(谷中) 根津 千駄木の最近のブログ記事

下町を歩くと、そこらじゅうで目にするのが波形のトタン板。屋根や壁などに貼られ、そのうえをブルーやグリーン、茶色やグレーなどの塗料で塗装してあります。その塗装面が年月とともに退色し、ひび割れ、部分的にめくれたり剥がれ落ち、錆びが出て、なんとも言えない渋い色に変化していきます。いや、変化というよりも成長していくと言ったほうが良いくらいです。数奇者と言われるかもしれませんが、このトタンアートはそばで見ると実に迫力があり、たまらない魅力を感じます。ところで、トタンというのは鋼板を亜鉛メッキしたもので、ポルトガル語源だそうです。ちょっと脱線しますが、テネシー・ウィリアムズの作品に "Cat on a Hot Tin Roof" というのがあります。この邦題が「熱いトタン屋根の猫」なんですね〜。Tin (plate) は辞書で調べるとブリキです。トタンは galvanized-iron (plate) または zinic (plate)。ですからTin Roofってのは正確には「トタン屋根」ではなく「ブリキ屋根」なんですね。でも、ま、屋根はトタンのほうが雰囲気があります。これがオモチャになるとどうしたってブリキですしね。これが文芸ってもんなんでしょうね。原作者だって、もしかすると、頭のなかにトタン屋根を思い描きながら Tin Roofってタイプしたのかもしれません。トタンには意外な芸術性とロマンがあります(^^;

【場所】台東区谷中1丁目あたりです。

街を歩くと、お稲荷さんが多いのにはびっくりします。商店街の一画は言うにおよばず、デパートの屋上やビルの裏の細い路地、超近代的なビルの庭園の隅などにもあります。それが、下町になると、もっと生活密着型になるのか、アパートの敷地内や、この写真のように民家の敷地内にまであります。これを見たときはさすがにびっくりしました。これほど園芸の一部と化した鳥居なんて他に見たことがありません。しかも、このすぐ奥は台所になっていて、夕方になると、トントンと包丁の音が聞こえ、煮炊きする匂いがしてきます。どうしてこういうことになったのか、興味はあるのですが、まだ誰にも尋くチャンスに恵まれません。その答えはまたいずれ...。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。

最近、下町のあちこちで、古い町屋や民家をあまり改造せず、リファインしてショップにする試みを目にする。このショップは、谷中の三崎坂を上りきって左にすこし入った所にある。看板建築よりも古い「出桁造り」の町屋をそのまま利用している。通りかかったときは、まだ開店していなかったので、どんな店なのかは分からない。おそらくは、音楽好きのオウナーが経営するバーだろうと思う。元々あった看板をベージュのペンキで塗り込め、その上からショップ名をストリートペイント風に描いてある。が、それだけのことで、イメージはガラリと変わる。甘味を引き立てる微量の塩の効果にも似て...。2階に吊された洗濯物を干す道具が、パッと咲いた花や線香花火、はたまた変わりテルテル坊主や意識的に配置されたオブジェにも見えてくる。え? そうは見えない? ま、いいじゃないですか(^^;

【場所】台東区谷中7丁目あたりです。
【追記】その後、ここはバーではなく、雑貨店らしいということが分かりました。

初秋の気配

相変わらず陽射しが強いとは言え、昨日までとは違って湿度が低く、過ごしやすい日でした。考えてみれば、もう8月も下旬になったんですね。もうじき9月。夏の勢力にも陰りが見え始めたのでしょうか。そう願いたい、と思う反面、夏が去ってゆくのは、なんだか淋しくもあります。そんな気分で谷中を歩いていると、風で門柱のそばに吹き寄せられた落葉が、秋の枯葉にも見えてくるから不思議です。そこだけはもう初秋でした。境内の木々はまだ青々としているのに...。

【場所】台東区谷中1丁目あたりです。

谷中の住人

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今日の写真は、我ながらのっぺりしています。「これは写真だ」という感覚を捨てて、抽象画でも見るような積もりで見てください。そんな写真を何故アップするのか?ですが、それがです。谷中では、カメラを構えていて、ふと気がつくと、レンズの前を横切るまいと、人が立ち止まって待っていてくれることが度々あります。ほんとに申し訳ないくらいに...。この写真を撮っているときもそうでした。それが、このときは、珍しいことに、僕と同年配の男性が立ち止まって待っていてくれたのです。この辺りには珍しくモダンな感覚をした人で、優しい笑みを浮かべ、こちらの緊張感をスッと解いてくれるような、和やかな雰囲気が感じられます。話してみると、彼は2年前に港区白金からこの谷中に引っ越してきたといいます。理由は「白金はオシャレになり過ぎて、普段着では外にも出られなくなった。ギスギスしてきたし...。が、谷中を歩いてみると、人の当たりが柔らかく、普段着の生活があった。それに惹かれて引っ越しを決意した」というのです。やはり、谷中の人達の「当たり」は柔らかいんですね。谷中の住人が言うんですから間違いないです。そして、もうひとつ印象的だったのは、「こんな家(写真)に住みたいと思うのだが、果たして自分に住めるのだろうか?」という言葉でした。同感でした。僕も同じことを何度も考えていたのです。

