(谷中) 根津 千駄木の最近のブログ記事

谷中のいせ辰。元治元年(1864年)創業の老舗。三崎坂[さんさきざか]の途中に、千代紙で作られた羽子板状の看板(?)と、大福帳を形取った看板が見える。店内に入ると、さながら江戸千代紙の万華鏡の世界。圧倒される。昔ながらの版木を使って刷りあげた本物だけが持つパワーなのか。置いてある品のどれもこれもが欲しくなる。ポチ袋などは、特に、いせ辰のものを用意しておいて、いざという時にさっと取り出してさっと手渡せば、粋でいなせでひじょうによろしいようだ。僕にはとてもできない技だけど...(^^;
ひとつ有名なエピソードがある。いせ辰が昔製作し輸出したナプキンの図柄が、ゴッホの作品 "タンギー爺さん" の背景に描き込まれているというのだ。確認してみよう。間違いない。確かに、左下方にそれらしき図柄が見える。だからどうだということもないが、当時すでに千代紙技術をナプキンに転用して輸出していたこと驚きを感じる。しかも浮世絵ファンで鳴らしたゴッホ、気に入らないものは背景になんかに入れない。気に入ったからこそ背景に描いたに違いない。この事実、判明したのはわりと最近のことのようだ。辰五郎おそるべし。

【追記】ゴッホ(1853-90)。背景に描かれたナプキンのオリジナルは世界に1枚しかないという。いせ辰にすら残っていない。近年パリで発見され、それを山口県立萩美術館・浦上記念館が購入・所有している。
【余談】おみやげに 、葉書セットと、暑い日だったので江戸団扇を買いました。今回は江戸千代紙の魅力をちっとも伝えられませんでしたので、ここも、いずれ特集ですね。

いせ辰の場所:台東区谷中2-18-9 / TEL 03-3823-1453

米国の友人を東京案内しているときに彼が言った。「日本はどこにでも自動販売機があって、100円程度でコーヒーが飲めて最高だ。しかも美味しい」と。彼は、日頃、全米を飛び回っているミュージシャンだ。「美味しい」はともかくとして、彼の言うことに間違いはない。ま、確かに便利だ。が、風景写真を撮っている者にとっては、これが大変に不便なことが多い。何処にレンズを向けても、フレームに自動販売機が入り込んでくるのだ。これを避けようと四苦八苦したあげく結局絵にならない、なんてことは日常茶飯事だ。しかし、これだけ数が多いと「逆に自動販売機をテーマにしてしまうのもアリだな〜」と考えたことがある。まずは谷中のこいつからスタートしようか? しかしこの状況、ロバート・フランクの写真集「アメリカンズ」に収録されている、ドライブインのジュークボックスやテレビの写真と似た匂いがする。...のは僕だけ?

【場所】台東区谷中1丁目4あたりです。
【余談1】この写真には、偶然にも、下町の代表的な壁材(板壁・波形トタン・モルタル)が3つとも写り込んでいます。
【余談2】写真集「アメリカンズ」の序文は「路上」の作者ジャック・ケルアックが書いています。これ、ちょっと気になりますよね。

この路地は、谷中銀座の商店街からちょっとばかり入ったところにあり、普段は、覆い茂った樹や植物のせいで昼間でも暗い。ここを陰気くさいという人もいるだろうと思う。実は僕もそう思っていた。もうすこし枝を落とせば良いのに...と。だけど、晴れて日差しの強い日には、その樹と植物のおかげで、この路地が小経に変身する。空気がひんやりとして汗ばんだ肌に心地良い。木漏れ日がきらきらと美しい陰影をつくり、目を楽しませてくれる。ここが都心だということを忘れる。ジェリー・ガルシアの歌うレゲエソングを聴きたいと思った。やっぱりiPodを買おうかな。

【場所】台東区谷中3丁目あたりです。
【余談】 ジェリー・ガルシアは、日本ではいまひとつ知られていませんが、アメリカでは、60年代中頃から活動をつづけたスーパーライブバンド「グレイトフル・デッド」のリーダーとしてたいへん有名なミュージシャンです。このバンドはショウの録音を条件付きで許可していたため、ファンの手に録音テープが沢山残っています。そして、ファン同士が録音したテープを交換する「テープトレード」という習慣ができあがっていきます。残念ながら、ジェリー・ガルシアは1995年に突然亡くなり、求心力を失ったグレイトフル・デッドも活動を停止しました。超老婆心ながら、iPodについては ココです。

昔のお屋敷は、周囲を煉瓦塀で囲ったものが多かったのか、旧屋敷町にはその名残があちこちに見られる。意識的に残したと思われるものも多い。ここも、手前側が元々誰か有力者のお屋敷だったに違いない。その頃は、この煉瓦の壁1枚が、落差の大きい2つの世界を隔てていた。が、今では単に記念碑的な存在に過ぎない。僕は、この古い煉瓦塀ってやつが、物としてはとても好きだ。この写真、洗濯物はさほどフォトジェニックではないけれど、この煉瓦塀のおかげてピックアップされた、という感じかな。(追記:でも、ブルーのシャツのダンスはなかなかポイント高いです)

