく、これを済ませないと落ち着かず、結局、今日も更新です。
僕は、これまで、根津神社のつつじ祭りには行ったことがありませんでした。そこで、一昨日、どんなものなのか、急ぎ足で見てきました。
神社に着いたのが遅かったせいもあり、観光客の数は思ったほどではありません。が、それでも相当な人出です。拝観料200円也を"寄進"して、つつじの植え込みのなかをそぞろ歩く人や、八分咲きのつつじにカメラや携帯を向けて撮影する人の姿がかなり見られます。
露店も出ていましたが、夏のお祭りのときよりは数も少なく、場所も異なり、日本医大病院のある千駄木側に集中していました。そちら側には、若葉を繁らせた大木が多く、昼間でも薄暗いほどです。でも、この薄暗さがなんとも心地良いんですね。そこに露店の裸電球の灯りが揺れて...。ぶらりぶらりと歩いているうちに、田舎町にでも居るような気がしてきて、都会生活で強いられる無用な緊張が解けていくようです。この感じ、なかなかです。
根津神社のつつじ祭りに行くのも良いけれど、つつじ祭りの根津神社に行くのも、またおつなものですよ。

【場所】文京区根津1丁目あたりです。
【追記】つつじが八分咲きと書いていますが、実はすでに盛りを過ぎ、八分咲き程度に見えたということです。

昨日のエントリーに登場していただいた、桐谷エリザベスさんが、カラフルな猫の絵をお描きになることにちなみ、今日は猫の写真をアップすることにしました。
ここは根津のとある長屋です。ここを通りかかったときには、この猫クンは居ませんでした。ここに立ち止まったのは、およそ長屋のイメージとはかけ離れた洗濯物が干してあったからです。その洗濯物というのは、ダンス衣装でしかありえないような、フリルの付いた派手な赤と青とピンクのドレスでした。波形トタンの壁をバックに、その3枚のドレスが風に舞っているところを想像してみてください。ド派手で、ちょっと我が眼を疑うような光景です。もちろん、それにレンズを向け、シャッターを切っていました。が、シャッターを切り始めると同時に風が止み、うまくドレスが踊ってくれません。「こりゃ風待ちだな」と、ファインダーから眼を離し、風を待っていると、洗濯物の近くでモコモコと起きあがる物体が...。それがこの猫クンでした。どうやら昼寝から目覚めたようです。
お、これは面白い!と思い、猫クンにも狙いを定めたのですが、なかなかこっちを向いてくれません。そして、猫クンとしても派手なドレスが気になるらしく、そちらを凝視しています。しかも、ドレスがちょっとでも動くと、獲物でも見つけたような態勢をつくったりしています。そんなこんなで待つこと数分、やっと1枚だけ、こちらを見ている猫クンの写真が撮れました。
するとどうでしょう、この猫クン、覆面をして燕尾服を着ているじゃありませんか。ダンス衣装に興味を示すわけです(^^;

【場所】文京区根津2丁目あたりです。

根津神社の前に、いまにも崩れ落ちそうな長屋があり、その右端の家の戸板に、不思議な猫の絵が描かれているのが、以前から気になっていました。まずは、以前のエントリー「根津の朽ちた長屋」をさらっと読んでいただけますか?
今日、その前を通りかかると、戸板に、桐谷逸夫さんの絵葉書が貼られています。「これは根津のつつじ祭りらしいのでは」と思い、シャッターを切りました。そして、その隣りに目をやると、かなりの人だかりができています。
そこには、モダンな屋台と演台をミックスしたような台が置いてあり、そこにも葉書や本などが並べられています。その台の向こうでは、日に焼けたスポーツマンを想わせる男性と、真っ赤なジャケットが映える女性が、お客さんの対応にあたっているのが見えます。すっかり興味を惹かれ、どれどれと、台のうえの葉書集や本を手にとって見ているうちに、なんとなく台の向こうのお二人と話しが始まりました。