【場所】台東区谷中1丁目あたりです。
【追伸】本日(12日)から東京を離れます。行き先は山口県です。山口県(山陰側)はネット事情が悪く、サイトの更新などはちょっと無理です(アップを試みますが、アナログ接続だからきっと無理)。したがって、東京に戻る18日まで、お休みとさせていただきます。18日過ぎたら、また立ち寄ってみてくださ〜い。

根津路地裏の花屋

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下町では軒下園芸がさかんで、どの家の軒下にも、多かれ少なかれ鉢植えが並んでいる。町の花屋顔負けの数の鉢を並べている家もある。園芸店と間違えそうなほどだ。しかし、最初にこのお店の前を通りかかったときは、その逆だった。なんと凄い数の鉢を置いている家なんだろう!と驚いたのだ。花屋とは思わなかった。「いや、民家じゃないな。看板も見あたらないけど、これは花屋さんだ」と気づくのに少し時間がかかった。見れば、鉢の多くに草木の名前を書いた札が立ててある。売り物ということだ。しかし、見れば見るほど、商品陳列というイメージからは程遠く、すべての鉢が軒下に馴染んで鎮座している。この手法、流行の「オシャレ」という乗りとは正反対だが、鉢を放りっぱなしというわけでは決してない。この渾然とした感覚は素晴らしい。この花屋は、語らず、道ゆく人に軒下園芸の粋を見せているような気がする。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。
【追記】以前、このお店のサイトを見た記憶があるので、探したのですが、見つかりませんでした。

昨日のパン屋さんの話しのつづきです。今日、夕方近くなってから家を出て、谷中を歩きました。三浦坂と呼ばれる坂をのぼり、突き当たりを右に曲がると、見えてきました。ヒマラヤ杉の大樹です。その根元で、今日は、ご店主らしい年配の女性と犬を連れた女性が立ち話しているのが見えます。ここまで歩いただけでも汗だく。とりあえずお茶を買って喉を潤します。やはり年配の女性はご店主でした。白髪をショートカットにしたキリッとした感じの女性です。事のついでに、ヒマラヤ杉について尋ねると、気さくに答えてもらえました。これは意外にも、そう昔から立っていた訳ではなく、昭和31年頃に、鉢植えで置いていたものが地面に根を伸ばし、それから一気に勢いを増してスクスクと育ち、今日の大樹になったんだそうです。しかも、家を持ち上げないように、根を家と反対方向に伸ばしているというんだから、偉いヒマラヤ杉ですね〜。しかし、こんなに下枝の残っている大樹というのは滅多にありません。この下枝は見事です。これだけでも大切にされていることが分かります。ところで、お店の屋号「みかどパン店」の由来ですが、家が三叉路の角にあり、三角形だから、ということでした。今日の写真は、ご店主が親切にも見せてくだすった、ヒマラヤ杉がまだひよっ子だった頃の写真を、お店の前で撮ったものです(家の前に見える小さな木がヒマラヤ杉です)。

【場所】台東区谷中1丁目あたりです。

大樹とパン屋

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谷中でも最も高台になる辺りに、ヒマラヤ杉の大樹が立っている。見上げるほどの高さだ。枝も良く張って、元気そうだ。その根元に、小さなパン屋さんがある。正真正銘の間口一間。かなり古そうだ。しかし、まわりはお寺と墓地ばかり。どうしてこの場所にパン屋さんなのか? なんだか不思議なお店だ。物語にでも出てきそうだ。不老不死の魔法のパンでも売っているのだろうか?