【場所】文京区根津2丁目あたりです。

(追) 昨日の本郷編を左側に、この根津編を右側に配置して、2枚をセットにして見ると雰囲気が出る、と自分では思ってるのですが...。こういう感じです。

昔、そう遠くはない昔、根津と谷中の境にはくねくねと川が流れていた。この地には染物や洗張を生業にする商店が集まっていため、川は藍染川と呼ばれた。今でも、根津の路地を歩いていると、その名残か、「洗張」の看板を目にすることがある。その筆頭格が、創業明治28年という丁子屋さんだ。木枠の引き戸の硝子に白で直接書かれた「染物 洗張 丁子屋」の文字が、控えめに誇らしげで、そして清潔で、気持ちが良い。背景になった洗い晒したような板は洗張に使うものだろうか? 何時かお尋ねしようと思っている。根津がやっぱり粋なわけ、その一端が垣間見えた気がしません?

【場所】文京区根津2丁目24あたり(藍染通りのすぐ近く)です。
【余談】藍染通りとか丁子[ちょうじ]と聞くと、その意味が気になりますよね。藍(インディゴ)は良いとして、丁子のほうですが、これはクローブのことだそうで、黄色や薄茶色の染料として使われた(or る)ようです。いちおう広辞苑で「丁子染」をチェックすると、「丁字[<-辞書記述のまま]の蕾を煎じた染液で薄茶色に染めること。また、その色」とありました。ま、だからといって、丁子屋さんが丁子染専門なんてことは無いに決まってますが...。

この長屋に遭遇したときは仰天した。「うおおっ」とかうめくだけで言葉にならない。建物全体が日焼けと埃と錆びに覆われ、古色蒼然、スターウォーズ感覚。これはもう根津という銀河系のブラックホールに違いない。そのせいか、人をひきつける力も相当なものだ。ところで、この曙ハウスだが、廃屋ではない。人の出入りを目撃したことがあるし、妙に新しい2階のアルミサッシが、中で人が生活していることを物語っている。現役なんですね...これ。曙ハウスは偉い。

【場所】文京区根津2丁目あたりです。
【追記】ネットでちょいと調べてみると、このハウスは、大正末期から昭和初期にかけて、何棟か建てられたうちの1棟のようです。ま、頷けます。

狭い路地を進むと、それまで続いた長屋が途切れて、「質」の看板を掲げた重厚な日本家屋が現れる。サイタ質店だ。この看板、一見派手でまわりの雰囲気と不釣り合いに思えるが、実は、路地と家屋の両方にとても良くマッチした、すっごく良いデザインだと思う。昔の日本のデザインって、時にびっくりするくらいに派手な色使いをみせることがありますからね。この程度は特に派手ってこともないのかもしれません。やはり何やるにしても感覚ですね。この質屋さんはセンスが良いです。とりあえず、一緒にのれんをくぐってみましょう。ね、良いでしょ? 何度でも来たくなっちゃいそうでしょ。

【場所】文京区根津2丁目31あたりです。
【余談】これを見た途端に頭に浮かんだのがアンディ・ウォホールの名前でした。もしもアンディ・ウォホールが生きていて、この看板を見たら、すぐさまサインを入れて自分の作品にしちゃいそうだな〜と思って...。

根津・ねづ・ネヅ

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根津にはいまでも古い長屋と路地が残っていて。それが根津の風景の代名詞になっている。が、今日の一枚は、その固定概念の裏をかきます。この日はきれいな青空だったせいもあるが、この一画が妙に南の島っぽく感じられた。ビッグアイランドの鄙びた町とでも言われたら、頷いてしまうような風景ではないか? 色の抜けたトランクスとTシャツを着たローカルが、サーフボードを抱えて、ぺたぺたと裸足で歩いていそうな気がしてならなかった。これも根津、という根津。

【場所】文京区根津1丁目19あたりです。

団子坂のアメリカン'60s

千駄木駅を出て団子坂をすこし登ったところにハンバーガーショップがオープンしていた。アメリカ片田舎のルート66沿いに古くからあったような顔をしていて、思わず足が止まった。千駄木や谷中は古い江戸情緒を残した下町の代表格だが、以前から妙に先進的な感覚の店(閉店してしまったダウンタウン・ロッカーズマートなどが先鞭をつけたと思う)がオープンし、それがカモフラージュしたかのように周囲にうまく溶け込む不思議な町でもある。その例がまたひとつ増えた。

【場所】文京区千駄木2-28-7 北川ビル1F / TEL: 03-3822-5767
【余談】このお店で食事している時にオーナーらしき人の話が聞こえたのだが、シクスティーズを想わせるエクステリアやインテリアに使用している小物・大物の大半は、ネットオークションで手に入れたのだという。しかしこの徹底ぶり、一見の価値ありだ。

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