すると、その男性が桐谷逸夫さんご本人であることが判明。そして真っ赤なジャケットの女性は奥様のエリザベスさんでした。
ところで、僕は、エリザベスさんは、エッセイストだとばかり思っていたのですが、実は、カラフルな楽しいイラストも描いていらっしゃるということも今日知りました。お二方ともに描き書く人だったというわけです。
そうこうするうちに、ふとしたことから、長屋の戸板に描かれている猫に話が及びました。すると、「あれは彼女が描いたものです」と桐谷さん。え!そうだったんですか〜。長年の喉のつかえが取れたとはこのことです。いや〜、つまらないことかもしれませんが、僕にとっては十数年来の謎が解けたようなもの。実にすっきりしました。そして、途端に、ご夫妻に妙な親近感を覚えてしまいました。そこで、その謎解決記念(^^;に、猫の絵とエリザベスさんを一緒に撮らせていただけないか?とうかがうと、実に快く承諾していただけました。それが右端の写真です。
いやいや、とにかく、桐谷さんご夫妻、めちゃ素敵です。確認はしませんでしたが、根津神社のつつじ祭り期間中は、きっと、同じ場所にいらっしゃるはずです。ここで葉書や本をいただけば、サインにも気軽に応じていただけますし(僕はしっかり頂いてきました)、著者に直接お話をうかがうことだってできます。桐谷さんご夫妻に会いに行ったついでにつつじ祭りってのもアリかな?って感じです。

【追記】桐谷さんご夫妻の主な共著書[1][2][3][4][5]です。
【場所】文京区根津1丁目あたりです。

崖上のアパート

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ここは、日暮里駅からすこし鶯谷寄りの崖の上です。この先は階段になっていて、そこを下りて左に行くとすぐに線路につき当たります。が、踏切はなく、金網のフェンスが立ちはだかっています。右に行くと、両手を広げた程度の幅の長い陸橋があり、そこを通って線路の向こう側(写真では左)に渡れるようになっています。
左側の建物は見てのとおり木造モルタルの2階建てアパートです。この写真を撮っているときに、偶然ひとつのドアが開いて、老婦人が現れました。これから買い物かな?という雰囲気でしたが、ちょっとお話をうかがうと、もうここに40年以上お住まいだということでした。ここは崖上ですし、崖下は線路ですから、前方に視界を遮るものがなく、とにかく見晴らしは良さそうです。その眺めも時代とともに相当変わったのでは?と思い、お尋ねすると、その老婦人から「高層マンションが1棟建ったのが大きな変化という程度で、その他は40年前とそう変わらない」という答えが返ってきました。これは意外でした。ま、とにかく、眺めだけを目的に住む価値がありそうな立地です、ここは...。
が、問題がひとつ。「買い物に行くのが大変なんですよ。歳をとるにつれてね」ということだそうです。「細い陸橋を渡って日暮里側のスーパーに行くか、谷中銀座まで歩くか」のいずれかなのだそうです。確かに、買い物袋を提げて歩くには、どちらにしてもかなりの距離です。要は町外れなんですね。ま、それだけに、ここは、いつ行ってもひっそりと静かで、とても落ち着ける場所です。

【場所】台東区谷中7丁目あたりです。

ここは根津にある丁子屋さん。創業は明治二十八年。当時の和建築の様々な工夫が、ほぼ当時のままの状態で使われつづけている数少ないお店です。
普段、お店の前を通りかかると、ご主人が座って店番をしていらっしゃる姿があり、ちょっと会釈を交わして、という感じなのですが、この日は、ご主人の姿がありませんでした。そう長い間ご不在なわけはないと思い、その場に立ったまま、店内を見回していました。すると、きちっと揃えて置かれた黒い塗りの下駄に目がとまりました。あ、いいな〜と思って、その辺りに目を走らせていると、ふと、諏訪優さんの詩の一節が思い出され、空想の世界に入ってしまいます。

 なぜか 水っぽい夏だったから
 女は
 黒塗りの下駄などはいて
 通ってくる男たちを待っていた
 寺町の ねむたい昼下がり

「おやおや、お待たせしました」という声で我にかえり、顔をあげると、ご主人のにこやかな笑顔が待っていました。こちらのご主人には、昔の根津や谷中のことをあれこれをうかがったりと、お世話になりっぱなしです。この日も、獅子舞の手拭い一本いただいただけなのに、いただくわけをお話すると、それじゃというので、手拭いの入った紙袋に、そっと縁起貝をひとつしのばせるという粋なはからい。う〜ん、参ってしまいます。