【場所】台東区谷中1丁目あたりです。

谷中の背高のっぽ

今日も谷中です。撮影したのは圓朝の幽霊画コレクションを観に行った日。例の暑い暑い日です。谷中の奥に歩を進めてみました。すると、「谷中、谷中と言うけど、結局はお寺とお墓だけの町じゃないか」という、僕の先入観をかるくひっくり返してくれる材料がザックザクです。この背高のっぽの建物もそのひとつです。まわりに背の高い建物がないせいもあって、異様に背が高く感じます。しかも、この建物には、最近の高層ビルには感じられない、空中に飛び出すような力感があります。例えが悪いかもしれませんが、バンブーロケットのような迫力。こんな建物を間近に見ると、人間、なんとなく楽しくなってきます。ところで、この建物ですが、元々は江戸時代から近年までつづいた質屋さんだそうです。が、現在はアートギャラリーとして使用されています。次の機会に是非なかを拝見と思っています。詳しくはこちらのホームページで...。

【場所】台東区谷中7丁目あたりです。

谷中が好き

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このところ、なんとなく谷中に足が向きます。お寺が多いせいか、背の高いビルがなく、空を感じながら歩く気持ちの良さがあります。住んでいる人たちの"当たり"も、他の町よりも柔らかく、ここではよそ者になる僕にも気軽に声がかかります。もっぱら暇なお年寄りですが、その人たちの谷中にまつわる昔話や自慢話は興味深く、ついつい長話をしてしまいます。今日は、すぐそこで和菓子屋をやっていたという、自転車に乗った年配の男性から声がかかり、写真談義が始まりました。その人も写真が好きで、「むかしアサヒカメラに応募して3度入選した」とか「親父が残してくれたライカが最高だ」とか「谷中の写真は谷中っ子じゃないと...」とか「このお寺の住職とは同じ学校に通ってた仲だから、雪の日にモデルになってもらって、それが入選したんだ」などなど...。自慢話を聞かされただけのようですが、まったく嫌みがありません。屈託がないからなんでしょう。この人と別れてから、写真を撮ってまわる僕の心が、何故かいつもより元気よく弾んでいました。今日は楽しかった。だんだん谷中が好きになっていきます。

【場所】台東区谷中7丁目あたりです。

今日(4日)は、暑いなか、谷中の圓朝まつりの間、全生庵というお寺で公開される、圓朝の幽霊画コレクションを観に行ってきました。陽射しが強く、光がきれいだったので、あちこちと寄り道が多く、なかなか全生庵までたどり着きません。やっと着いた頃にはもう汗だくでした。が、まずは本堂の裏手にある墓地にまわり、圓朝のお墓に合掌。青く澄んだ空に雲がぽかりぽかりと浮かんでいて、そこに百日紅のピンクの花が映え、居るのは僕ひとり。なんだか久々に両手を拡げて伸びをしたくなるうような、長閑[のどか]な気分に浸れました。さて、いよいよ幽霊にご対面です。本堂の階段をのぼり、靴を脱いでなかに入ると、画の展示なのに電気が灯いていません。案内役の女性に聞くと、「電気で煌々と照らすよりも、西陽だけで観たほうが、雰囲気があるので」ということ。 さすが! が、まずは電気を灯けてひと通り鑑賞し、その後、案内の女性の言葉に従って電気を消しました。明かりは障子越しの西陽だけになり、部屋はすとんと仄暗くなります。すると、途端に掛け軸のなかの幽霊が生き生き[幽霊なのに?とか言わないでね(^^;]として、一気に迫力が増します。背筋にすーっと冷たいものが走り、思わず汗も引いてしまいそうです。しかし、昔の画なのに、洒落た斬新とも言える構図が多いのには驚きました。これは観ておく価値があると思います。

【付録1】展示室風景
【付録2】お気に入りの幽霊画 [1:月岡芳年筆][2:鈴木誠一筆][3:林静筆][4:光村筆][5:高嶋甘禄筆]
【場所】台東区谷中5丁目あたりです。
【追記】全生庵のサイトで、きちんと撮影された幽霊画や、全生庵のご住職が圓朝との関わりについて語っているビデオなどを見ることができます。

谷中の窓辺ガーデニング

地下鉄の千駄木で下車して谷中方面に歩くと、必ずと言っていいほど、夜店通りを歩くことになる。その通りに面して、春木屋という中華料理屋さんがある。例によって、そのお店で食事をしたことは、まだない。ま、どうということもない、ごく普通の中華屋さんだ。が、その中華屋さんの横にまわるとこの窓がある。その下には段々が作ってあって、そのうえに種々な植物が並べられている。ここは通るたびに気になって足を止めてしまう。そして、いつも考えることは、「この赤い窓枠は、中華系を意識して赤く塗ったもので、それが上手くミスマッチして、ちょっとお洒落っぽく見えているのだろうか?」というつまらないこと。ま、どうでもいいか...。とにかく、この窓辺、下町の定番・路地ガーデニングのなかでも、かなり気に入っている。