 ■関連エントリー:「藍染町の丁子屋」
【追記】諏訪優詩集「谷中草紙」
【場所】文京区根津2丁目あたりです。

根津の軒下にも春が

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昨日、一昨日と、このサイトらしからぬエントリーが続きましたが、それも今日でほぼ終了。いつものテリトリーに戻ります。
やはり、日常とは異なる環境に身を置くというのは疲れるものですね。年齢的にも、感覚的にも、もうすっかり下町散策が性に合うようになったようです。
そんな気分を反映してか、今日は、根津の軒下園芸を見てほっとしたくなってしまいました。ここは、不忍通りから1本奥に入った通りに面した根津のお花屋さんです。こちらにも、春めいた花の鉢が並ぶようになってきました。周囲の色が自然で地味なだけに、花の色がパッとあでやかに感じられます。この店先を目にして、ただ単純に「あ、きれい」とだけ感じました。それだけで、ちょっと心が躍るものです。軒下の園芸も、下町に春が訪れたことを告げているようです。この写真を見ているだけで、現場の様子がわかるだけに[ま、自分で撮ってんだから当たり前ですよね(^^;]、なんだか息まで楽になるような気がします。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。



久しぶりに外に出たのである。谷中を歩いたのである。しかも、お仕事という長いトンネルを抜けて、谷中のさくらのトンネルに入ったのである。だから今日はご機嫌が良いのである。そしてまた、しかも、漂泊のブロガーさんと一緒だったのである。だから今日は、文章が aki's STOCKTAKING風なのだ(^^; [akiさん m(__)m]

というわけで、

谷中の昭和館

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このごみ箱は、谷中のセブンラックス・スポーツセンター跡地そばの路地にあります。路地といっても、長屋の路地ではなく、一軒家を建てた後の余白といった感じです。要は、隣りとの間にフェンスをしなかった所が通路になっている、といった感じです。ということは、この一画に建つ家は、借地に建っているのかな?と考えることができます。が、事実関係は不明。想像の域をでません。
最近は、このコンクリート製のごみ箱は、さすがに数が減り、そうそう目にすることはありませんが、下町ではまだ、防火用水とともにそこそこの数が残っています。
と、ここまで言って、今日の写真のメインは、ごみ箱だけではありません(^^; プラスごみ箱が置かれた環境です。今日残っているごみ箱の多くは、不釣り合いな環境に、いかにもじゃま物扱いで置かれていますが、このごみ箱は、この手のごみ箱が活躍した当時の環境に置かれています。「あ、一般家庭では、こういう使われ方をしていたのか」ということが分かる場所に置かれているということなんです。
この一画には、波形トタンと下見張りの壁、土の路地とコンクリートのごみ箱、雑草、洗濯竿を掛ける柱などが残っていて、「生ける昭和館」とでも呼びたくなります。なにも九段[昭和館]まで行く必要はありません(^^;

【場所】台東区谷中3丁目あたりです。
【余談】「セブンラックス」って何だ?とお思いの方がいらっしゃると思いますが、これは「七福神」のことだそうです(^^;

谷中のはずれの階段

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散歩は、晴れた穏やかな日にかぎります。雨はいけません。ですが、時に、「あそこを雨の日に歩いてみたい」と思うことがあります。
この階段がそうでした。日暮里駅のすぐ上にあるのですが、改札口から谷中の町へ通ずる道からは逸れているため、通行する人の数は限られています。いつ行っても静かなものです。
周囲は石垣で固められています。ただし、石垣とは言っても、大きさも形も材質も違う塊を、なし崩しに積み上げたようなもので、石垣と呼べるかどうか?です。レンガ塀や大谷石の塀などを取り壊したときのクズらしきものや丸・三角・四角の石など、なんでもアリという造りです。ま、いまでは、そこに草などが生えて、それなりに味は出てきているのですが...。
そんなわけで、この階段も、いかにも古い石を使ってある部分や、単にコンクリート板を積んだような部分などが混じっています。そこを晴れた日に見ると、その素性がはっきりと目につき、なんだか全体にまとまりがありません。例えば、コンクリート部分は白く、土の部分は黒く、石の部分はグレーで、質感もそれぞれに異なります。なんだかパサパサとかバラバラといった表現がぴったりなんですね。
それが、今日、小雨に濡れたところを見てみると、ちぐはぐだった色がひとつになり、バラバラだった部品がやっとひとつにまったような感じさえします。なんだか、しっとりとした落ち着きと、路地の風情さえ感じられます。どうやら、雨は、風景に、まとまりと落ち着きをあたえてくれるようです。そして、すこしばかりの艶も...。

【場所】台東区谷中7丁目あたりです。

手作りののれん

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これは、谷中にある古くからのお店「愛玉子(オーギョーチイ)」の入口にかかっているのれんです。
このお店の入口の上には、黄色地に黒で愛玉子と書かれた大胆で大きな看板が取りつけられていて、それがあまりに人目をひくため、こののれんは見逃されがちです。僕も、つい先日まで気がつきませんでした。
が、ふと気がつくと、大胆な看板とは対照的に小作りで小ざっぱりとしたこののれんから目が離せなくなってしまいます。
これは誰に聞かなくても、手作りであることは、すぐに分かります。おそらくは、ご主人がミシンを踏んで縫い、起毛した生地から「喫茶」の文字を切り抜いて、それを貼り付けたものでしょう。そして、そののれんは、やはり手作りの、両端が穏やかにカーブした鉄の棒に通してあります。
根津や谷中では、藍染めの粋なのれんはよく目にしますが、このような、温かい、作り手の手の温もりが伝わってくるようなのれんは見たことがありません。無言で、作り手の優しい人柄を物語ってきます。「いらっしゃい、よく来てくれたね」と、まるで孫にでも向かって話しかけているようです。見ていると、ちょっと切なさを加味したような温かさで、じわりと胸が満たされます。

【場所】台東区上野桜木2丁目あたりです。
【追記】こののれんは、5年前にお亡くなりになった前のご主人(長津初子さん)が、いまから10年ほど前に、ご自身でお作りになったものだそうです。

この家は、三崎坂をのぼりきった辺りにある路地の中程にたっています。外壁の板の経年による変化具合からすると、戦前の建物であることは確実で、もしや震災後の建物かな?と思えるほどの古さです。
面白いことに、この家は、2階が増築されているようなのですが、2階を支える柱が1階部分の外側に通っているのです(写真でお分かりいただけますよね)。そして、2階部分は、全体が波形トタンで覆われています。したがって、古い平屋の上に、木造のピロティ式建物をぽんと被せたような感じがするのです。いったい、この2階を支える柱は、2階増築後に補強のために追加したものなのか、それとも本当に1階に負担をかけないために最初からこういう造りだったのか? 専門知識のない僕には???です。
実は、この家は、奥(写真左方向)に向かって結構のびています。そして、どうやらアパートにでもなっているようです。どういう造りなのか、もう少し奥も見たかったのですが、入口には、古い角材を利用した門がたっていて、これがまた、なかなか威力があります。無断でこの門をくぐるわけにはいきません。残念ながら、奥の造りについては、いずれ...です。
しかし、この家は、古いのですが、外壁の板をから拭きでもしているのだろうか?と思うほどスッキリしています。また、損傷部分には「お金をかけず手をかけた」修理の跡があり、まわりの植物などもきちんと手入れされていて、清楚な感じすらします。そして、何より、味と貫禄があります。肩で息をしながらも...。

【場所】台東区谷中5丁目あたりです。

降りつづく雨を見ているうちに、無性に、雨の谷中を歩いてみたくなった。いや、つい先日初めて訪ねたばかりの「谷中ボッサ」に行きたくなってしまった、と言ったほうが正確だ。
雨、カルロス・ジョビン、路地、ジョアン・ジルベルト、坂、そして谷中、そんな言葉の組み合わせが頭のなかでグルグルと回りはじめ、ついに傘をさして谷中ボッサに足を運んだ。その組み合わせがどんなものかを確かめるために...。

日暮里駅で電車を降り、もう明かりが灯った「ゲルマニウム温湯」の看板を見ながら、雨に濡れた坂をのぼり、谷中墓地に入った。墓地の桜並木に出ると、桜の枝のトンネルの向こうが雨と靄で薄くかすんで見える。桜はまだ芽吹いていないらしく、枝にはまだ丸味が感じられない。

野田家専用の井戸

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カクカクと曲がりながら、根津寄りのお寺の境内から谷中の高台につながる路地があります。大通りから離れるようにして、お寺や民家の間を通っているため、とても静かで落ち着きがあります。路地としては、かなり長く、しかも、けっこうな高低差があります。途中、路地の真ん中に大木がたっていたり、長屋の発展型か?と思わせるような一画で子供が遊んでいたり、こうして、ちょっと広くなった場所に井戸があったり、階段があったりと、変化にも富んでいます。
ところで、この右側に見えるトタン屋根ですが、これは井戸専用の屋根です。その柱には「野田家専用」と書かれています。井戸のすぐ左手にある野田さんというお宅専用の井戸なんですね。
昨年の夏、ここを通りかかると、ちょうど外出からお戻りになったのか、奥様らしき方が、洗面器に井戸水を汲み、そこに足をつけて涼をとっていらっしゃる場面に遭遇しました。もちろん、夏ですから、このあたりは木の葉が繁り、この写真からは想像できないほど、緑で鬱蒼とした雰囲気でした。その木陰で、井戸水に足を浸して涼をとる。なんだか、騒音と排気ガスが充満した都心の大通りがすぐ近くにあるなんて、とても信じられない光景でした。