【場所】台東区谷中3丁目あたりです。

谷中の "いい感じ"

谷中や根津を歩いていると、思わぬところでギャラリーやギャラリー半分のお店にでくわします。六阿弥陀道と呼ばれる通りを歩いていると、屋上にピンクのラクダを発見。なんぞや!っと足を速めました。ところで、この道、細いくせにやたらと車が通ります。危なくていけません。後で聞いたところによると、不忍通りが混んだときの抜け道になっているということです。この通り沿いに住んでらっしゃる方々は迷惑千万でしょうね〜。ま、そんなわけで、ラクダ館に急ぎました。すると、そこはギャラリーになってまして、入り口には "Bolivia Japon 日本展" と看板が出ています。でも、そこにはダ〜レも居ないんです。なんだか入って良いのか悪いのか??? と思いながらも、即、入ってみました。展示品は数点がパラっと置いてあるだけです。最初は、展示品なのか備品なのか分からないって感じです。いまでも不思議。そこで気になったのがこの仮面。タイトルが「いい感じ」。たしかにいい感じ。作者は菱山裕子さんと書いてあります。お値段ですが、20万円也。盗まれたらどうすんの。ま、谷中あたりはまだまだおっとりしたところがあります。

【場所】荒川区西日暮里2丁目あたりです。[気分的には谷中]
【追記】このギャラリーは "HIGURE 17-15 CAS contemporary art studio"というそうです。
【追記】ボリビアと日本が外交を樹立して今年で90周年を迎えるのを記念した展示会でした。

驚きました。これがお寺の塀とはね。なにしろピンクですからね。お寺の名前も花見寺。これほんとです。ま〜いろいろあるもんです。しかも塀に埋め込まれているタイルの図柄が布袋さん。なんだか現場に立って、しばらくは状況が理解できないって感じでした。でも、このお寺の布袋さんは、江戸時代から谷中七福神のひとつに数えられてる有名な布袋さんなんだそうです。とは言えです。この趣向、確かに話題性はあるでしょうし、面白いし、さっそく写真を撮ったくせして何ですが、僕はちょっと勘弁ですね。ここの檀家になれと言われたら、躊躇します、いえお断りします(^^; しかし住職さんには会ってみたい気がしますね。きっと話し上手の面白い人なんじゃないかな? サーファーだったりするかも?

【場所】荒川区西日暮里3丁目あたりです。全景を見る。

今日(16日)は暑いなか、千駄木から谷中、湯島あたりを歩いていました。今日でお盆が終わりですから、夕刻になると、あちこちで送り火を焚くのを目にしました。さすがに下町ですね。ことろが、まだ午後の早い時間に送り火を焚き終わった家がありました。しかも、送り火を焚いただけではなく、果物やほおずき、藁の馬などが供えてあります。さすがに、そこまでしてある家は珍しいので、それを写真に撮っていると、ちょうど近所のおばあちゃんが通りかかり、その訳を話してくれました。そのお宅の、亡くなったおばあちゃんは、足が悪くて歩くのが遅いので、他の人[精霊]に遅れちゃいけないからすこし早めに送り出したのだ、というのです。この話しを、「人の想い」っていいもんだな〜と思って聞くことができたのは、僕も歳をとったってことなんでしょうね。でも、歳をとるのも、それほど悪いもんじゃありません。

【場所】台東区谷中3丁目あたりです。
【余談】昨日に引き続き、なんだか線香臭くて申し訳ありません(^^; でもね、身近な人が一人二人とあの世に行ってしまうと、徐々にこういったことにも関心がいくようになるもんなんですね。ついでですから、谷中で耳にした話。谷中はお墓が近いから、いまでも、提灯を持ってお寺まで精霊を送り迎えする人がいるそうです。

今日(15日に書いています)はお盆ですね。さて、今日の一枚は千駄木にある仏具屋さんです。最近、仏具屋さんって見たことありますか? 田原町とか巣鴨などは例外ですが、ほとんど見ないですよね。でも、葬儀に参列する機会というものは、残念なことに、必ずあります。となると、いくら略式になったとしても、数珠くらいは必要です。そこで、今日のポイントですが、数珠も、ど〜せ持つなら、お洒落なものにしませんか?ってことなんです。日本のローカルとしては...。昔、粋筋の麗人が、うぐいす色の喪服で葬儀に参列しているのを目にしたことがあります。これ、すさまじくカッコよかったですね。ま、これは素人がやっても様にならないので、そこまでとは言いませんが、今のうちに、町に仏具屋さんがあったら覗いてみて、どんな数珠がお洒落なのか、自分の目で確かめたり教えてもらっておいたらどうでしょうか。そんなことを考えていると、仏具屋さんが健在な千駄木という町が、また違って見えてきます。お盆に想う、でした。