【場所】台東区谷中1丁目あたりです。
【追記】路地に大木がたっている写真は、昨年の夏に撮ったものです。

宮の湯の煙突

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根津の銭湯「宮の湯」の煙突です。最近は、銭湯の数が減ったり銭湯がマンションに組み込まれたりして、昔ながらの背の高い煙突を目にする機会が減っています。
根津も徐々にではあれ、高層のマンションが増えてきています。いずれ、このように「銭湯の煙突の向こうに空と雲」なんて構図は望めなくなるかもです。そうならないうちに、この根津の目印を撮っておこうと、ずっと思っていたのですが、狭い路地から煙突を撮るというのは、なかなか難しく、不発に終わっていました。が、先日、ふと思いついたのが、この構図です。自分では、素直な構図だと思ってるんですが...。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。
【余談】本日は、体調不十分なため、短文失礼です。

谷中の吉兆荘

これは、谷中にある吉兆荘というモルタル2階建のアパートの入口です。同じ敷地内に、もう1棟の町屋式アパートと、古い家が1軒たっています。それらはL字に配置されているため、アパートの裏手にはかなり広いスペースがあり、現在、そこは駐車場として使われています。
このアパートには外廊下が付いているのですが、おもしろいことに、1階部分の外廊下が、階段数段分ほど地面より高くなっています。要は高床式なわけですね。モルタルアパートなのに...。それだけで、このアパートは何となく他のアパートとは雰囲気が違います。日本ぽくないと言うのか...。
いまは冬ですから、この写真のように、わりとさっぱりしていますが、これが夏ともなると、敷地の出入口は、立木や蔦類が繁らせた葉で鬱蒼としたトンネル状態になり、木漏れ日がチラチラと揺れながら地面に落ちて、涼しげで、もっと異国的な雰囲気ができあがります。
ただし、良いことばかりではありません。この奥の棟は無人になっていて、その裏には粗大ゴミが捨てられ、建物もろとも荒れ放題といった感じです。建物は、ちょっと手を入れれば、まだ使えそうなんですけどね。もったいない話です。
でも、捨てたもんでもありません。今年の正月の夕方、ここを通りかかり、写真を撮っていると、無人アパートのまわりを熱心に見ている3人組に出会いました。聞けば、3人とも芸大建築科の学生さんで、無人アパートのほうを再生してアトリエ兼住居にしたいと思い、下見しているというのです。なんだか嬉しかったですね。3人とも良い目をしてらしたな〜。

【場所】台東区谷中5丁目あたりです。

縁起貝

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これは三崎坂のいせ辰さんに飾られていたもので、ちょうと雛祭りの前々日くらいに通りかかったときに目にしました。カラフルできれいですよね。華やかな和の感じもあるし...。
うちにもひとつ欲しいなと思い、ご主人に聞いてみました、「これ、雛祭りにちなんだ飾りものなんですか?」と。すると、「特に雛祭りにという訳ではありませんが、縁起が良いといってお正月や雛祭りに飾ったりしますね...」という返事が返ってきました。
その説明を聞いても、カラフルで華やいだ感じがするから縁起が良いのかな?と、思うだけでピンと来ません。でも、どうもそれだけでは、縁起が良い所以も何もありません。が、うぬ?と、ちょっと考えて、気がつきました。
縁起貝と書いて、これを普通に読めば「エンギガイ」です。でもご主人は「エンギガイー」と伸ばしてたんですね。「エンギガイー」から「エンギガイイ」となり「縁起が良い」となる訳です。
要は洒落でした。しかし、こんな洒落が、こんな洒落たかたちで生きてるってのは、やはり、谷中いせ辰さんならでは、でしょうか。

【場所】台東区谷中2丁目あたりです。
【追記】この縁起貝は、残念ながら、売り物ではありませんでした。

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