【場所】文京区千駄木2丁目あたりです。

今日は、参院選の投票日ですね。でも、どちらかと言うと、アメリカ大統領選のほうが興味あったりします。与党が変わっても日本は変わらないけど、アメリカが変われば日本も変わる、と心の底で思っているからです。でも、ま、明日は、そんなクールなこと言ってないで、「この一票が日本を変える」と熱く燃えて(^^;投票に行きましょう。それはともかく。下町には政治家のポスターがほんとに沢山貼られています。まさに軒並みで、どこにレンズを向けても入り込んできます。自動販売機よりひどいくらい。邪魔です! ウザいです! でも貼られてるものは仕方ありません。大人しい日本人としては、黙ってそれを避けて写真を撮ってます。でも、この一画は別です。目立つことが第一義の政治家ポスターが完全に負けてます。しかし、このカフェの看板、凄いです。なかに入るのが怖い感じです。

【場所】文京区根津1丁目あたりです。

古着物の夢市

琴に墨で屋号を描いた看板が良い。初めて見たときは、いったいこれは何なのか、理解するまでに少し時間がかかった。元々「夢市」と描かれていたのだが、皆が手で触れるのだろう、すでに「市」がほぼ消えて、読めなくなっていた。このお店は古い布切れや着物を中心に取り扱っているらしい。というのは、興味はあれど、ここはさすがに男一人では入りにくいので、店内で商品を見たことがないのだ。でも、きっと良いモノに出会えそうな雰囲気がある。普通の民家風のあがり口がスローな感じを醸し出している。なんだか、このお店、古いアロハシャツなんかを売っていても不思議はない感覚だ。

【場所】台東区谷中2丁目あたりです。夢市さんのホームページはここです。

木造3階建というと、とかく本郷森川町の本郷館が思いだされる。だが、根津の人たちにとってはここ「はん亭」だろう。ここは元々は下駄の爪皮屋だったという。しかし、ご長男が音楽家になり爪皮屋は廃業。それを後に運送会社が買い取り、独身者や季節労働者の寮として使っていたらしい。この頃は、内外ともに相当に荒れていたようだ。そこを偶然に通りかかった現在のご店主が惚れ込み、長い交渉の末入手し、最初はご家族全員で住んでいらしたという。当時、ご店主は上野本牧亭の裏で「くし一」という串揚げ屋を営んでおられた。そこで「くし一」から半歩でも前に進みたいとの思いから、屋号を「はん亭」になさったという。この建物は大正初期に建てられたものだが、いまでも見るからにしっかりしているし、優美だ。だが、その裏にはご店主の並々ならぬ努力が隠されている。あばら家同然だった建物を、原石であると見抜き、自ら磨き上げ、宝石として世に出した。それが見事に客を魅了した。繁盛している。だから磨き行程をつづけることができる。良いサイクルが成立しているようだ。

はん亭の場所:文京区根津2-12-15 / 03-3828-1440

【老婆心】爪皮=つまかわ。 雨の日に下駄の先にかけるカバー。爪掛け(つまかけ)とも言う。
(後記) はん亭はあまりに有名だし、どこのサイトを見ても、この角度からの写真が紹介されているので、「無名風景」にこだわりたいと思っているこのサイトでは、採り上げまいと思っていました。でも、この日は、光も優しかったし、赤いニュービートルも停まっていて、ちょっと雰囲気が違って見えました。ま、有名でも表情が違えばいいか?ということで、アップしました。

誰も居ない昼下がりの路地

根津の路地に入り込んだ。両腕を左右にひろげると、手の先が建物に振れるほどの狭い径がつづく。路地は、通常、その路地の住人しか通らない。だから、初めての路地を通るときは、誰かにとがめられはしないかと、何時もちょっと緊張する。だから、できるだけ足音を消し、そっと歩くようにしている。しかし、ここはまったく人通りがない。根津の路地にしては、失礼な言い方かもしれないが、あまりにすっきりと片づけられている。人が住んでいるのに、人の気配が感じられない。照りつける太陽を避けるように、皆が家の奥で、息を潜めているような印象なのだ。追いかけっこをしている子供たちが、嬌声をあげながら、角を曲がってこちらに突進してくるような光景は、もう白日夢でしかないようだ。暑い。ペットボトル入りのお茶でも買いに行こう。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。

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